デイリーホーリーホック

【HHレポート】ボランティアグループ「Tifare」女子座談会(後編)(2013/4/2)※全文無料公開

入場ゲート、座席案内、スタジアムの映像やアナウンスの演出、サポーターズクラブやケーズデンキキッズパスポートの入会受付etc…。
長年、ホームゲームの運営、設営や演出を支えてきた水戸ボランティアグループ「Tifare」女子座談会もいよいよ後編へ突入!
今回はビジョンカメラ担当のおみ子さん、主にサポーターズクラブやケーズデンキキッズパスポート受付担当のりっこりんさん、ねえさんの3人に水戸ボランティアスタッフの実態、魅力、今季のチームに迫って貰いました!

心の底から楽しめるグループ

―女性スタッフの皆さんから見て、水戸ボランティアの魅力とは?
おみ子(以下、敬称略):私は映像を画面に出す時にみんなが観てくれているのが嬉しい。例えば、前座試合で少年団の子のお母さん達がじっくり観てくれているとか、そういう小さな事や選手の良い映像が撮れた瞬間の喜びとか。それこそ(吉原)宏太の引退セレモニーの時とかすーごい思いを込めて撮っていた。終わった後にいのっち(猪瀬義満さん)の顔を見て、何故か安心して泣いてしまった。
りっこりん:メンバーには私やおみ子の親世代の人達も多いので、すごくたくさんのパパママに囲まれている感じなんですよ。私はメンバーと会うのが楽しみに続けていますね。でも毎回そうなんですけど、「参加します」と言った癖に、試合前日になると「行きたくねぇな~」って思うんです(笑)
ねえさん:分かる~!
りっこりん:長時間拘束されるっていうのもあるし、寒いし、疲れるし。「本当、行きたくねぇな~!行きたくねぇな~!」ってなるんですけれど、当日になるとケロッとして、色々な人にちょっかい出して、ギャハハハ!って笑うと楽しくなっちゃう。
―まさに仕事の前と一緒ですね(笑)
おみ子:メンバーの顔見た瞬間にそういう気持ちも吹っ飛んじゃうよね。
りっこりん:担当場所柄、よく子供も来る場所なので、ワイワイやっているのを見ると楽しいです。子供の物って親が管理している事が多いじゃないですか。その中でキッズパスポートを首に直接かけてあげるとすごく喜ぶ。それを見ているのも嬉しい。
おみ子:分かる分かる。前座試合でも子供がゴールした時の笑顔を撮るのが好きだな。
りっこりん:サポクラとか色々な手続きが終わった後に、「有難うございます」と言われるのも嬉しいです。ただ、サポクラテントはお客様からのお咎めもあることもあって、めっちゃ落ち込む事もある。そういう時は、言い方悪いですけど「コンチクショー!」ってなりますが、メンバーの顔を見ると「そういう事もあったね」と吹っ飛びます。人によって色々に見方があると思いますが、私にとっては、とてつもなく素敵で魅力的な集団だと思います。だって、これだけ年齢、職業、住む場所もみんな違うのに、これだけ仲良くやれるのってなかなかないじゃないですか。横の繋がりも太く、試合とは別にみんなでBBQなどもしたりする。こんなに心の底から楽しめるグループってあんまりない。
おみ子:ものすごくプラベートで仲良くなった人が多い。友達が全然いなかったのに、Tifare入ってから異常に友達が増えた(笑)。
りっこりん:私とおみ子もこういう出会いだったから、あんな事からこんな事まで知っているぐらい仲良くなれたと思う(笑)。気軽に悩みも相談できる。
ねえさん:ここでしか会わないから、特別な事も話せちゃったりするよね。悪い話でもその場だけで終わるし。ストレス発散の場にもなってるんじゃない?
―飲み会では相当ディープな話も出たり?
おみ子:そりゃ~ものすごくディープな時も何でもない時もあります。極端だよね?
ねえさん:飲み会が唯一の楽しみみたいな所もあるよね。でもJ2が日曜開催になっちゃったじゃないですか。本当に機会が減っちゃった。
おみ子:ストレスを溜めやすいのは女子かな?(笑)この前もりっこりんと一緒に寺ちゃん(寺田忍さん)に色々聞いてもらった。Tifareは懐が深い人が多いよね。
りっこりん:すごくバランスが良いんです。


