デイリーホーリーホック

【練習レポート】3月29日午前練習「ディテールにこだわる」(2012/3/29)

万国共通のトレーニング

 29日はツインフィールドでの2部練習。まずは午前練習のレポートをお伝えします。

 さて、この日のトレーニングメニューですが、「プロってどんなすごい練習をしているんだろう」と思って見に来た方は拍子抜けしたことでしょう。4箇所に分かれての基礎的なパス練習を行った後、攻撃陣はセンタリングシュート。守備陣はロングフィードに対する対応とクロスへの対応という、基礎中の基礎に時間が割かれたのです。ただ、これこそ「万国共通のトレーニング」だと柱谷哲二監督は語ります。「基礎ができているのがプロ」と思われがちですが、「世界のトップレベルだって、基礎のトレーニングは欠かさない」と柱谷監督が言うように、基礎トレーニングを積み重ねて質を高めていくのが本当のプロなのです。

 柱谷監督はこう言います。「単なる基礎トレーニングでも、自分で集中力を持って、リアリティーを持ってできるかで中身の濃さが変わってきます。パス1本に関しても、右足に出すのか、左足に出すのか、少しスペースに出すのかをイメージしながら出すことが大切。相手がどういうボールをほしがっているのかを感じることも大事ですね。それによって、パスのスピードも変わってきます。簡単な練習でも選手は自分でテーマを持って練習しないといけない。それができる選手とできない選手で差が出てくるのです」

 こうした基礎トレーニングは昨年からずっと続いていること。積み重ねがチームの成長につながっているのです。「ディテールにどこまでこだわれるか。戦術はみんな頭に入っているので、あとはそれを体現できるかどうか。さらに質を高めていく」(柱谷監督)。

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【写真:佐藤拓也】

不必要な声がない

 今季のチームを見て思うことは「静かだな」ということです。決して「声が出ていない」のではなく、「不必要な声がない」と感じます。こうした基礎トレーニングが続く中で「盛り上げていこうぜ!」や「シュート決めていこうぜ!」的な声が少ないのが今年のチームの特徴なのかなと、この日の練習を見て、あらためて思いました。秋葉忠宏コーチが大声を張り上げて盛り上げているということも関係していると思いますが、選手たちは一つひとつのプレーに集中し、感触を確かめながら、徐々に精度を高めていき、いいプレーが出始めると、自然と盛り上がっていく感じなのです。無理に声を出さなくても集中してプレーできるチームになりつつあるという印象を受けました。
 J1にはそういう雰囲気のチームが多いです。そうしたチームに近づいているのかもしれませんね。褒めすぎでしょうか。

 ということで、午前中の練習は1時間半弱で終了。午後は戦術トレーニングが行われる予定とのこと。また、後ほどレポートさせていただきます。監督・選手のコメントも午後のトレーニングレポートでお伝えしたいと思います。

(レポート=佐藤拓也)

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【写真:佐藤拓也】

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