デイリーホーリーホック

【HHレポート】「スタジアム演出の中核!茨城大学アナウンスステーション」 (2013/8/22)※全文無料公開

プロ並の運営業務でスタジアムを演出

多くのボランティアスタッフによってスタジアムが運営されている水戸ホーリーホックのホーム戦。
その中にスタジアム演出の中核を担っている学生サークル「茨城大学アナウンスステーション」があります。
選手紹介、ハーフタイム中のコーナー「HOLLY TIME」などの場内アナウンス、Jリーグアンセムや「走れ☆ホーリーホック」をスタジアム内に流す音響全般を行うミキサー、電光掲示板の操作など、プロ並の運営業務を茨大生達が担当しています。

専門機材の操作方法や運営の流れは、サークル内で引き継がれ、コンコースやピッチサイドのADスタッフと進行状況を随時確認しながら、放送室のミキサーやDJ、ビジョン担当者達と連携して、スタジアムを作り上げています。雷雨に見舞われた栃木SC戦の時のようなイレギュラーな場合も臨機応変に対応することが要求される重要なポジションです。
「普段の生活では接することのできない世界。これを学生の内に垣間見ることが出来るので貴重な経験です」と同サークルのホーリーホック担当の花田寛子さん(3年)は活動の魅力を話します。

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【写真 米村優子】

スタジアムDJの寺田忍さんはサークルOB

放送局志望の茨城大学生が同サークルを2000年に創設。
2001年から水戸のボランティアとして一年間だけ活動しましたが継続には至らず、2003年末にクラブ側から打診があり、2004年から本格的にスタジアム演出を再スタートしました。
スタジアムDJ歴10年の寺田忍さんは、同サークルの出身。
普段はケーブルテレビ「JWAY」の局員として働く寺田さんは「大会運営や放送の流れ、機材や設備について学べるので、サークルでの経験が今の仕事にも役立っていますね。会社並に大変な業務なので、これが出来れば社会でも通用する。キリッと仕事をやって欲しいと思います」と後輩達にエールを送っていました。

サッカーファンやマスコミ志望の学生が活動に参加

現在サークルには30人弱の学生が所属。地域のイベントやサッカー大会のMC、過去にはFMぱるるん、FMひたちで番組も担当していたこともありますが、活動の中心は水戸ホーリーホックのスタジアム運営ボランティアとなっています。
毎試合、5~10人のサッカーファンやマスコミ志望の学生が活動に参加しています。

佐野吏さん(2年)はサークルを通じてサッカーファンとなった一人。「友人に誘われて入ったのですが、生で観戦してサッカーにハマってしまいました。社会人の方と一緒に仕事をしてコミュニケーションも学べますし、貴重な体験をしていると実感しています。純粋にこの活動を楽しんでいますね」。

小学生時代から試合を観戦し、水戸ホーリーホックに関わりたい思いからサークル活動を続ける三輪伸太郎さん(2年)は「茨城が地元なので、小学5年生から中学時代は試合を観ていました。音響やビジョンを主に担当していますが、Jリーグのスタジアムの雰囲気に感動しました。自分が運営の一員として関わっていると思うと、チームに愛着が沸き、更に水戸が好きになりました。結果よりも選手のやる気が伝わって来る面白い試合を観たいですね。茨大から水戸の試合を観に行く人が増えてほしいと思います」と話します。

元々サッカーファンでサークルに入会した松原芙美さん(2年)は「サッカーを間近で見られるし、すごい所に関われているなと感動感激です。ADを主に担当していますが、下からの合図で曲を流すタイミングを図るので、プレッシャーや責任感のある仕事ですが上手く行った時はとても気持ちが良いです。将来マスコミへ進む道を考えているので、良い経験が出来ていると思っています。やりがいがありますね。緊張もあるけれど、今後はミキサーにも挑戦してみたいです」。

「ずっとサッカーを続けていて、やるのは大好きですが、観るのはあまり好きじゃなかったのです。でもテレビ番組で水戸ホーリーホックを観て、観客が少なくて大変だけどJ2も意外と面白いなと思いましたし、スタジアム運営にも興味がありました。J2は思っていた以上にすごい良いパスやシュートがあるので、最近ハマっています。『水戸ホーリーホックの応援サークル』だと間違えて入会したのですが、選手や観客の状態が良く分かるピッチサイドのADの仕事にやりがいを感じています。この経験を糧に、将来は記者として伝える側となり、社会に出てもしっかりと責任を果たせる人間になりたいと思います」と守谷市出身の山田孝紀さん(2年)。

「HOLLY TIME」のアシスタントDJや後輩の指導を担当する白井芹奈さん(4年)は「水戸のサポーター、アウェイサポーター、サッカーの初心者やコアな観戦者など、試合は色々な立場での見方があります。どうしたら来場している皆さんが楽しめるか、会場の雰囲気を考えながら活動に取り組むことが大事ですね。活動を通じて、水戸ホーリーホックをより深く知る事が出来てサッカー熱も高まりましたし、ナレーションやインタビューの仕事を貰うこともあり、アナウンサーを目指す気持ちもより強くなりました。先輩達が築いてきた信頼があって、この活動を続けさせて貰っているので、その思いを引き継ぎながら後輩達にこのポジションを残していきたいと思っています」と話します。

「人が育ち、クラブが育ち、水戸が育つ」。
このクラブビジョンのように、ホーリーホックを通じて様々な経験を積み重ねる「茨城大学アナウンスステーション」の学生達。
それぞれ夢や願いを込めながら、スタジアム運営を支え、成長し続けているのです。

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【写真 米村優子】

(米村優子)

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