デイリーホーリーホック

【HHレポート】「茨城大学とのコラボイベントに吉田・田向選手、沼田社長が出演」(2014/12/30) ※全文無料公開

ホーリーホックの歴史、スタジアム問題、今後の方針を沼田邦郎社長が語る

水戸ホーリーホックと連携協定を結ぶ茨城大学の水戸キャンパス内の図書館(水戸市文京)で12月13日、コラボイベント「水戸ホーリーホックのフットボール・カフェ」が開催されました。
地域住民と学生が共に学び楽しむ同大学図書館のイベント・講座「土曜アカデミー」の一環で開かれ、沼田邦郎社長、吉田眞紀人選手、田向泰輝選手が出演。
会場にはサポーターや学生ら約50人が駆けつけ、同大学OBでスタジアムDJの寺田忍さんのMCでトークショーが開かれました。

まず、 茨城大学水戸ホーリーホック応援ネットワーク代表で水戸サポーター歴11年の高橋修図書館長の挨拶でスタート。「2014年シーズンを振り返って」と題した第1部では、沼田社長が登場しました。
前社長の不祥事発覚で急遽ホーリーホックの社長になった経緯、借金、震災など苦難の日々を乗り越えてきたチームの歴史を語り、「ようやく負から正のスパイラルに回り出して来たかな。以前から応援してくださっている方には本当に有難うございます」と改めてサポーターへ感謝の意を述べていました。

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【写真 米村優子】

次に2014シーズンの話題になると、「チームに融合性がなかった。有り金出して補強しましたのに、ホームで5勝しかできずすみませんでした」と謝罪。
最終節の松本山雅FC戦を振り返り、「スタジアムが一体となって応援するアルウィンの雰囲気は勉強になった。ああいうクラブを目指すべきだと思いました」と刺激を受けた様子でした。
観客数増加のために、今年は600回以上の地域貢献活動を実施したこと、背中のスポンサーが最後まで決まらず、営業での苦労話も披露。

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【写真 米村優子】

そして「水戸ホーリーホック後援会 葵龍会」を創設したことで、「育成に重点的に力を入れ、下部組織から海外やJ1、日本代表として活躍するプロを輩出したい」と今後の方針を発表。
気になるスタジアム問題については、「重いね。まるで『お前達にはまだJ1は早いんだよ』と神様に言われているみたいだね」と本音をポロリ。「今季、ギラヴァンツ北九州がプレーオフ圏内に入ったことで、水戸は言い訳が出来なくなった。駐車場問題なども解決して、思いっ切り楽しめるスタジアムを作っていきたい」と前向きなコメントをしていました。

来季は予算も少し削りながら若手に切り替え、経営を黒字に立て直しながら、「柱谷監督も来年は3-1で勝てる試合を目指すと言っている。負けても走り切るアグレッシブなサッカーをみせたい」と目標を語った沼田社長。
質疑応答のコーナーでは、「社長はどのぐらいチームの戦略にツッコめるのか?」との問いに「現状は立ち話程度で逐一聞いているが、現場に任せている」と回答。「駅まで無料のシャトルバスを出している他チームもあるが、水戸はやる予定はないのか?」との質問には、「駅までの無料シャトルバスやパークアンドライドは考えてはいる。茨城交通さんやスポンサーと相談しながら進めていきたい」と応え、第1部は終了となりました。

吉田・田向コンビがプロになるまでの経緯、今シーズン、オフの過ごし方など披露
プライベートも仲が良い2人の絶妙な掛け合いに観客も爆笑!

そして、第2部「フットボールにかける青春」では、茨城大学水戸ホーリーホック応援ネットワークスタジアム案内人で熱烈な水戸サポーターの藤縄明彦教授も登壇。サポーターからのコールの響く中、吉田選手、田向選手が入場しました。
まずは、選手らがプロになるまでの経緯を交互に披露。水戸市出身の田向選手は「最初はFWだったけど、高校でMF、大学でDFとどんどん下がっていった。守備的なポジションをやるとは思ってもみなかった」と何度もコンバートされたこと、水戸三中時代に監督と選手全員で坊主にして県大会に挑んだ逸話、「サッカーだけでなく、人間として成長させてもらった」という流通経済大時代の経験を語りました。
流経大柏高VS流通経済大の練習試合では、高校時代の吉田選手とマッチアップした過去に触れ、「すごく生意気だった」(田向選手)「全然覚えてない(笑)」(吉田選手)というやりとりに会場は笑いに包まれました。
そして、千葉県出身の吉田選手は、中村俊輔選手に憧れて横浜F・マリノスのジュニアユースに入り、アクアラインを通って練習に行っていたこと、流経大柏高校時代は「選手権に出た以外は楽しい思い出がない」と語るほど厳しい練習メニューだったことを明かしていました。

