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【シーズンオフ特別企画】ボランティアグループ「Tifare」代表補佐・栗原賢二さんコラム「裏方魂⑮ 運営の秘技7選」(2013/12/23)※全文無料公開

スタジアムを沸かせるフェイント、流れるようなパスワーク。
それらプレーヤーの「美技」に酔うのも、サッカー観戦の醍醐味。
『キャプテン翼』世代の方は、漫画の必殺シュートを真似して
背中を打ったり、足首を痛めた覚えがあると思います(笑)

一方でピッチ上に立てない裏方の仕事は、比較的地味です。
しかし経験やアイディアを駆使した動きやテクニックは素晴らしく、埋もれさせたくないもの。
本日は私達の「秘技」を7つ抜き出してご紹介します。
イメージ沸きやすいようにそれぞれの命名と、難易度設定してみました。

【魔法の腕輪】 難易度☆ 
ガムテープを左手首にはめ、掲示物や導線の補修へ迅速対応。
サッカーに限らず、イベント設営に関わった人なら一度はやった事があるはず。

【ダブルワイピング】 難易度☆☆
雑巾を左右両手に持ち、座席2つを一気に拭く。
作業スピードも、疲労度も2倍!上手く体重移動する事がダメージ軽減のコツ。

【一人時間差】 難易度☆☆☆
ゲート入口でチケットをもぎったら素早く横移動、同じお客様へマッチデープログラムを渡す。
休憩ローテーションで人手が薄くなった時の技。
笠松時代は一人で「もぎり → マッチデー → 来場者カウント」という荒業『3倍速』も駆使した。

【パーフェクト・ドライブ】 難易度☆☆☆
備品運搬用の台車を安全かつ迅速に操るテクニック。
山積み時のカーブ、傾斜、エレベーター搬入などが腕の見せ所。
なお笠松時代は、スタジアム外周を走行する小型トラクター『パクパク号』『ポッポ号』の運転も、
ボランティアが任されていた。このネタが通じる人、今はだいぶ少ないでしょうね・・・(苦笑)

パクパク号・ポッポ号
【写真提供 栗原賢二さん】

【ワイルドハンド】 難易度☆☆☆☆
配布担当の人員がどうしても足りない時、『マッチデー+抽選券』『抽選券+来場者プレゼント』など
複数の品目を重ねて配る。慣れないと地面に落として惨事のため、なるべく使いたくない技。

【リバースチェック】 難易度☆☆☆☆
ゲートの真ん中に立ち、新規入場のチケットもぎり/再入場チェック2つの入口を同時対応。
主にキックオフ後の余裕ある時間帯で発動。技術はもちろん、一人で責任ある役割を引き受けるハートの強さが試される。

【わんこ補充】 難易度☆☆☆☆☆
時間帯によるお客さんの流れ、配布物の在庫を随時チェック。的確なタイミングとポジショニングで補充する。
失敗すれば「渡しもれ」という事態を招くので責任重大、長年培った読みが必要。
1箱30個といったロットの少ない品目は難易度高し。大勢のお客さんを、少人数の裏方で迎える状況だと本当にギリギリの勝負。
「わんこそば」を思わせる出し手/受け手の呼吸がポイント。

・・・以上、いかがでしたか?漫画やアニメのように現場で「リバースチェック!」とか叫んでるわけではありません(笑)
この秘技の大半は、人手が足りていればそもそも発動する必要のないもの。そこが悲しい所です。
ホームゲームを成立させるため皆で知恵をひねり、身体を張った末に行きついた手段と理解いただければ。
個々が余裕をもって活動できる「王道の運営」を、J1昇格のためにも早く確立したいです。

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