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土屋雅史さん特別寄稿:横浜FCユースの現在地

▼監督・小野信義の指導

ここまでは7試合を消化して3勝1分け3敗で、12チーム中5位。 昨シーズンは年間通算6勝で7位だったことを考えると、まずまずのスタートを切ったことは間違いない。また、第7節では青森山田の難攻不落とも言うべき“アウェイ要塞”に乗り込み、終盤の決勝ゴールで1-0と劇的勝利。大きな白星を手に入れることに成功した。

前述した小野信義監督は、現役引退後にギラヴァンツ北九州やジェフユナイテッド千葉で指導者としての腕を磨き、2016年に横浜FCユースの監督に就任。3年後の2018年にチームをプリンスリーグ関東昇格に導くと、翌2019年にはシビアなプレーオフを勝ち上がって初のプレミア昇格を達成。以降の2年間はジュニアユースの指導に当たっていたものの、今シーズンから再びユースの監督に復帰している。

基本的にはシュッとした男前で、物事を客観視できる冷静さと、たぎる情熱を併せ持つ熱血漢という印象も。安永玲央や大内一生(長野に期限付き移籍中)、斎藤光毅(現ロンメルSK)はユース在籍時に小野監督の指導を仰いでおり、トレーニングからプロで戦うためのベースを構築していった印象もある。

シュッとした男前の小野信義監督

 

5-0で快勝したJFAアカデミー福島U-18戦では、後半に相手が退場者を出したのだが、小野監督は「自分たちにとっては楽な感じになったんですけど、ギリギリの中で選手たちも頑張っていますし、あのプレーもすごく悪質な感じはしなかったので、ちょっと退場しちゃった子がかわいそうでしたね」と気遣った。もちろん目の前の勝利は目指しつつも、そういう部分に目が向くところもこの指揮官の魅力だと、個人的には感じている。

今季のユースの基本システムは、トップチームと同様の[3-4-2-1]。後方から丁寧にビルドアップしながら、両ウイングバックにボールが入れば一気にテンポアップするサイドアタックと、2シャドーがうまくギャップでボールを引き出しつつ複数人が関わった連携で中央を崩すスタイルもミックスされた、アグレッシブな攻撃サッカーが特徴だ。

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