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【無料記事】全国高校サッカー選手権群馬県決勝:前橋育英VS桐生第一 死闘のPK戦の末、前橋育英が2年連続19回目の選手権切符!

 11月8日、正田醤油スタジアム群馬で全国高校サッカー選手権群馬大会決勝・前橋育英対桐生第一が行われた。群馬の覇権を争う両雄の対決は延長戦でも決着せず2−2のままPK戦へ突入。前橋育英が10—9でPK戦を制して2年連続19回目の全国出場を決めた。

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  ゲーム序盤の内容を見ている限り、前橋育英の優位は揺るがないものと思われた。気鋭・桐生第一に固さがみえたこともあり、個の技術に差がみられたからだ。ワンタッチでのボールさばき、パス精度、そして1対1からの突破力。さらに前橋育英伝統の4−4−2システムの完成度も高かった。

  先制点がカギを握るのは間違いなかった。それを前橋育英があっさりと奪ったことでゲームの流れは前橋育英に大きく傾いていった。

  前橋育英は14分に尾ノ上幸生の右CKから金子拓郎がヘッドで叩き込んで先手を奪うことに成功すると、27分には昨季全国選手権準優勝メンバー・横澤航平が個人技で追加点をねじ込み、2−0でハーフを折り返す。

  ここまでは完全に前橋育英のゲームだった。だが、インターハイ県王者・桐生第一が底力を発揮する。田野監督は主将一宮憲太をCBから1列前に上げて中盤の圧力を強化、反撃を試みる。これによって桐生第一が目覚めた。

  息を吹き返した桐生第一は64分にエース滝沢昴司が右足でゴールネットを揺らして、逆襲の狼煙を上げる。さらに75分には途中出場の今泉祐哉がカウンターからゴールへと突進、技ありのショットをゴールへと収めて同点に追いついてみせた。

  青い稲妻。桐生第一は4年前の決勝・前橋育英戦でも0−2から同点に追いつき、逆転劇を演じた実績があるだけに、その再現かと思われた。現に、同点にしたあとは、勢いに乗って前橋育英を押し込んでいった。そこに個人の差は存在しなかった。

  だが、前橋育英にも意地があった。昨年全国準優勝、そして黄黒の誇り。夏のインターハイ県予選で桐生第一相手に苦杯をなめただけに、負けるわけにはいかなかった。プライド、意地、執念、伝統がぶつかり合う一進一退の攻防は前後半80分、さらには延長戦でも決着をみず、勝負は延長戦へと持ち込まれた。

  張りつめる空気の中、始まったPK戦。選手権切符をかけた極限のPK戦は、互いに9人目までが確実に決める展開となった。10人目で結果は出たが、そこに白黒はもはや存在しなかった。

  前橋育英 2−2 桐生第一(PK10—9)

前橋育英と桐生第一の「上州ネオ・クラシコ」。この名勝負は、県高校サッカー界に語り継がれることだろう。前橋育英は、桐生第一の魂をも背負って選手権の舞台に立つ。

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