デイリーホーリーホック

【シーズンオフ特別企画】ボランティアグループ「Tifare」代表補佐・栗原賢二さんコラム「裏方魂⑭  2013年ホームゲームの思い出(後半戦)」(2013/12/16)※全文無料公開

先週に引き続き、裏方としてKsスタで印象に残ったエピソードをご紹介します。
感動的なゲーム、勝てない時期、私達は持ち場で黙々と活動しました。自分でもたまに忘れかける事ですが(笑)

7月14日 ファジアーノ岡山戦

懸案だったメインスタンド中央口のレイアウトが、完成形に近づいた。全てボランティアのアイディアだ。

vsOKAYAMA
【写真提供 栗原賢二さん】

観客動員は4000人ちょっとでも、凄く盛り上がっている。退場者を出してから先制という熱い展開らしい。
スタンドから「負けてたまるか!」と気持ちがビンビン伝わってくる。こんな空気は初めて。
リードを最後まで守り切り、勝った。「あきらめの早さ」が水戸全体の弱点だけど、次のステージへ進めそうな気がする。

8月11日 栃木SC戦

開門直後にひどい雷雨。風も強まり入場テントが吹き飛ばされそうになる。「栗原さん、ヤバイです!」メンバーの必死な声。
この場所をキープするか、撤退か。結局は全員が控室に引き上げる判断。身の安全第一。

平静を装うのがやっとだった私にも、参加してくれた栃木ボランティアの方に「グリスタから雷まで連れてこないでくださいよ!(笑)」と
ひどい冗談を飛ばす余裕が出てきた。予想外の事態だけど、立て直して最善を尽くすのみ。
そして皆やり切った。いい笑顔で写ってるでしょう?

vsTOCHIGI
【写真提供 栗原賢二さん】

9月22日 ロアッソ熊本戦

ここ最近チームも、自分自身も行き詰っている。そんな時は発想を変えよう。漫画で読んだ『周辺視野』を試してみる。
目に入る情報をなるべく広く、多くとらえる事。サッカーだけでなく運営にも応用できる技のはず。

少し手の空いた時間帯。メインスタンドとピッチの選手と、バックスタンドのサポーターを同時に視界へ収めた。
おお!何かいい感じだ。それぞれの立場の人々が、同じ時間を懸命に生きている。世界の見え方が変わった気がする。
周辺視野♪周辺視野♪・・・はしゃいでたら、足元の段差につまづいた。マスターするにはもう少し修練が必要だ。

10月20日 ギラヴァンツ北九州戦

サッカーにも人生にも「無駄かもしれないけど、やらなくちゃいけない場面」はある。
朝から降り続く大雨は運営にとっても難敵。マッチデープログラムが濡れないよう、ビニール袋で保護。
そしてお客さんが滑って転ぶといけないから、少しでも水を掻き出そうとコンコースのトンボがけ。

vsKITAKYUSHU
【写真提供 栗原賢二さん】

雨が止まなければ、全く無駄な作業なのかも。しかしやれる方策があるのなら、尽くすべきだ。
引き分けが良い結果と思わないけど、試合は成立した。誇りを持って帰ろう。

11月10日 東京ヴェルディ戦

もう2か月以上、勝っていない。喜び方とか忘れかけてる。そんな重苦しい空気を読まず、Ksスタに『ガルパン』がやって来た。
「美少女+戦車+大洗」って。ぶっ飛んだ設定がイカス(死語)じゃないか。登場キャラの等身大パネル、プラモ、見慣れない客層の方々が並ぶ。
普段と違う異空間ショーの開演だ。主人公が印刷された特製チケットは判別しやすく、裏方の目にも優しい。

試合も良い内容で勝てた。アニメファンがサッカーを楽しみ、サッカーファンがアニメを楽しむ。最高のコラボだ。
ありがとう、ガルパン。とりあえず作中でお気に入りの戦車と、女の子を探すとしよう(笑)

11月17日 京都サンガF.C.戦

選手達からボランティア宛てに、直筆のメッセージが届く。

vsKYOTO
【写真提供 栗原賢二さん】

これは頑張らないわけにいかない。8000人以上が続々来場する鉄火場も、生き生きと乗り切れる。
キックオフ後しばらくして沸き起こった、大きな歓声からの静寂。「PK取ったね」、裏方として長年関わると音だけで試合の流れが読める。
再び大歓声と、DJ寺ちゃんの「ゴーーール!!」。幸先よく先制だ!

後半が始まると一転、悲鳴やどよめきが増える。押し込まれてきたようだ。そして「あーあ・・・」というため息。失点か。
ゲートのスタッフも士気が落ちる。「ここから突き放すぞ!」私はメンバーを鼓舞し、颯爽と弁当を食べに(笑)
普段あまり根拠のない事を口にしないけど、今日ばかりは言っておかないと後悔する気がした。
・・・終了間際に勝ち越しゴールが決まる。こういう気持ちの積み重ねが大切なんだ。今日の雰囲気を忘れなければ、きっと水戸は大丈夫。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