デイリーホーリーホック

【HHレポート】「ブラインドサッカーを通じて水戸の街を繋げよう!体験会に水戸の選手らが参加」 (2015/10/27)※無料記事

【写真 米村優子】

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4選手、社長や監督、日本代表や水戸OB選手らも参加

視覚に障がいを持つ人がプレーするサッカーとして、パラリンピックの種目にも選ばれている「ブラインドサッカー」。
その体験会「Re MITO92『スポーツがコミュニケーション』」が10月12日、水戸市五軒町の水戸芸術館広場で開かれ、ホーリーホックの選手らが参加しました。
これは水戸の限られた人びとだけが知る地元のさまざまな「文化」に着目し、鑑賞・体験できる100個のプログラムを水戸の人たちと共に作り出すという水戸芸術館主催のアートプロジェクト「Re MITO100(リミット100)」の一環。ちなみにこのプロジェクト・ディレクターは、ホーリーホックとも縁の深いアーティストの日比野克彦さんです。

【写真 米村優子】

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今回の体験会はレストランマロンのシェフ(水戸市五軒町)でFMぱるるんのサッカー番組「FOOTBALL LABORATORY」のMCを務める大塚巌さん、茨城大学教授で「茨城大学 水戸ホーリーホック応援ネットワーク」スタジアム案内人の藤縄明彦さんらが中心となり、水戸の象徴である水戸芸術館、水戸ホーリーホックを柱として、ブラインドサッカーを通じて人々が繋がり、水戸を更に素敵なコミュニティーにするきっかけを作りたいと、同プロジェクトの92番目のイベントとして企画されました。

【写真 米村優子】

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当日はブラインドサッカー協会から、日本代表選手の寺西一さん、水戸OBで現在はサッカー関連の総合商社社員で、同協会の一員でもある岡本達也さんらが来場。
天皇杯・鹿島戦直前でしたが、ホーリーホックからはジュビロユース時代、岡本さんとは寮で同じ部屋だったという船谷圭祐キャプテン、岡本さんとガイナーレ鳥取時代に共にプレーした田中雄大選手、地元出身の本間幸司選手や田向泰輝選手、沼田邦郎社長、西ヶ谷隆之監督ら、そして水戸OBで、VONDS市原FC(関東サッカーリーグ1部)の島田祐輝選手も駆け付けました。

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目隠ししながらのサッカーに四苦八苦。ゲームを通じて街の人との触れ合いを楽しむ

全員ブラインドサッカー初体験という選手らや一般参加者80人は、まず初対面同士でペアを組み、片方の人がアイマスクで目隠しをした人に体操の仕方を説明する方法でウォーミングアップ。
健常者は日頃、情報の約8割を視覚から得ていると言われています。そのため、動作を正確に言葉で教えることはなかなか難しく、「見て貰えれば一発で分かるんだけどな~!」と早々に頭を抱えている選手も。

【写真 米村優子】

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そして、準備体操と同じく初対面同士の6人チームを結成すると、アイマスクをした人が四つ角に配置された人のいずれかが持つボールに手で触れる、後ろの人が蹴ったボールを目隠しした人が追い掛けてコーンに当てるなどの簡単なようで難しいゲームに取り組み、チームごとでその回数を競い合いました。
最初、選手らはどのプレー、コーチング共に四苦八苦していましたが、作戦タイムでミーティングを重ねるとメンバー同士が打ち解け、各チームは次第に上達。最高記録が出たチームはハイタッチをしながら歓声を上げる姿もありました。

【写真 米村優子】

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最後は「男同士」「メガネの人」「GAVICの服を着ている」「水戸が好き」などの共通点を持っている人同士が手を繋ぎ、選手、参加者全員で一つの大きな輪になって終了。会場は大勢の見学者、参加者の大きな拍手に包まれました。
寺西選手は「水戸で初めての体験会でしたが、多くの人に楽しんで貰えたようで良かったです。出来る限り色々な世代に体験して貰い、ブラインドサッカーに関わる人を増やしていきたいです」と想いを語り、岡本さんは「水戸は素晴らしい人がたくさんいて、好きな街。水戸の人々がブラインドサッカーを体験したこと、その他の街の色々なものを通じて繋がり、そして自分達の街をもっと好きになって貰いたいです」と締めくくりました。

【写真 米村優子】

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見えない中でも見事なパスを披露して、観客を沸かせていた船谷選手は「完璧なプレー、伝え方が出来たと思います」と自信を覗かせた一方で、田中選手は「プレーする方はなんとか出来たと思うけれど、目隠し中の人に説明するのがなかなか上手く出来なかったです」とコーチングの仕方に難しさを感じた様子。
県立桜ノ牧高校サッカー部の本多飛雄我さん(2年)は「ブラインドサッカーは映像で見たことはあったけれど、選手達は本当にすごいなと改めて思いました。目が見えないと指示されても不安で、なかなか一歩が踏み出せない。いつものサッカーとは全然違った。チームは最初気まずい雰囲気だったけれど、ゲームをやって打ち解けて、仲良くなれた。街の人と触れ合えたのも楽しかったです。この体験で指示の明確さの重要性に気付いた。今後のコーチングに活かせそうな気がします」と満喫したようでした。

【写真 米村優子】

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チーム力やコミュニケーション能力の強化に繋がると、ブラインドサッカーは企業の社員研修プログラムとしても注目を集めています。
この直後の天皇杯・鹿島戦で水戸はチーム一丸となり、歴史的勝利を達成。このブラインドサッカーの効果も少なからずあったのではないでしょうか?
今回の体験会を通じて、ブラインドサッカーへの興味関心が高まり、選手と街の人が互いを知り、繋がったことで、共に水戸の魅力を再発見するきっかけとなったに違いありません。今後更にこのようなサッカーを通じた交流が活発になり、水戸がより良い街として多くの人に親しまれていくことに期待したいですね。

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【写真 米村優子】
(米村優子)

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