HAMABLUE PRESS

土屋雅史さん特別寄稿:横浜FCユースの現在地

▼注目の若きハマブルー

グループを束ねるキャプテンは、年代別代表にも招集されている池谷銀姿郎。昨シーズンからは3バックの一角としてディフェンス陣を支えている。人にも強く、足元も巧みではあるが、時折信じられないようなミスをしたかと思えば、次の瞬間にはとんでもないハイクオリティのプレーをくり出すことも。誰からも“銀ちゃん“というニックネームで呼ばれるナイスキャラで、「自分の良さはエネルギー。そこはここでも代表でも、トップチームに行っても変わらず大事にしています」と話すなど、人間性の部分でも不思議な魅力を湛えた好選手だ。

キャプテン池谷銀姿郎。この写真一枚でも不思議な魅力が伝わる

 

同じく最終ラインでは、192センチの長身を誇るヴァン・イヤーデン・ショーンの存在も見逃せない。カナダ国籍の父親の影響で英語もペラペラというスペックの持ち主。スラリとした体格でいわゆる“ハンサム”男子ではあるものの、「自分の一番の強みは闘争心で、そこは絶対に負けないという自信もあります」と言い切るメンタルも携えており、高さでも球際でも戦う姿勢を打ち出し続けるスタイルが頼もしい。

193cmの長身に闘争心も兼ね備えたヴァン・イヤーデン・ショーン

 

シャドーでは、まさに“美少年”という表現がしっくり来るMF井上輝が、その名前通りの輝きを放っている。昨シーズンは夏過ぎからなかなか出場機会を得られずベクトルが外へ向きかけた中で、「コーチと話した時に『このままBチームにいていいのか』とか、『プロを目指すならここにいちゃいけないだろ』と言われて自分に火が付いたかなという感じです」と振り返ったように、改めて自分自身を見つめ直す。迎えた今シーズンはここまでリーグ全試合にスタメン起用され、ゴールも記録。その能力をようやく十全に解き放ちつつある、

美少年シャドー、井上輝

 

チームの9番を託されるストライカーは守屋颯人。ここまでリーグ戦で3ゴールを挙げているが、何よりもまず面構えがいい。“点を獲る人”特有の強気なメンタルが表情ににじみ出ている。だが実際に話してみると、実にいいヤツ。JFAアカデミー福島U-18戦では素晴らしい得点を叩き出すと、「自分がゴールを獲るという強い気持ちはいつも持っていますし、フォワードなので得点を獲ることがアピールになると思います」ときっぱり。トップチームの小川航基のプレーを参考にしているとのことで「少しでも小川選手に近付きたいです」とも語っていただけに、これからも大いにゴールを獲り続けてもらおう。

ストライカー守屋颯人。“小川航基二世”になれるか

 

ほかにも今シーズンの10番を背負い、サイドを疾走するスピードスターのMF高塩隼生、利き足の左足での高精度キックを誇り、センターバックもサイドバックもこなせるDF中村琉聖、小柄な身体に圧倒的なテクニックとゴールへ迫れるセンスを兼ね備えたMF永田滉太朗、昨年からゴールマウスを託されているスケール感抜群のGK西方優太郎など、好タレントがズラリ。彼らの順調な成長は、そのままクラブが描く明るい未来へと直結することは間違いない。

高精度の左足を操る中村琉聖

 

ドリブルで打開する永田滉太朗

 

今後はおそらく少しずつ有観客の試合も増えていくはず。そうなった暁には、ハマブルーの今後を担い得る若きタレントたちが躍動する姿を、ぜひ会場で直接応援していただきたい。そして、私が毎週プレミアリーグの展望やトピックスを紹介している、J SPORTSオンデマンドの配信番組『Foot! THURSDAY Presents 土屋雅史の高円宮杯U-18プレミアリーグ 深堀りレポート!』も会員登録をしていただければ無料で視聴できるので、これを機会に是非ご覧ください(笑)!

銀ちゃんが引っ張る横浜FCユースに注目!

(写真と文/土屋雅史)

いかがだったでしょうか? 土屋さんにはまた横浜FCユースの試合を取材された際に原稿をお願いする予定です。また、本日行われる第8節・前橋育英高との注目の一戦は、レッズプレスなどで健筆をふるっておられる佐藤亮太さんが取材されて原稿を書いていただく予定です。そちらも楽しみにお待ちください。

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