※おみ子【写真 米村優子】

「J1へ行って欲しいような、行って欲しくないような…」という複雑な心境

―ホームのスタジアムに居ながら、リアルタイムでは試合を観戦出来ない皆さんですが、イチオシの選手、今季のチームに期待することを教えて下さい。
ねえさん:ボランティアをしていると試合は全く見られないし、内容的にも全然分からないけれど、私はメンバー的に面白いと思っている。イケメンはガクちゃん(近藤岳登選手)ですね~!好きだね~!
りっこりん:(小澤)司じゃないの?
ねえさん:今年はガクちゃん推しで!面白キャラが楽しみですね。
おみ子:選手じゃないんですけど、私はヘッドコーチの西ヶ谷(隆之)さん。すっごいずっと言っているんですけど、誰も分かってくれないんです!すっごい好きで。群馬戦で、「交代しましょう」と交代するか迷う監督の背中を押した。ああいう所とか良い。あとボランティアの決起集会の時にお話したんですけど、すごく細かい所までチームの事を考えているんですよ。秋葉さん(前水戸ヘッドコーチ、現群馬の秋葉忠宏監督)とは正反対だなと思って。柱谷体制としては変わらないですけど、チームはウォーミングアップの仕方とかも変わった。下で撮っていると分かるんですけれど、一人一人の選手を細かく見ているなと思う。もちろんカッコイイですしね。メガネも。スタジアムに来てからコンタクトレンズに替えるみたいですね。西ヶ谷さんが選手で新潟に来たシーズンも知っていたので、まさか話せる日が来るとは思っていなかった。
りっこりん:私は昔から本間幸司です。幸司、幸司と言いすぎて、周りはうるさいと思っていると思います。実は高校の先輩なんです。年は10歳以上違いますけれども。「同じ高校?そうなの?○○先生分かる?」とかいう話をしてから、私の顔も覚えてくれた。ファン感謝デーの時にハイタッチしたら、あっちから気付いてくれて、「今、大学4年で無事就職も決まったよ」って言ったら、「良かったね」と返してくれた。本間さんに話し掛けづらい人って結構いるんですけど、私は彼が一番話しやすい。性格が大好き。
おみ子:幸司がうがいしていて、その時に目が合ったら、「どうもっす!」って言ってくれた。めっちゃスカパー!のカメラが回っているのに(笑)。私も言われたら断れないので、映ってたらどうしよう(笑)。本当にそういう人なんだよね。向こうから来てくれる。
ねえさん:幸司は年下だけど、お父さんみたいな感じ。
おみ子:ライセンス問題はどうなるか分からないので、冨田大介選手と一緒で「J2優勝」を期待します。負けた後もスタジアムを周回している映像を撮らなきゃいけないんですけど、フィルター越しに下を向く姿を見るのは、もう嫌。どんなに辛い思いをしていても上を向いていて欲しいな。
ねえさん:選手バスが入って来た時もみんな手を振ってくれる雰囲気がないよね。試合前だから気持ちが入っているのは分かるけど、ちょっとぐらいやってくれてもいいんじゃないかな?って思うけど。
りっこりん:監督は大体手を振ってくれるんだけど、他の選手はカーテン開いているのに音楽聞いたり、本読んだりして、集中しているのは分かるけど、手を挙げてぐらいでもみんな喜ぶんだけどな。私もライセンスの事は難しいので分からないのですが、試合観ている人が楽しいなと思う試合、勝った時、負けた時の片付けの雰囲気が違うので、片付けが楽しくなるような試合になればいいかなと思います。勝てばお客さんもニコニコしながら帰ってくれるので、一つでも勝つ試合をして貰えたらいいなと思います。
ねえさん:勝つに越したことはないですよね。選手が頑張っているのも分かるんで。でもこのままJ1に行ってもいいのかな。J2だから良いのかなとも思う。J1へ行って欲しいけど、行って欲しくないというような複雑な気持ち。
おみ子&りっこりん:わかる。わかる。
―例えば、好きなインディーズの音楽バンドがメジャーデビューして遠い存在になってしまった時のような感覚ですか?
ねえさん:そうそう!ゴールデンボンバーみたいな!この前までライトハウス(mito LIGHT HOUSE。水戸市内のライブハウス)で観ていたのに…(泣)。そんな感じです。水戸ホーリーホックが遠い存在になって欲しくない気持ちもあります。あと、J1へ行ったら、このままボランティアは存続するのかとか。このままのボランティアの人数ではJ1に行っても無理。
おみ子&りっこりん:J1行って欲しいんだけどね!だけど本当、複雑な思い。遠いから全然繋がりないけど、そういう時の気持ちを鳥栖のボランティアさんとかに聞いてみたいね。


※ねえさん 【写真 Tifare提供】

“水戸スタッフ”の一員としてお客様の声を真摯に受け止めたい

―今後、Tifareをどのようにしていきたいと考えていますか?
りっこりん:雰囲気は今のまま続けばいい。あとは数?
ねえさん:うん。メンバー数が増えたら良いよね。
おみ子:割りとずっと交わって来ないお一人様もいるんですよ。輪の中に入らなきゃいけないとか気後れしないで、興味のある人は一度体験してみて欲しいですね。
ねえさん:色々な思いを抱えてやって来ている人っていますから、ボランティアって。私も人見知りが激しいんです。普段はこういう所にワッと飛び込めるようなタイプじゃないんですけど、「ここだったら行けるかな」って雰囲気がTifareにはある。
おみ子:みんな、触れて欲しくない所に触れて来ないから。だから、いられるんですよ。
りっこりん:必要最低限の事しか聞かないし、踏み込まない。
ねえさん:話したかったら話せばいいしね。大体、終わってから控え室でみんなで話して、その流れで「ご飯食べに行こう」っていうのが多いね。
おみ子:アンケートで全Jリーグ中の演出満足度が4位になった事があった。それを1位に上げたいという目標も私の中ではありますね。今年もすごくこだわっているんですけど、まだ完成形には至ってない。ボランティア全体としては、お客様から一つも文句が出ないという事はないので、一つ一つの文句に真摯に受け止めたい。逃げないでいたい。
ねえさん:所詮ボランティアですけど、お客さんから見たら“水戸スタッフ”なんですよね。
りっこりん:今年からお客様アンケートに書かれた要望をボランティアも見られるようになった。応えられる事ならば私達もしっかりと応えていきたいです。


※りっこりん【写真 米村優子】

水戸ホーリーホックのボランティアに興味のある方はこちらへアクセス!
http://www.mito-hollyhock.net/www/clubprofile/volunteer.html

(取材・構成 米村優子)

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