「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

見えた変化。効果が期待される応急処置/【練習レポート】

 練習は久しぶりに活気に満ちていた。選手の声があちこちで聞かれ、空いた時間があればそこかしこで選手たちの輪ができる。コミュニケーションに割かれる時間は非常に多かった。

 ただ、この光景を持ってして相馬新体制になって選手たちが声を出すようになった、というのは少し短絡的な見方かもしれない。コミュニケーション量が増えたのは、要するにコミュニケーションを必要とする練習が増えたからだ。ザーゴ体制では行われなかった紅白戦に時間が割かれ、誰の目にも次の試合で起用されるメンバーは明らかだった。間違いなく先発起用される選手たちは自覚したことだろう。そうでない選手たちは自分が置かれた序列を理解し、誰がライバルなのか明確にわかったはずだ。

 そもそも、ザーゴ監督の練習の中では密なコミュニケーションを必要とする練習がそこまでなかった。戦術練習も行われたが試合を想定したメンバーではないためコミュニケーションの取りようがなかった。攻撃練習に取り組でも、予め動き方が定められているため声は出るものの「ナイス!」という声であったり、パスがずれた時に「もっとこっちにくれ」と要望を出すくらいしか必要とされない。トランジションを意識した守備練習でもフルフィールドを使った場面はほとんどないため、大きな声を張る必要もなかった。

 その分、試合の中では選手が話し合う姿が見られた。しかし、それも歓迎できることではなかったのかもしれない。本来、練習の中で済ませておくべき確認事項が、試合にならないとできなかった場合もあるだろう。試合になって初めて組むチームメイトと話さなければいけないことは山ほどあったはずだ。

 現況では応急処置が必要だ。その意味では、選手たちが活発に意見を交わすようになったのはプラス材料と言える。ポジションの序列をはっきりさせたことも昨日のオンライン会見で挙げられた課題をクリアする形となった。

 

©KASHIMA ANTLERS

 

(残り 1675文字/全文: 2486文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