名古屋を窒息させた圧巻のトランジション/【レビュー】明治安田J1第21節 名古屋対鹿島アントラーズ
対戦相手が変わったはずなのに、敵である彼らが見せる表情はこの前の試合とまったく同じだった。
困惑。当惑。放心。狼狽。絶望。
心に浮かんだ本当の感情はわからない。しかし、私たちは知っている。つい1ヶ月半前まで、その表情を浮かべていたのは自分たちだったことを。そして、選手の個性が噛み合った試合はこんなにも美しいことを。
もちろん、完璧にはほど遠い。ボールを奪いに奪った回数の割に、チャンスはつくれなかった。ゴールに迫ることはできなかった。
それでも、選手たちは光り輝いていた。ほんの1ヶ月半前まで苦しそうに顔を歪めてプレーしていた彼らが、チームとしての約束を守りながら、持っている唯一無二の個性を燃やし尽くす。
「うまくやろうとかじゃなくて、力を尽くして、すべてを出し切ってやろう」
相馬直樹監督から、そう声をかけられた選手たちは、すべてを出し切って相手に隙を与えなかった。息つく暇もない圧力に、名古屋は文字どおり手も足も出ない。
被シュート0本の完全試合。2−0で難敵名古屋から完勝をおさめた。
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