「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

果たして選手の意見が強すぎるのか。5人の監督で見られた同じような現象/【鹿島の流儀】

トニーニョ・セレーゾ、石井正忠、大岩剛、ザーゴ、そして相馬直樹。どの監督も、選手と素晴らしい時間をつくりながら、一度崩れてしまうとそこから立て直すことができなかった。

5人の監督の下で起きた現象は、だいたい同じ現象に見える。

始まりは、自分たちのやり方が通用しない内容で負けることだ。敗戦を、次の試合に繋げるための対処方法は2つある。敗戦の理由を、相手の戦いにうまく対応できなかったことに見出し、これまでとは別の対処法を準備するやり方が一つ。もう一つは、あくまで自分たちのやり方を追求する方法だ。相手の土俵に乗るのではなく、自分たちの土俵に引きずり込むことを狙おうとする。

岩政大樹は著書FootBall PRINCIPLESの中で、その2つのやり方を「バリエーション」と「徹底」と表現した。ある一定のレベルまでは「徹底」の方が上まわるが、その境界線を一旦超えてしまうと「バリエーション」の方が圧倒的に優位に立つ。

近年のJリーグを見ていると、「バリエーション」の拡張に励んでいるチームが躍進している。川崎Fも17年、18年と2連覇したあとの19年は、チーム全体に閉塞感が蔓延し、そこから衰退していくかと思われた。しかし、20年に[4−3−3]に挑戦したことが、再び連覇をもたらした。いまではどこよりもバリエーションに富んだ戦いを身につけている。

しかし、近年の鹿島は、ずっと「徹底」だけを繰り返している。これでは彼我の差は埋まらない。

 

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