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【写真 米村優子】

次は、プロ入りしてからの話題に。名古屋時代について吉田選手は「みんな見たことのないようなボールタッチだし、ファンのように見入ってしまっていた」とプロのレベルの違いを痛感したこと、松本時代は「高校生並みに走るし、紅白戦でもバチバチやり合うし、Jクラブの中で一番練習が厳しいんじゃないかと思います。すごく良い一年だった」と振り返りました。
水戸に入団した理由について「地元のチームなので、いつも順位やどんな選手がいるのかはチェックしていた。プロでやりたいと思い、水戸の練習に参加したら連絡が来て、すぐに決断しました」と田向選手。
柱谷監督について吉田選手は「あんな有名人に呼んで貰えてすごく嬉しかった。日本代表で活躍した人ですし、影響力がすごい。そんな人に認めて貰えて光栄です」。田向選手は「同じDFなので、色んなアドバイスをしてくれますし、学ぶことも多い。本当に柱谷監督が水戸の監督で良かったと思います」と噛み締めていました。

そして今季の結果やチームの話になると、「プロ1年目で大勢の前で責任感を感じながらプレーしましたが、年間通してコンディションを保つことが難しかった。大卒は即戦力が期待されているので、応えられなかった。高校の先輩である(本間)幸司さんがよく声を掛けてくれた。ベテランが気を使ってくれて良い環境づくりをしていてくれた良いチームでした」と田向選手。
吉田選手は「ベテランも若手もみんな仲が良くて、練習中もその後もみんな明るいチームだった。今季は良い経験になりました。2桁得点も取れたけれど、満足していない。まだ試合も半分ぐらいしか出てないので、一番の目標は年間通して出場すること。来季は挑戦したい」と意気込みを語ると、吉田選手ファンを公言している藤縄教授は「こういう所がおじさんの心をグッと掴むんです!」とご満悦の様子でした。

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【写真 米村優子】

日常生活については、「午前練習のみの場合は、眞紀人と一緒にジムで筋トレをしたり、ご飯を食べに行きます」と田向選手が話すと、「一人だと心が折れることがある。だから甘えないように2人で追い込んで、モチベーションを上げていくんです。プラスの言葉を掛け合いながら、そして『負けねぇぞ!』と張り合いながら(笑)」と吉田選手も続き、プライベートでの仲の良さを披露。同じ栄養学の本を2人で購入したエピソードも明かしていました。
「僕は和食中心の低カロリーのものを基本的に食べるようにしています。そして8時間寝ないとダメ。だから、ご飯を食べに行く時も『タム君(田向選手)、ここ行くぞ!』と誘う。というかこの人、合わせることが好きなんですよ(笑)」(吉田選手)
「眞紀人はプロでは先輩ですし、知識も持っている。でも決して何でも合わせてはいないです!」(田向選手)
「正直、僕は先輩だと思っていません(笑)」(吉田選手)
「僕も後輩だとは思っていません(笑)」(田向選手)
「オフは実家にいるか、タム君が一人で予定がないので、一緒に買い物やご飯に行こうと思います(笑)」(吉田選手)
「こいつは一人でいられないから、いつも連絡してくるんですよ!」(田向選手)
「僕達は周りからいじられるポジションなのですが、僕が更にタム君をいじるんです(笑)」(吉田選手)と絶妙な掛け合いに再び会場は爆笑!

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【写真 米村優子】

Q&Aコーナーでは、J1の2ステージ制について持論を語り、「印象に残ったプレーは?」の問いに、「磐田戦の田中雄大選手のフリーキック」(田向選手)「京都戦で決まった自分のミドルシュート」(吉田選手)と応え、「差し入れで貰って嬉しいものは?」には「ぶどうとグレープフルーツが大好きなので、貰えたら嬉しい」と吉田選手。田向選手は「甘いものが好き。シーズン中はあまり食べられないけれど、貰えたら嬉しい」と話すと、「バレンタインを期待してるんじゃないの(笑)」と吉田選手がツッコミを入れる場面も。
「自分のプレーで見て欲しい所は?」には「ボールタッチ」(吉田選手)、「一対一の強さ」(田向選手)と回答していました。

最後のサポーターへのメッセージでは「今シーズンの悔しい結果で終わったが、少しでも多く勝ち、上位を目指します」(田向選手)、「6位以内を本気で狙っていきます。勢いをつけるようなサポートをよろしくお願いします」(吉田選手)と熱く語り、トークイベントは幕を閉じました。

来場していた水戸サポーター歴2年の石橋昴さん(茨城大学3年)は「田向選手と吉田選手がこんなに仲良しだと知らなかった。社長の話でホーリーホックの知識も増えました。今季はホームでの勝ちが少なかった。来季は一つでも上の順位を目指して欲しいです」とエールを送っていました。

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【写真 米村優子】

ホーリーホックの歴史から来季の目標、田向・吉田コンビの爆笑トークも繰り広げられた濃密な2時間に、来場者達は大満喫した様子。
茨城大学を始め、サポーター、スポンサー、後援会など様々なサポートを力に変え、来季のチームが上位に駆け上がっていくことを期待しましょう!

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【写真 米村優子】

(米村優子)

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