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【無料記事】J2第41節ザスパ対北九州マッチレポート(1−2●) ザスパ、ホーム最終戦を白星で飾れず。試合後には北一真、有薗真吾の契約満了を服部監督が明かす

勝利を届けることができなかった。ザスパは、エース江坂任のゴールで先制したものの、その後、北九州に2ゴールを許して痛恨の逆転負け。ホーム最終戦でサポーターと喜びを分かち合うことができなかった。降り続けた雨が、その後に告げられる悲しきニュースを予見していた。

  負けられないゲームだった。公式発表はされていなかったものの、試合数日前、JFL時代の2004年から在籍する北一真と、チャレンジャーズチームからの生え抜きで在籍7年の有薗真吾に、契約満了が告げられていた。ザスパの一時代を築いたふたりとの別れ。「ターキーさんとゾノさんのために」。試合前のロッカールームで、選手たちは誓い合った。

  奮い立つハート。特別な思いを心に秘めてゲームに臨んだ選手たちは、序盤のピッチで躍動した。有薗が意図的にラインを上げて守備圧力を高めると、奪ったボールを吉濱遼平と江坂任が一気に運んで迫力のカウンターを仕掛けていく。

  先制は37分に生まれた。カウンターで持ち上がった吉濱がミドルレンジから左足を振り抜く。低い弾道のショットはポストに弾かれたものの、それを右サイドで拾った小柳達司がファーサイドへ滑らかなクロスを送り込む。それをヘッドで合わせたのは江坂だった。エースが放った渾身のヘッドは豪快にネットを揺らす。

  「タツさん(小柳)が完璧ボールを入れてくれたので合わせるだけだった。ターキーさんとゾノさんのために絶対にゴールを決めたかった」(江坂)

  歓喜に沸く敷島だったが、リードする時間は長くはなかった。40分、自陣ゴール前で与えたFKを、北九州・原一樹に直接蹴り込まれて、同点に追いつかれてしまう。この失点が後半にも響いていく。

  ザスパは、後半になって息を吹き返した北九州に対してしだいに劣勢となっていく。そして65分、バイタルエリアでの守備が緩んだところを突かれて、再びゴールを許してしまう。

  逆転された群馬はユンヨンスンに代えて永井雄一郎を投入し流れを変えにかかるが、崩れたリスムを取り戻すことはできない。そして、ゲーム終盤は善戦にロングボールを放り込んで、形振り構わずゴールを狙うもチャンスを作れず無情のタイムアップとなった。

  選手交代のタイミング、ロングボール戦術…逆転を許したあとの戦いは、プレー、采配ともにキレがなかった。前半の内容が良かっただけに、悔やまれる結果となった。

「ホーム最終戦だったので勝って終わりたかったが、自分のファールから同点にされてしまい、結果的に逆転を許してしまった。北九州が後半のチームということは分かっていたが、押し込まれてやられてしまった。サポーターの力を借りてひっくり返したかったが、自分たちの力がなかった」(松下裕樹)

  ホーム最終戦を飾れなかったザスパはシーズン終盤を迎えて2連敗で4戦勝ちなし。例年、この時期はチームの成長が感じられるターンで、ホーム最終戦は2シーズン負けなしだったが、3年ぶりに黒星。チームは暗闇に足を踏み入れつつある。

  試合後の会見で、服部浩紀監督が、北と有薗の契約満了を明かしたことから、試合後の雰囲気がそれに流されてしまったが、逆転負けを喫したのは事実。この現実から目を背けてはいけない。残り1試合、ザスパが何をみせてくれるのか。それが来季への希望となる。

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