無料記事【Gマガ特別寄稿】ザスパ草津チャレンジャーズ、県リーグ最終戦プレビュー「あきらめない二つのザスパ」
【Gマガ特別寄稿】
「あきらめない二つのザスパ」
ザスパ草津チャレンジャーズ、県リーグ最終戦プレビュー
キーマンはトップから期限付き移籍の志村駿太
県リーグで優勝するためには勝利が必要。運命の大一番!
(トップからチャレに合流した志村)
(チャレのキーマンとなっている志村)
(チャレに復帰した元チャレの快速FW吹田)
県リーグ1部
10月7日 vs tonanサテ
午後0時半キックオフ(高崎・菊地サッカーラグビー場)
(会場は駐車場が限られているので公共交通期間利用を)
■4連覇を賭け、いざtonan前橋サテライト戦に挑むチャレンジャーズ
1シーズンでのJ2復帰を目指す中で、1試合も負けられない戦いが続いているトップチーム。しかしそんな状況は、群馬県サッカーリーグ1部・ザスパ草津チャレンジャーズも同じなのである。
現在の順位こそ、暫定1位のチャレンジャーズだが、2位tonan前橋サテライト(以下tonanサテ)とは勝ち点31で並んでおり、得失点差で辛くも首位に立っている状況。さらに残り試合数に関しては、チャレンジャーズがあと1試合に対し、tonanサテは2試合残していることもあり、実質的には不利な状況でもあるのだ。
【群馬県1部リーグ上位】
1位 チャレンジャーズ
勝点31 10勝1分2敗 得失点差34 残り1試合
2位 tonanサテ
勝点31 10勝1分1敗 得失点差23 残り2試合
■県リーグ1部、優勝争いの行方
そしてチャレンジャーズの最終戦の相手だが、現在2位のtonanサテ(7日、高崎市・菊池サッカーラグビー場)との直接対決となり、この試合結果が今年の県リーグ1部優勝を大きく左右することになるのだが、簡単にそれぞれの結果パターンで「どうなるのか?」を記しておこう。
<チャレンジャーズ勝利の場合>
チャレンジャーズ優勝濃厚
チャレンジャーズの勝ち点が34、得失点差は35以上となる。ただし、tonanサテは1試合残しているので、7日の優勝決定はい。tonanサテが優勝するためには、最終戦(14日、vs 群馬教員)で「最低でも13点差以上での勝利」が必要であり、チャレンジャーズ4連覇が濃厚となる。
<引き分けの場合>
チャレンジャーズ2位濃厚
両者とも1ポイントを追加し、勝ち点は32となる。ただし、得失点差(9ポイント差)でチャレンジャーズの首位に変動はない。だが、tonanサテの最終戦が敗戦とならない限り優勝はない。(tonanサテは最終戦で引き分け以上で優勝)
<チャレンジャーズ敗戦の場合>
チャレンジャーズ2位決定
tonanサテが勝ち点を34に伸ばし、あと1試合残した時点で優勝決定。
このような状況になっており、チャレンジャーズは最終戦で何が何でも勝利が必要となる。
■苦しんだ序盤戦 まさかの敗戦
状況的にみれば、暫定首位であるものの、今シーズンのチャレンジャーズの戦いを振り返れば、「よくここまで持ち直してきた」というのが率直な感想でもあるのだ。昨年のメンバーから大きく入れ替わった訳ではないが、絶対的エースだった川瀬隼太が抜けた穴が埋めきれず、さらに最終ラインの構成に木村直樹監督は悩み続けてきた、
そんな状況のまま、県リーグの戦いに突入したが、かつてのような圧倒的な力の違いを見せるような試合ができず、勝っても僅差の試合が続いていた。
しかし、悪いなりにも勝てていたこともあり、選手の中では「tonanサテと上武(FC JOBU、JOBU/NEXT)を注意すれば・・・」という考え方もちらほら浮かんでいた。だが、そういう甘い考え方があったからこそ、6月10日のFC群馬戦でまさかの敗戦を喫し、その悪い流れを断ち切れないまま、24日のtonanサテ戦を迎え、そこでも0-2の完敗を喫し、前半戦の段階で、早くも首位tonanサテに6ポイント差をつけられてしまった。
あの時は怪我人も多く、ベストな形が組めてはいなかったが、それ以上に選手個々の力も未熟だったし、何よりチームとしてのまとまりにも欠けていた。最悪とも言える状況の中で、リーグ戦中断期間を迎えたのは不幸中の幸いでもあったが、tonanサテ敗戦の翌々日に行われた榛東サッカー場での練習に、正式メンバーではない「見慣れた背の小さい男」の姿があった。
■2人の即戦力プレーヤーの加入
今シーズンの2月で栃木ウーヴァを退団していた吹田諒が、草津に帰ってきたのである。2017年シーズンはJFLでプレーしたが、その後はオーバートレーニング症候群となり、今年に入ってからは満足に練習にも参加することができず、そのままチームを退団していたが、あれから5か月が経過しコンデションが整ったこと、そして彼の今後を気にかけていた草津のレジェンドでもある、堺陽二・栃木ウーヴァ監督の口添えもあり、慣れ親しんだこのチームに戻ることが決定、29日に正式に「復帰」がリリースされた。
さらに7月に入ってからは、トップチームから志村駿太の期限付き移籍も発表され、チームに不足していた攻撃力で大きな戦力を得ることとなった。
志村駿太にとって、チャレンジャーズ移籍はメンタル的な部分を含めて難しい決断であった。プロとして戦ってきた選手が、アマチュアとして草津町で働きながら県リーグを戦うということは、想像以上に簡単に受け入れられることでもないのだから。
だが、志村はこの状況を「成長するチャンス」として受け入れ、チャレンジャーズの選手たちと一緒に寮に住み、ザスパのルーツであるこの町での生活を始めた。
また、ほとんどの選手が同世代の仲間だったことも幸いし、すぐにチームに溶け込み、選手としても人間としても大きく成長した。これまで、トップチームの中ではどことなく遠慮がちな部分もあったが、チャレンジャーズに来てからは「自分が勝負を決める」という、強い気持ちを出せるようになり、木村監督も「戦力として本当に期待できるし、予想以上に早くチームにフィットしてくれた」と彼の能力を高く評価した。
■あきらめない2つのザスパ
J2出場経験を持つ志村と、昨年はJFLでプレーしてきた吹田の加入により、チームの熟成度が一気に上昇すると同時に、運もチャレンジャーズに味方した。
9月2日のJOBU/NEXT戦を痛恨のドロー(1-1)で終えてしまい、これで勝ち点差が広がり優勝は絶望的か・・・と思われたが、tonanサテも引き分けに終わり、さらに次節で敗戦を喫したことなどもあり、消化試合数の違いはあれど勝ち点で並び、最後の直接対決で勝てば逆転できる!ところまでこぎつけたのである。
トップチームがJ2復帰を目指し決死の戦いをみせる中で、チャレンジャーズも最後まであきらめず、目標に向かっている。10月7日、トップチームは秋田でのアウェーゲームを戦うが、チャレンジャーズは、同日午後0時半から高崎市の菊地サッカー・ラグビー場で優勝のかかる大一番へ挑む。「あきらめない2つのザスパ」。チャレンジャーズの勝利は、トップチームへの勇気となる。
(2018.10.05)