「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

ピトゥカ!ピトゥカ!ピトゥカ!/【レビュー】明治安田J1第38節 ベガルタ仙台対鹿島アントラーズ

決勝点は、シュートではなくクロスだったそうだ。そのことを会見で尋ねられると、ちょっとしたいたずらが見つかった子どものように恥ずかしそうに俯いた。

「じつはクロスを上げようとしました。それが得点になってチームの勝利に貢献できたのでよかった」

得点を決めるのは、6月27日のホーム札幌戦以来、じつに5ヶ月ぶりだった。

「試合前からベガルタさんはタフな相手だと言われてきましたし、降格が決まっても真剣に勝負してくる相手であるとずっと言われ続けていました。実際、試合をやってみると難しい試合でした。ただ、その中で僕自身もゴールから遠ざかっていたところもありましたし、たとえクロスがシュートになり得点になったとしてもゴールはゴールだったので自分としては喜びがありました。チームの勝利に貢献したいという一心でずっとやってきましたので、やっと決められたということ、最後、勝利で終えたということは自分としても納得できる形になったかなと思います」

彼がいない間、明治安田J1では3勝3分4敗と苦しんだチームが、試合に出始めると18勝3分7敗と持ち直した。ゴールというわかりやすい指標がもっとあれば、リーグ全体に強烈なインパクトを残すことができたかもしれない。すでにリーグ終盤を迎えたFC東京戦でさえ、記者席のなかでは「鹿島の21番いいな」とつぶやく声が聞こえてきた。大方のピトゥカへの評価は、Jリーグにいるいい選手の一人、くらいなのかもしれない。

しかし、試合に出続け、全ての試合で勝利への強い意欲を示し続けた。鹿島が苦しんだシーズンだからこそ、その存在感は際立つ。シーズンの最後をピトゥカで締め括り勝点3をゲット。ACLへの望みをつなぐ4位で2021シーズンを終えた。

 

 

 

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