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無料記事【Gマガ】前育のイブラ、松本山雅へ  前橋育英FW榎本樹、松本加入会見 

無料記事【Gマガ】前育のイブラ、松本山雅へ  前橋育英FW榎本樹、松本加入会見

 

 

前橋育英の超高校級大型ストライカー榎本樹が来季、松本山雅に加入することが決まった。昨年度の全国高校サッカー選手権決勝で前橋育英を初の全国制覇へ導く決勝弾を決めた榎本は、恩師山田耕介監督が見守る中でJリーグでの活躍を誓った。

 

 

榎本樹。高校サッカーファンであれば、この名前を覚えているはずだ。昨年度の全国高校サッカー選手権決勝・前橋育英対流通経済大柏戦、0−0で迎えた後半アディショナルタイムに、ゴール前のこぼれ球を右足で豪快に蹴り込んで、優勝を決める決勝ゴール。応援スタンドへ向かって吠える姿は、記憶に新しい。

 

 

前線でのポストプレーと打点の高いヘッドが特徴の身長186センチの長身ストライカー。「好きな選手はイブラ(イブラヒモビッチ=元スウェーデン代表)」(榎本)という。前橋育英2年春から頭角を現すと、昨年のインターハイでは2年生ながら得点王に輝き、4強進出に貢献。そして高校サッカー選手権決勝では、決勝ゴールを蹴り込んだ。強運の星のもとに生まれた男だ。

 

 

ダイナミックなプレーが売りのストライカーだが、ドルブルも繊細だ。中学時代は、静岡学園か前育かで進学を考えたが、結果的に前育を選択。ゴール前で迫力のプレーをみせる一方で、軽やかなシザースや細かいステップを披露するなど能力の高さを誇示。将来性の高さを早くから見抜いていた松本山雅のスカウト陣が、昨年度から徹底マーク。今年5月の練習参加を経て、正式にオファーし合意に至った。

 

 

「前線での強さと、ゴール前での勝負強さに惚れた。練習参加のときは金沢との練習試合にも出てもらったが、相手選手とやり合うなど気持ちの強さをみせてくれた。プレーだけではなく、負けん気の強さもプロ向きだ」(松本山雅・南省吾テクニカルダイレクター)

 

「高さと強さだけではなく、足元のうまさも備えた逸材。将来、日本を背負って立つストライカーになれる存在だし、ならなければいけない。クラブとして全力で育てていきたい」(江原俊行強化育成部スカウト)

 

 

松本山雅は、前育のレジェンド故松田直樹が所属したクラブ。松田と同じ黄色と黒の血が流れる榎本が、松本のピッチに立つのも運命を感じる。榎本は「山田先生から、松田さんは熱い選手だったと聞いている。自分も前育出身の選手として熱いプレーをみせたい」と思いを馳せる。

 

 

プロの世界へ飛び出す榎本は「選手権の決勝ゴールによって世界が変わったが、あのイメージが強すぎるので、あのゴールだけではなく、これからのプレーで注目してもらえるようにしたい。プロで1日も早く試合に出て、ゴールを決めたい」と未来を見つめる。2018年度の前育のエースは、揺るぎない自信を胸にプロの門を叩く。

 

(伊藤寿学)

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