デイリーホーリーホック

【育成NOW】「ホーリーホックEIKOジュニア、全国の切符は逃すも堂々の3位!」(2015/11/29)※無料記事

【写真 佐藤拓也】

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序盤に2失点喫す苦しい展開

11月29日、全日本少年サッカー大会決勝リーグがカシマスタジアムで開催されました。クラブ史上はじめて決勝リーグの舞台に駒を進めた水戸ホーリーホックEIKOジュニア。(以下水戸ジュニア)全国の切符をかけた戦いに挑みました。

まず、本大会のレギュレーションについて説明させていただきます。茨城県大会は他県とは異なり、トーナメント方式ではなく、4チームずつのリーグ戦を行い、上位チームが勝ちあがるという形式を採っています。
そして3次リーグで2位以内に入ったチームが決勝リーグに進み、4チームのリーグ戦で最も勝ち点が高かったチームが優勝となります。
ただ、3次リーグでの対戦が決勝リーグでも反映され、決勝リーグでは3次リーグで対戦しなかった2チームと対戦し、勝ち点を競います。
水戸ジュニアは3次リーグで鹿島アントラーズジュニアと3次リーグで1対1の引き分けているため、決勝リーグでは勝ち点1の状態からスタートすることとなりました。

【写真 佐藤拓也】

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【写真 佐藤拓也】

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初戦の対戦相手鹿島アントラーズつくばジュニア(以下つくばジュニア)は3次リーグで2位のエスペランサ総和FCに4対3で勝利しているため、水戸ジュニアが優勝するためにも勝利が絶対条件となります。
水戸ジュニアにとって命運をかけた一戦となりました。

しかし、序盤から苦しい展開を強いられます。大柄の選手を多くそろえ、フィジカルの強さを前面に出してくるつくばジュニアに押し込まれ、開始4分に強烈なFKを決められて先制点を許してしまいました。さらに1分後には左サイドを突破されて追加点を奪われることとなりました。

ただ、水戸ジュニアは自分たちのサッカーを貫きました。スピーディーにボールを動かして、相手の守備を揺さぶりながら攻撃を仕掛け、ボールを奪われれば、素早く攻守の切り替えを行い、前線から連動した守備を見せました。相手の長身FWに対してもDFがチャレンジ&カバーを怠らずに対応。2失点以降はペースをつかんで攻め込む展開に持ち込みました。

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【写真 佐藤拓也】

【写真 佐藤拓也】

「2強時代」に風穴を開ける可能性

しかし、後半開始早々にも個の力で突破されて失点を喫してしまいました。窮地に追い込まれた水戸ジュニアですが、トップチーム同様そこから強さを発揮してみせました。
疲れの見える相手に対して、怒涛の反撃を見せて次々とチャンスを作り出します。
29分に右サイドからの荻沼航平君(6年生)が頭で決めて1点を返すと、37分には左CKをファーサイドに走りこんだ菊池剛志君(6年生)がヘディングシュート。1点差に詰め寄ります。

【写真 佐藤拓也】

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その後も勝利を諦めずにつくばジュニアのゴールに迫った水戸ジュニア。39分には高貫太瑛君(6年生)の弾丸ミドルシュートがつくばジュニアゴールに襲いましたが、相手GKのファインセーブに阻まれ、ゴールならず。最後まで攻め込みましたが、あと一歩届かないまま試合は終了。この瞬間、全国への夢は断たれてしまいました。

しかし、選手たちはそこで下を向くことはありませんでした。第2試合目ではエスペランサ総和FC(以下総和)と対戦。
両チームとも果敢にプレスをかけあう一進一退の激しい攻防が繰り広げられた中、後半終了間際に谷口航大君(6年生)がゴール前で素早い反転シュートでゴールをこじ開け、1対0で勝利をおさめました。
これで3位が決定。全国大会出場の夢はかないませんでしたが、堂々の結果と言えるでしょう。

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【写真 佐藤拓也】

【写真 佐藤拓也】

これまで茨城は鹿島アントラーズジュニア(以下鹿島ジュニア)とつくばジュニアの2強時代が続いてきました。今大会も結局その2チームが実質的な決勝戦を行い、1対0で勝利した鹿島ジュニアが4年連続12回目の優勝を達成しました。
ただ、今回水戸ジュニアは鹿島ジュニアと1対1、つくばジュニアと2対3と接戦を演じました。着実に実力差は縮まっており、「2強時代」に風穴を開ける可能性を感じさせてくれました。
大事なのは毎年この舞台に来ることです。経験を積み上げていくことによって、チーム力は上がっていきます。
そして、「全国」への壁を突き破ってもらいたいと思います。
悔しい結果となってしまいましたが、水戸ジュニアにとって大きな一歩を踏み出しました。この経験を今後に生かしてもらいたいと思います。

【写真 佐藤拓也】

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コメント
○茅根隼人監督

Q.はじめて決勝リーグを戦いました。残念な結果に終わりましたが、水戸ジュニアにとって大きな一歩となったと思います。今の感想は?
「振り返ると、選手たちのおかげでここに来ることができました。選手たちに感謝しています。また、保護者の方も含めて、いろいろ協力していただいた方のおかげでこの舞台を経験することができました。戦ってみて、自分の経験不足も感じました。実際、こういうゲームの中では選手たちにコーチングができなかったり、声が届かなかったり、伝わらなかったりします。やはりこういう大きな舞台では、ピッチの中で選手たちが話をして解決していくかが大事になると思いました。そういう意味で自立だったり、選手たちが考えて行動することが大事だとあらためて感じました。そういう甘さがあったかなと感じています」

Q.印象的だったのはハーフタイムに選手たち同士で話し合いを行わせていました。それを行っていたのは水戸ジュニアだけでした。
「僕の中ではハーフタイムになってすぐに選手たちに話をしても伝わらないと思っています。なので、少し落ち着くのを待ちます。でも、そのとき、子供たちがいろいろ考えていると、子供たち自身で話をするんです。その時間を大切にしています。ただ、アントラーズつくば戦は少し黙ってしまったところがありました。そういう時には僕も入るようにしています。また、エスペランサ総和戦はなかなか点が入らず元気がない感じだったので、一度『変わらないとダメだよ』とカツを入れて、選手たちに話をさせました」

Q.鹿島ジュニアとつくばジュニアにあと一歩のところまで迫りました。チームとして着実に成長していますね。
「それに関しては、ホーリーホックでやりたいと思ってくれたり、ホーリーホックに来てくれる子が増えたおかげだと思っています。ただ、僕が強くしたというわけではなく、間違いなく地域の人のおかげです。ホーリーホックに入って、そこからさらに成長してくれたんだと思います。なので、これからもそういう子たちが増えるようにしていきたいと思っています」

Q.毎年この舞台に出続けることが大事ですね。
「そうですね。昨年はもう一歩のところで負けてしまいました。僕の経験不足でした。今年は残念な結果に終わってしまいましたが、1勝できたことはよかったと思います」

【写真 佐藤拓也】

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