デイリーホーリーホック

【スパイテレホン第1回】「モンテディオ山形」 フリーライター佐藤円氏に聞く!(2012/3/30)

フリーライター・佐藤拓也が対戦相手の情報を聞き出す「スパイテレホン」。
その第一回目の対戦相手はモンテディオ山形。
古くから山形を密着取材し、現在「J’sGOAL」「エルゴラッソ」で山形を担当するフリーライター佐藤円氏に山形の現状を聞いた。

簡単じゃないJ2

佐藤拓(水戸) 4年ぶりにJ2に戻ってきましたが、どんな印象ですか?
佐藤円(山形) 3年いなかったのですが、かなりレベルが上がっているなと(笑)。いい選手が多いし、攻撃的にパスをつないでくるチームが多い。4年前のイメージとは様変わりしていますね。

佐藤拓(水戸) こんなはずじゃなかったぞという感じですか?
佐藤円(山形) J1にいる時からJ2のレベルが上がっているということは分かっていました。弱いチームがなくなってますよね。どこが上位に来てもおかしくない状況だなと感じています。

佐藤拓(水戸) 前回のJ1昇格はダークホース的な存在でしたが、今年チームを取り巻く雰囲気はどうなのですか? 結構プレッシャーがかかっているのですか?
佐藤円(山形) クラブもチームも「1年でのJ1復帰」という目標を掲げているので、そこに向けて頑張っています。あくまで「J1昇格」が目標です。ただ、J2の頃から応援しているサポーターは「簡単じゃない」ということは分かっているんじゃないですかね。

奥野監督の面白い指導方

佐藤拓(水戸) 奥野僚右監督はいかがですか?
佐藤円(山形) 意外と面白いですね(笑)。

佐藤拓(水戸) 意外とは?
佐藤円(山形) 結構考え方に驚かされることがあります。これまでミスした時はミスを突きつめて同じミスをしないように修正していくのが普通と思っていたのですが、奥野監督はミスに対して「気にしない方がいい」という考え方なんですよ。ミスを怖れるのではなく、持っているものを出すことに専念しようということを言いますね。

佐藤拓(水戸) なるほど。今季の山形はすごく攻撃的なチームになりましたし、トライするプレーが多いですよね。
佐藤円(山形) ですね。昨年J1で手も足もでない形で降格が決まってしまいました。なので、今年は積極的に攻撃できるチームに変えていこうというトライをしていて、それが短時間である程度形になっているなという印象を受けますね。チームの持っていき方は今のところ、うまくいっている感じがします。

佐藤拓(水戸) 守備的なサッカーから攻撃的なサッカーへ、戦術が大きく変わりましたが、選手たちは違和感なく取り組めているのでしょうか?
佐藤円(山形) 前の監督とチームの作り方がだいぶ違いますが、思っている以上に選手たちはすんなり受け入れているなと感じますね。

佐藤拓(水戸) 水戸側からというか、他のJ2チームからすると、J1から落ちてきたチームは主力が抜け、監督が替わり、ある程度チームを立て直すのに時間がかかってほしいという淡い希望があると思うんですよね。うまくチーム作りができていると聞いて、がっかりしました(笑)。
佐藤円(山形) 残念ながら、うまくいっちゃってるんです(笑)。奥野監督の考えを選手たちは理解していますし、ポジティブな雰囲気になっています。

頼れるキャプテン

佐藤拓(水戸) イチオシ選手は誰ですか?
佐藤円(山形) 山崎雅人選手ですかね。昨年は得点を期待されて途中加入したということもあり、得点に関わるプレーに専念している感じでした。でも、今年は守備やチャンスメイクといった献身的なプレーが目立っています。ゴール前でもっと仕事をしてほしいと思うところはありますが、チームのバランスとしては今の方がいいですね。プレーから気迫が感じられます。チームキャプテンを務めていますし、チームの精神的支柱。言葉で引っ張るタイプではないですが、プレーでチームを引っ張れるような選手です。

佐藤拓(水戸) ただでさえ、いいチーム作りができているのに、そんないい選手がいたらダメじゃないですか(笑)!
佐藤円(山形) ダメですかね(笑)? でも、実際にいるんですから、許してください(笑)。

山形から見た水戸

佐藤拓(水戸) では、山形は水戸をどう見ていますか?
佐藤円(山形) 宮阪(政樹)選手は明治大学の先輩の橋本(晃司)選手と対戦できるのを楽しみにしていましたね。ただ、選手たちは「相手云々じゃなくて、自分たちのやることをやるだけ」みたいな感じでした。特別な対策はしないと思います。

佐藤拓(水戸) 水戸をなめているということですか?
佐藤円(山形) いやいやいや(笑)。前節、岡山にお灸を据えられてきたので、かなり気を引き締めて臨むと思いますよ。

佐藤拓(水戸) いや、ちょっとなめてきてくれるぐらいの方がいいなと思っていたんですけど(笑)。佐藤円さんの水戸の印象はどうですか?
佐藤円(山形) 何試合か見ましたが、中央を突破するというより、サイドから攻めるシーンが多いですね。クロスやシュートの場面で、ゴール前にたくさん人がいる。跳ね返りやこぼれ球を狙っているというイメージがありますね。ゴール前に入るタイミングをみんな分かっている感じがして、怖さがあります。あとは鈴木隆行選手。彼がスイッチ役で攻撃のきっかけを作り、それに合わせて周りが動くという約束事がしっかりしている。手ごわいチームだなと感じましたね。

佐藤拓(水戸) 分析しすぎでしょ(笑)! でも、以前の水戸とはだいぶイメージが変わったのではないでしょうか?
佐藤円(山形) 「水戸ちゃん」とは呼べないサッカーをしてますよね。サッカーも変わりましたし、ユニフォームも変わった(笑)。たぶんいい試合になると思いますよ。

コール合戦とグルメ

佐藤拓(水戸) そうなることに期待したいですね。それと、やはり水戸と山形の対戦の名物といえば、「コール合戦」ですが、やるんですかね?
佐藤円(山形) どうですかね~?

佐藤拓(水戸) J1に上がっちゃって、雰囲気変わっちゃったんじゃないですか? 大丈夫ですか?
佐藤円(山形) どうなんですかね(笑)? もはやJ2名物ですからね。個人的には聞きたいですね。

佐藤拓(水戸) 僕も聞きたいですね。それと、山形のグルメを教えてほしいのですが。
佐藤円(山形) スタジアムグルメはJ2の頃よりも充実してますよ。個人的なイチオシは「もつ煮」ですね。カシマスタジアムといい勝負できる味です。あと、肉系もおいしいですよ。山形牛や米沢牛を使ったメニューもありますし。「芋煮」もありますので、ぜひ食べていってください。

佐藤拓(水戸) ちなみに雪は大丈夫ですか?
佐藤円(山形) まだたまに降っています。予報では試合当日も雪が降るみたいです。水戸から車で来る方はできれば、スタッドレスを履いてきた方がいいですね。特に山形道の山越えには気を付けてください。

佐藤拓(水戸) なるほど。僕も気をつけて行きます。お忙しい中、ありがとうございました。いい試合になるといいですね。
佐藤円(山形) こちらこそ、ありがとうございました。水戸サポのみなさん、NDスタでお待ちしています!

(取材・構成 佐藤拓也)

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