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デイリーホーリーホック

【HHレポート】「J1」へ――今、僕たちにできること 第4回ボランティアグループ「Tifare」代表補佐・栗原賢二さんコラム「本当の敵は誰か?」(2013/9/26)※全文無料公開

「それすらできない」時代が続いてきた歴史

1993年Jリーグ開幕。あのワクワク感は、20年経った今でも忘れられません。ライトアップされた競技場で、世界のスーパースターが繰りだす超絶技巧。冷静に考えると平均的なレベルは高くなかったかもしれないけど、TV画面越しでも楽しげな雰囲気が伝わってきました。

そして2013年。私は水戸ホーリーホックというチームで、裏方として活動しています。中学生当時の自分にそれを伝える事ができたならば、「J2? クラブライセンス?……何それ?」と訊き返されるでしょう。「で、結局どうしたいの?」とも。可愛げない子供だったゆえ(苦笑)。

J1へ行きたい。その舞台は素晴らしいに決まっている。代表クラスの対戦相手と日常的に渡り合い、サポーターが大集団でこの町を訪れる。本気で昇格を目指す事について、否定する要素はどこにもありません。だけど、「絶対上がるぞ!」と自分の口から出た言葉、なぜか虚しく響く瞬間がある。多くの人が現在抱いてるかもしれない、この違和感は何なのでしょうか。ちょっと昔の話も交えつつ、一緒に考えてみましょう。

私が水戸を応援しはじめたのは2004年。ボランティアとして関わるようになったのが2006年。リーグ戦では負け、負け、勝ち、引き分け、負け。運営現場では苦情、憤り、喜び、ジレンマ、ため息。2008年あたりまで、全ては『1勝3敗1分』ペースで推移していった実感があります。

ここ5年ぐらいで勝率は上向き、裏方としてストレスを感じる場面も減ってきました。ゴミ袋やガムテープを、捜し回らなくていい幸せ。マジックのインキが切れない幸せ。我ながらつましい満たされ方ですが、本当に「それすらできてない」時代が続いていた事は最近チームに関わり始めた皆さんにも、ぜひ知っておいてほしいなと思います。

退化してしまった「夢見る力」

察しの良い方は、もうお気づきになったかもしれません。長くクラブを見てきた人にとって、いま現在の『1勝1敗1分』ペースは凄い進歩だと感じる。全てに当てはまるわけじゃないけど、正直な話として私自身、ある程度の満足感を抱いてしまってます。

鹿島アントラーズなら、J1でも1勝1敗1分ペースは「低迷」でしょう。J2の中位で安心。J1の中位で危機感。そこにはとてつもない意識の差が横たわっているのです。もちろん今までの道程を認めるのは大切だし、全否定すれば急に強くなれるわけじゃありません。個人的にも那珂川の石を拾い塗装して、マッチデープログラムが風で飛ばされない重石とした事があります。日曜大工で神社を作り、笠松のコンコースに安置したら、サポーターが参拝してくれました。クラブ強化をテーマとしたスポーツ新聞も作りました。

流してきた汗を誰かに「無意味だよw」と言われたら、心底腹が立ちます。おそらく頭突きします(笑)。お読みになっている皆さんも、それぞれのフィールドで、粘り強く積み重ねてきたものがあるでしょう。それを現在、J2ライセンスという足かせで全否定されている。しかも2年連続、悔しくありませんか?

確かに私達は長きにわたり『悪夢』ばかり見せられ、『夢見る力』が退化してしまったところがあるのではないでしょうか。「どうにでもなれ!」と投げ出さなくては、越えられなかった夜もある。本気は失笑で迎えられたし、勝負をかけた日に瞬殺される。全ては裏目裏目。100%のテンションで闘えない身体になったとしても、誰も責める事はできません。

しかしこのまま「負け犬」の烙印を押され、どこかイジけた一生を送って良いのでしょうか? 今季はひとまず心配なさそうだけど、もし水戸がJ3降格争いに巻き込まれた場合は。『火事場の残留力』を発揮できるベースがあるのかどうか、それすらも怪しい。

ヒントは東京オリンピックのプレゼンにあり!

私のような未熟者から偉そうに言われるのは不愉快と思いますが、あえて言います。
我々水戸ホーリーホックは、関わる全ての人が変わらなくてはJ1へ行けない。
選手達がどれだけ頑張ったとしても、それは出場登録30人分の変化を起こしたに過ぎません。

人間に限らずあらゆる生き物にとって、自分を変える事は怖い。というか面倒臭い。
そこそこの暮らしができるなら、わざわざリスク背負って上を目指す必要はないと考える。
とはいえサッカー界も『選択と淘汰』の、世知辛い時代を迎えています。
現状維持を10年繰り返せば、その組織は跡形もなくなってしまうでしょう。

強い姿に変わったからといって、それまでの自分が否定されるわけじゃありません。
むしろ「あの頃はこうだったなあ」と、笑って振り返れる余裕と、愛おしさが手に入
る。
じゃあ、具体的にどうしたらいいの? 強く疑問というか、反感を抱かれたと思います。
ヒントは先頃開催が決定した、2020年東京オリンピックの最終プレゼンにあるかと。
繰り返し報道されてご存知の方も多いと思いますが、演出や構成まで練りに練られた内容でした。

やる事は変わらないけれど「伝え方」ひとつで、数字や結果は劇的に違ってきます。(五輪開催への個人的な賛成・反対はともかく)大いに参考とするべき事例です。水戸というチームの魅力を「熱く語る」だけでなく、「伝わりやすく語る」工夫も必要だなと思うのです。

スタジアム座席数という切実な問題があるにもかかわらず、未だ町の反応は薄かったり、冷たかったり。J参入数年でホームタウンの全面協力を得て、成績も観客動員も順調に伸ばしている所もあるのに。彼らの表情は屈託なく、実に楽しそうに見える。「ケッ、苦労知らずが!」と密かに心の中で毒づきつつ(苦笑)。

一方で挫折を味わい続けたからこそ、持つ事が許される強さは必ずどこかに存在する。でもそれはきっと私達が、『つまらない意地』から解放された時に、初めて与えられるもの。
人知れず辛酸に耐えてきた自負はある。だからといって隣人を拒絶していては何の発展も、成長もない。

協力を恥ずかしがっている場合じゃない

もういい加減認めましょう。うすうす気づいている「弱さ」を。まだ気づいてない「強さ」を。逆境だけしか存在しない場所で、あなたは本当に頑張ってきた。聞けば心打たれる話ばかりだ。だけど感じているのでしょう? 限界も。その答えは簡単、あなたが独りぼっちで闘っているからだよ。

・・・長文でごめんなさい。しかもオチは用意してません(大汗)
昇格を阻む本当の敵は、ライセンス制度でも座席数でもなく、自分自身の心に根深く居座っているものだと伝えたくて。
『中位のメンタリティ』『負け犬根性』、名づけ方は何でも良いでしょう。
とにかくこの種のメンタル系は、独学で克服するのが難しい(克服した「つもり」にはなるけど)。
皆で力を合わせて取り組むべき課題は、未だ山積み状態。協力を恥ずかしがっている場合じゃないなと。この際。

私達ボランティアスタッフは試合当日、朝から夜までチームのために働き、スタジアム運営を支えています。
サポーター・選手の助けになりたいと、常に考え活動しています。
しかし『J1レベルの運営』を実現させるには、絶対的な人数が足りていません。
1人が3人分の動きをする事でカバーしているものの、カバーしきれない局面があります。凄く悔しいです。
よろしければ、力を貸してください。ともに強く、面白い未来を創りましょう。

(栗原賢二)

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