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無料記事【結果】関東サッカーリーグ2部後期第9節(最終戦) ザスパ草津チャレンジャーズ対VONDS市原ヴェル

 

無料記事【結果】関東サッカーリーグ2部後期第9節(最終戦)

ザスパ草津チャレンジャーズ対VONDS市原ヴェル

 

 

 

最終戦で敗れて関東2部7位で今季終了

集大成を見せる場で脆さを見せてしまったチャレ

 

 

【結果】

 

チャレ 23 ヴェル

 

前半(0−1)

後半(2−2)

 

【得点】

18分:オウンゴール

54分:清水大士(チャレ)

55分:梅田至(ヴェル)

58分:清水大士(チャレ)

59分:梅田至(ヴェル)

 

【スタメン】

 

GK24 岩﨑勇希

DF9 高橋優人

DF8 吉原隼加

DF2 仙葉秀一

DF6 関口蓮

MF22 大澤靖信

MF25 高松琢人

MF23 吹田諒

MF20 藤井惇

FW10 操将真

FW28 清水大士

 

【控え】

 

GK1 菅野佳陽

GK21 西村孝允

DF5 田沼和樹

DF15 小寺薫

MF7 荻谷嵩人

MF19 畠山友志

FW18 渡辺悠太

 

【交代】

 

64分:関口蓮田沼和樹

74分:高松 琢人渡辺悠太

81分:藤井惇荻谷嵩人

 

【戦評】

 

最終戦で有終の美飾れず

 

リーグ戦・最終戦、勝って終わりたかったチャレンジャーズ。しかし、甘くはないリーグであるということを、またも教えられる結果になってしまった。

 

 

最終節ということもあり、試合前は間違いなく気持ちが入っていた。また、前節の試合後ミーティングで木村直樹監督は技術的な部分以上に、メンタル面での成長を鼓舞。控え選手のサポート意識も高く、間違いなくチームとしての一体感が高まっていた。だが、肝心の試合は「まさか」の内容となってしまう。

 

 

昨年の関東社会人決勝戦の再戦となったこの試合だが、自分たちのミスから相手に主導権を握られてしまう嫌な展開で始まっていく。後ろからしっかりつないでいくスタイルのチャレだが、低い位置でのボールロスト、ビルドアップの際のパスミスなど、これまでの試合ではあまり出なかった場面が続出。ヴェルが良い試合の入り方をしたのではなく、完全に自滅という形でゲームが進んでいく。

 

 

そして前半18分、CKを与えると、なんとここでクリアに入ったFW清水の背中にボールが当たってしまい、そのままゴールイン。シュートをまだ1本も放っていなかった相手に、まさかの先制点をプレゼントしてしまう。

 

 

なんとか主導権を握り返したいチャレだが、この日は気持ちだけが空回りしてしまったかのように、連携ミス、パスミスが続出した。そのため後ろから無理に長いボールを前に蹴り込むだけの形に終始してしまい、これまでの試合の中でワーストといっていい内容で前半を終えてしまった。

 

「6分間」で2得点2失点

 

このままではいけない。まずは落ち着いて、もう一度自分たちがやってきた「つないでサイドから崩す」という原点に立ち戻ろうと後半にピッチに立つ。徐々に形が作れるようになり、後半9分、右サイドを駆け上がった藤井がグラウンダーの速いボールを入れると、これに清水が見事に合わせてついに同点に追いつく。

 

 

しかしだ、同点に追いついた直後の後半10分、キックオフから素早くつながれて前線にボールが入ると、CBの仙葉が対応して一度はクリアしたものの、セカンドボールを拾われてゴールを許し、あっという間に再びリードを奪われてしまう。

 

 

ここで試合は一旦落ち着くかと思われたが、互いの守備陣の修正が効かない時間帯がまだまだ続き、後半13分に高松が絶妙の浮き球を前線に入れると、高さのある清水がうまく体を入れ、ドンピシャのタイミングでヘディングシュート。これが決まって再び同点に追いつく。今度こそ良い流れを作りたいところだったが、わずか1分後の後半14分に、再び勝ち越しゴールを許してしまう。

 

両者とも、前半の戦いからはまったく考えられないような、激しい点の取り合いとなった6分間。確かにチャレの1点目は自分たちらしいサイドを攻略して仕留める形だったし、2点目は高松のパスセンスと、清水の高さというそれぞれが持つ「個」を活かした素晴らしい得点であった。だが、2失点の奪われ方はこれまでの失点パターンで一番多かった、リスタートからの速攻を受けた場面であり、この弱点が修正できていない証にもなってしまった。

 

攻撃システム変更も得点ならず

 

今季はセットプレー、カウンター対応に甘さがあった。どの試合でも高いポゼッション率を誇り、ゲームの主導権はほとんどチャレが握る試合ばかりだった。また、相手に主導権が移ったとしても、速さで優る仙葉と吉原のCBコンビがピンチを未然に防いできたので、流れの中で「崩されて失点」という場面はほとんどなく、内容だけで評価すればチャレのサッカーは悪くはないものだった。だがしかし、内容が良かったから成績も良かったのか?と言われれば、それは「No」であり、リスタートやカウンターからの速攻に対しての脆さを見せたのも事実だった。

 

 

それがこの大事な最終節でも顔を見せてしまったが、まだ残された時間は30分あり、この時点では焦りはなかった。そして後半29分、ベンチは今季初と言える戦術的な動きを見せることに。今季はトップチーム同様の【4-4-2】で戦ってきたが、攻撃的な【4-3-3】に変えて勝負に出る。しかしこの交代により、ヴェルの方は明確に「守りきる」という方向に舵を切り直し、チャレの攻撃に対応していくこととなる。

 

圧倒的な攻勢に出るチャレだが、守備をガッチリ固めるヴェルに対して、ボールこそ回るものの、2トップの清水にも操にボールが入らず、後半13分以降1本もシュートを放てない。そしてアディショナルタイムに迎えたFKのチャンスも跳ね返され万事休す。結果的に最終節も星を落としてしまい、23分4敗(勝点9)、得失点差0で7位という順位で関東リーグ1年目のシーズンが終了した。

 

関東(2部)1年目の 収穫と課題

 

選手の「個の能力」では、間違いなくトップクラスにあり、リクアクションではなく、自分たちから仕掛けていくサッカーは、守備を重視する関東リーグの中では異彩を放ったと言える。だがしかし、攻撃力以上に「守備力」が高まるのが関東リーグ。それを今回の挑戦では打ち破れなかったが、その壁をどう打ち破っていくのかが来季の課題となる。

 

4日の試合で今シーズンのリーグ戦は終了を迎えたが、彼らのシーズンはこれで終わりではない。10月最終週より、関東リーグ1部/2部クラブが揃って出場する「市原カップ」が開催されるため、彼らはそこに向けていまチームのリニューアルに取り組んでいる。リーグ戦では7位に終わってしまったチャレだが、リーグ戦出場がなかった5人を含めて、チームの総合力をどう高めるのか。引いて中をガッチリ固める相手をどう崩すのか。そしてカウンター対策への徹底など、修正すべき点はいくつか存在している。2週間後にやってくる「リベンジの場」でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。

 

サポーターに勝利を届けるために、トップチームへアピールするために、チャレの挑戦はまだまだ続いていく。

 

 

 

 

(2020.10.19)

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