「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

すべてはタイトルのために/【練習レポート】

2日間のオフを挟んでチームは再始動した。生憎の天候に見舞われたが選手たちが発する熱量は高かった。

特に、目を引いたのはディエゴ・ピトゥカだった。レネ・ヴァイラーが課すトレーニングに精力的に取り組み、ゲーム形式のメニューの中では強烈な左足ミドルを突き刺し、チームメイトから「ボア、ピトゥ!」と称賛を浴びた(boaはgoodの意)。今月一杯、出場停止が続くブラジル人助っ人だが戻ってきたときは試合を決定づける仕事を成し遂げれくれるのではないか。そんな期待を抱かせるプレーを練習の中から見せている。

 

チームの状態は悪くない。トレーニングの雰囲気も悪くない。それでもチームは岐路に立たされている。

自分たちがやりたいことをやらせてもらえるとき、鹿島は監督がザーゴさんでも相馬さんでも勝ってきた。しかし、優勝するにはそれでは足りない。自分たちが気持ちよくプレーできなくてもそこで踏ん張れる選手、チームがうまく機能していなくてもそこで点が取れる選手、苦しい試合を勝利に導ける選手。そういう選手が増えてこないと優勝までは届かない。自分が心地いいことだけやっている選手が多ければ、チームもそういうチームになるだろう。できないことをできるようにする。そのチャレンジに挑み、乗り越えた選手が多くなければチームは強くならない。

その意味でも、ピトゥカが熱心に練習に取り組む様子は非常に心強く映った。

 

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