「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

FW9エヴェラウド・闘う人格者/【プレイヤーズファイル】

「AHHHH!」

 時折、エヴェラウドは声にならないうなり声をあげる。パスをミスしてしまったとき、シュートが決まらなかったとき、思うようなコースに飛ばなかったとき、そうした声が発せられる。最初、それを聞いたときとても感情的な選手なんだと思っていた。

 しかし、プレーを見るにつれて初めの印象はだいぶ変わっていった。もちろん感情的にプレーしないわけではない。ゲーム形式の練習をしているとき、失点ばかり重ねる流れに腹を据えかね、ゴールからだいぶ遠い距離なのにボールを奪った瞬間、振り向きざまにシュートを放ったことがあった。流れが悪いと簡単に負けることを許容する選手もいるなかで、彼は違っていた。むしろ、最後まで力を尽くす選手だという印象が残った。

「AHHHH!」

 その声がだいぶ耳慣れてきたころ、ふとあることに気が付いた。エヴェラウドが不満を漏らす相手は、決して他の誰かではない、ということに。ベクトルが向かうのは必ず自分。他人を責めたりなじったり、あるいは威嚇する姿は試合のなかでも練習のなかでも一度も見たことがない。不平不満が向かうのはいつも自分自身だった。

 

©KASHIMA ANTLERS

 

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