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下平隆宏監督「今日は俺にとって、去年の開幕戦のリベンジだと思って臨みました」……J2第03節・大分戦 相手監督コメント

3/6に行われたJ3第3節・大分戦。相手監督のコメントのうち、横浜FCについて語った部分、試合内容について相手側視点として参考になる部分を抜粋してお届けします。

■下平 隆宏監督

――試合全体を振り返って。
「かなり良いゲームの入りができて、先制もできた。90分を通してわれわれがゲームをコントロールする時間が長かった中で勝点3を取れなかったことが悔しい。ただ連勝している相手にしっかり内容は上回ることができた。こういったゲームを続けていくことでしっかり勝点3を取れるチームに変わっていかなければならない」

――勝点3を取っていくためには?
「勝負を決めるのは得点のところ。長沢駿にもビッグチャンスがあったが、あれは相手のキーパーをほめるべきシーンかもしれない。逆に山下選手は靴が脱げてたんですよね。それであのシュートが打てるというのが不思議な感じがしますけど(笑)。そういうのが入ってしまうのもあるので。ゲーム自体は主導権を握れたかもしれないけど、決定力のところ、それプラス、失点しないように守るところ。もちろんゲームの流れとか運もありますが、その運をこちらに引き込めるように選手たちと準備していきたい」

――ホーム開幕戦であり、監督にとっては古巣との対戦でしたが?

「単なる一試合ではなかったのは確かですね。顔見知りも多いですし、ここにも前の番記者さんが来てますし(笑)、いろんな横浜FCのスタッフ、選手と会いながらだったので。ただ、自分は今は大分の監督として昇格するというミッションをやっているわけで、特別な思いはありましたが……、倍悔しいですね。はい」

――井上健太選手を投入して右サイドで圧力を増していく中で、同じサイドを起点に失点しましたが?
「前半から(増山)朝陽で相手の左サイドの体力を削っておいて、右に健太と中川寛斗を入れたのはプラン通りだった。えぐってチャンスもあって、もう少しでゴールという雰囲気になっての失点だったので……。ちょっとした気の緩みなのか、少し隙を突かれてしまった感じはあります。ただ、相手もスピードのある山下選手を入れて、ワンチャンスをねらってきての失点だった。そこの隙をうまく突かれてしまったという印象です」

――敗れたとはいえ下平監督監督の攻撃的なサッカーが随所に出ていましたが?
「今日、横浜FCさんはオールコートマンツーマンに近い形で来るのは予想していましたし、実際にそれに近い形で来ました。それに対して逃げずに、高木駿のところからつないでいくというところで、本当に果敢にトライしてくれたと思いますし、ここまで(プレスに)来る相手を自分たちでコントロールしてゲームができたというのはすごく自信になると思う。この出来でしっかり勝点3を取れるようにまた頑張っていきたい」

――ピッチ上でいろいろな駆け引きがあった思いますが、選手たちのピッチでの自主的な判断力の評価と、駆け引きにおいて難しかった点は?
「マンツーマンであれば、前のほうは3対3になっている。そこでわざと相手を引き込んで、3対3のところで勝負するというのは狙っていたところでした。ゲームを進めていくと、おそらく優位になるマッチアップのところが出てくるから、そこを選手たちがしっかりゲームの中で見極めて判断して、そこに入れていく。それが呉屋(大翔)なのか、(増山)朝陽なのか、(小林)成豪なのかというところで、見ていると、特に前半は朝陽のところにボールが入ったときはチャンスになっていたので、まずはそこを選手たちが判断してくれたのは良かった。ただ、一瞬の隙を突かれて、何もないところから失点してしまったので、その辺りのゲームのところ……。たぶん、あの流れでいくと、自分たちが攻撃、攻撃と前のめりになったところで取られた感じだったので、前のめりになりながらも冷静にリスク管理できていれば良かったかなと思っています」

