「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

川崎F撃破まであと一歩。チームの成熟を感じさせる白熱の90分(前編)/【レビュー】明治安田J1第27節 川崎フロンターレ戦

 どうしても勝点3が欲しい試合だった。G大阪、C大阪が敗れ、翌日には名古屋とFC東京の直接対決で名古屋が勝利し、上位陣に食い込むには絶好のチャンスだった。しかし、得られたのは勝点1。試合前日、監督からも並々ならぬ意気込みが感じられていただけに、望むべき結果が得られなかったことは本当に残念だ。

 しかし、試合を見返せば見返すほど、あと一歩まで川崎Fを追い詰めたことがよくわかる。試合への準備は困難を極めたことだろう。多くの不安を抱えながらピッチに立った選手がいたかもしれない。しかし、ホイッスルが鳴ってから立ち上がりの失点するまでの時間を除き、選手たちは持てる力の全てを出し切ったのではないか。そう思えるくらい川崎F相手に真っ向から闘い、戦術的にも優位に立ち、勝利まで本当にあと一歩だった。

 勝てなかったが、これだけ困難な状況でこの内容を演じた選手・監督に拍手を送りたい。急遽先発した山本脩斗も奈良竜樹もいい働きをした。レオ・シルバと三竿健斗も難しい役目を見事にこなした。土居聖真や小泉慶を筆頭にほぼ全員がポイントになる働きを見せ、エヴェラウドが特別な才能を発揮する。なにより川崎Fより組織として上回っていたことが嬉しい。

 次に対戦したときはもっといい内容で勝てるのではないか。そう思わせる勝点1だった。

 

 

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