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長谷川竜也、横浜FC2022シーズンのキャプテンに就任!!

横浜FCの2022シーズンのキャプテンが決定した。長谷川竜也。前年度J1チャンピオン川崎から来た、もうすぐ28歳を迎えるアタッカーを四方田修平監督は選んだ。

 

キャンプ取材を通じて、記者のキャプテン予想は以下の通りだった。
◎本命 齋藤功佑
◯対抗 岩武克弥
△穴     高橋秀人
×大穴  安永玲央

高橋の場合は本人に引き受ける意思があるなら昨季の後半にキャプテンをやっていたはずだし、21歳の安永に10番に加えて腕章はいくら何でも重すぎる。実質上は齋藤か岩武の二択だと思い、長谷川はまったくのノーマークだった。今季移籍してきたばかりなのと、本人の性格の謙虚さから、あまりそういうことを引き受けるタイプに見えなかったからだ。

素顔の長谷川は礼儀正しく、ものすごく謙虚な青年だ。

「竜也くんは面倒見がいいというか、優しいし、川崎で去年は僕も竜也くんも最後のほうは試合に絡めない時期が長かったんですけど、そのときに『モチベーションを低くするのは簡単だけど、1日でも練習を無駄にしないで上手くなってやろう』と話してくれた。真面目で、でもボケてくるときはボケてきて、そのバランスが竜也くんはいいなと思います」(イサカ・ゼイン)

「死ぬほどいい人。僕は三つ歳下ですけど、僕にもずっと敬語です。自分のことも自分でやる。横浜FCは洗濯のおばちゃんとかいなくて、洗濯をマネージャーがやってるんですけど、そういう情報を事前に川崎の人から聞いてて、『ちょっと着たくらいだと洗濯に出すのが申しわけないから』って次の日も着てたり。気配りがすごいです。でも固いわけじゃなく、明るいし」(網盛孝哉マネージャー)

取材対応ももちろん丁寧で、グイグイと攻め込むピッチでのプレーぶりから考えれば、謙虚すぎるところもあるかなと感じられるほどだ。

なぜ彼を選んだのか、四方田監督の札幌時代がヒントになるかもしれないと思い、旧知の札幌の番記者に聞いてみた。四方田監督が札幌の指揮官に途中就任したのが2015年7月。翌年、札幌のキャプテンは河合竜二から宮澤裕樹に交代している。が、「それはたぶん四方田さん、関係ないと思います」と番記者氏。2011年からキャプテンとしてチームを引っ張ってきた河合も年齢的なものもあって怪我も増え、それ以来ずっと不動のキャプテンであり続けている宮澤への禅譲は既定路線だった。

「ただ、当時の宮澤は今みたいな感じじゃなかったですよ(笑)。もともと積極的に言葉を発信するタイプではなくて、淡々とプレーで引っ張るタイプでしたが、プレーに責任感が出て変わっていったと思います」(番記者氏)

立場が人を作るということもある。川崎で長谷川を見続けていた番記者氏は「彼から特にキャプテンシーを感じるような言動、振る舞いはあまり見たことがないな。悪いけど(笑)」という一方でこう続けた。

「ただ、彼の中にそういう熱いものがあることは間違いない。川崎の場合は上にすごい選手がたくさんいて、彼がそういうキャプテンシーを出さなくても全然回っていたというのもあるから。ポテンシャルは間違いなくて、怪我さえなければ代表に行ってもおかしくない活躍ぶりだった。そういうものが備われば、彼にとっていい機会なんじゃないですか」

キャンプでのレポートを通じても、練習試合で自分の出番を終えたあと、次の一本が始まる際にピッチに最後まで残って選手を送り出す姿、川崎から持ち込んだ『風間式トレーニング』を他の選手にも教え、それに使う大量の水を自ら二つのジョウロにいっぱいに汲んで運ぶ姿をお伝えしてきた。彼のコメントを読めば、彼の「仲間を思う気持ち」の強さはひしひしと感じられると思う。

在籍最年長(ユースから数えれば13年!)として存在感と自覚を増している齋藤、明治大ではキャプテンを務め昨年は後輩の瀬古を陰に日向に支えた岩武、そしてGK最年長のベテランで面倒見のいい六反パパと、副キャプテン陣も頼りになる。長谷川には長谷川らしく、真面目に、明るく、そして熱くチームを引っ張っていってほしい。そして願わくば宮澤のように、横浜FCを象徴する存在になっていってほしいものだ。

(芥川和久)

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