――前半に良い時間は、町田也真人選手がフリーになる時間が多かったと思います。先ほど四方田修平監督が「後半はマッチアップを修正した」とおっしゃっていましたが、その影響は?
「(横浜FCは)高木(友也)選手を朝陽に当ててきて、3バックの中塩(大貴)選手をインテリオールのところに当ててきた。おそらく中塩選手と朝陽のミスマッチが気になったんだと思います。それで一つ前にマークを出して、ズラしてきた。といっても中塩選手は3バックの選手なので、インテリオールが(低い位置に)下りれば下りるほどリスクを負って前に出なければいけない。最終ラインを守るのが高木選手になる。それはそれで、こっちとしては……(悪くなかった)。ただもっと、中川寛斗を入れて、もっと困らせるように下りてみたり、真ん中に来たり、もうちょっと逆までズレていくと、自分の範囲をかなり越えてマークしなければならなくなるので、そこの難しさは出るだろうなと。そこにさらに健太を入れてと考えました。健太と(中川)寛斗とで、うまくやってくれたと思います」

――手塩にかけて育てられた手塚康平選手が、下平監督のサッカーを知り尽くしている感じで、下田選手を見ながらGKまでプレスをかけてきましたが?
「僕は手塚康平みたいなプレーヤーが好きですし、(下田)北斗も好きですし、特に左利きは大好物なんですよね(笑)。お互いにゲームの中で意識してたと思いますし、たぶん(手塚)康平も北斗のことは意識して、あそこから展開されるのは嫌だと思うので、そこになるべく配球させないようにしていた。もちろんチームとしてのやり方もあったと思いますが、マッチアップしているところは面白かったというか、お互いに意地もあるんだろうなと思って見てました。ただ、1アシストされましたし、恩返しされたなと思います(笑)」

――ご無沙汰しています。昨季の札幌との開幕戦のあと、ジャンケンの話をしたのを憶えてらっしゃいますか?
「ご無沙汰してます。はい、憶えてますよ」

――後ろからつなぐ下平監督のスタイルが『パー』なら、札幌のマンツーマン守備は『チョキ』。その相性の悪さに、あのときはロングボールという『グー』を選択して大敗しました。今日は『パー』でしたね?
「今日のゲームは俺にとって、去年の開幕戦のリベンジだと思って臨みました。当時の札幌のサッカーと、マンツーマンで来る四方田監督のサッカーは、守備のところでは一緒だったので、それをどうはがしていくかというのは徹底的にやっていこうと思っていました。選手にもそう話をして、ミーティングでもビルドアップのところをしつこく、どうはがしていくかというのをやって、そこの部分では手応えというか、選手たちがよくやってくれたと思ってます」

――ただ、『パー』の中にも、ときどき『グー』を混ぜてきました。
「そうですね。高木駿のところにはプレスが来たり来なかったりだったので、来たらはがす、来なかったら高木駿から嫌なところへ入れていけというのは徹底していました。高木駿がフリーだったら彼のキックは良いので、ミスマッチを狙って蹴って、セカンドを拾っていくというのはできていました。相手が出てくれば、それを1枚1枚はがしていくという作業を……。本当だったらまだまだ足りないんですよ。できない場面も、特に前半なんかはまだまだ少し怖がってた部分もあるので。それは高木駿だけでなく、フィールドの選手全体が。もっとやってほしいけど、トライしてくれたことはすごく良かったと思います」

――こんなにプレスをはがされたのは、横浜FCにとっても今季初めてでした。
「その前にルヴァンカップでガンバとやってて、あっちのプレッシャーのほうがもっと激しくて強かったですね。スカウティング映像を見ていても、あのときのガンバほどじゃないから絶対に大丈夫だと。そういうところで試合に入りました」

――双方が攻撃的で、面白い試合をありがとうございました。三ツ沢での再戦、お待ちしています。
「次はリベンジしますよ(笑)。ありがとうございました」

 

久しぶりのシモさん節が聞けました。苦手としていたマンツーマンプレスに対し、真っ向からはがしに行って手応えを得たところで、“勝負に勝って試合に負けた”的なさわやかなコメントです。こちらも前の2試合とは前線の選手が替わっていることもありますが、映像で比較しても「ガンバほどじゃない」というのはまだまだ伸びしろがあるということ。10/9、三ツ沢での再戦では再び苦手意識を呼び起こさせるように完成度を高めていきたいところです。あと野村直輝選手とスタンドで会いましたが、「温存です、温存(笑)」とのことでした。「三ツ沢では絶対出られるようにしたい」と言ってましたので、こちらも楽しみです。

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