デイリーホーリーホック

【HHレポート】「『郷土愛』の大きさでチームの強さが決まる!沼田社長が地元の若者達に講演」 (2015/12/1)※無料記事

【写真 米村優子】

【写真 米村優子】

21世紀の「弘道館」で地域プロスポーツの現場の声を届ける

水戸市緑町の茨城県立青少年会館で11月16日、沼田邦郎社長が「地域プロスポーツの現場~水戸ホーリーホック これまでの歩みとこれからの夢」と題して、人材育成支援の民間学校「あしたの学校」の受講生18人へ向けて講演を行いました。
「あしたの学校」とは、著名人や、その分野の第一線で活躍する地域の人材が先生となり、生きる力と地域へのこだわりをもった水戸の次世代を育む、いわば21世紀の「弘道館」。学生を始め、2、30代の地域の若者達が座学やフィールドワークを通じて、職業観、起業や金銭教育、世の中の仕組みや動向、水戸の歴史と現在など、社会に関する様々な事柄を学んでいます。
その受講生への希望調査で、「地域プロスポーツの現場を知りたい」という意見が多く寄せられ、水戸のプロスポーツといえば、水戸ホーリーホックということで、その現場を最もよく知る沼田社長に今回、白羽の矢が立てられたのです。

同校の副代表理事で、アウェイおもてなしブース担当の水戸市役所職員・須藤文彦さんが挨拶した後、壇上に沼田社長が登場。
まずは、劇的な逆転勝利でJ2残留を決めた14日のホーム最終戦について触れ、「地域の皆様にはご心配とご迷惑をお掛けしましたが、ようやく残留を決めました」と安堵の表情を浮かべ、「雨の中、6500人を超える方々に来て貰えて、年間来場者数10万人を達成できました。こちらは筋書き通り、上手く行きました。地域の皆様のご支援の賜物です」と応援への感謝を述べました。
いよいよ本題に入り、チームの概要や歴史、Jリーグのクラブとしては圧倒的に少ない年間予算や上向きの経営状況、自身が8年前に急遽社長となった経緯などを図表や写真、映像を用いてわかりやすく説明。今季途中から指揮を執った西ヶ谷隆之監督については、「非常に謙虚で、サッカーオタク。いつも夜遅くまで事務所で対戦相手の分析などの仕事をしている。頼りがいのある監督です」と評し、厚い信頼を寄せている様子が伺えました。

【写真 米村優子】

【写真 米村優子】

そして、人格形成に力を入れ、サッカー“も”出来る選手を育成する下部組織や、マンチェスター・ユナイテッドのファーガソン元監督が軸にしていた「規律とハードワーク」を参考にしたチーム作りについて、また、「いつか専用スタジアムを作りたい」とイメージ図と共にクラブの夢も披露。
松本山雅FCサポーターで埋め尽くされた2014年最終戦のスタジアムの映像を流しながら、「『郷土愛』の大きさでチームの強さは決まります。我々も市民の皆様の憧れの存在となるよう、サッカー教室や巡回訪問などの『ホームタウン活動』、地域の地区単位での観戦ツアーなどの『ホスピタリティー』、強いチーム作り、環境や強化の整備を進める『プロモーション』で実績を積み重ねて、皆さんの理解を深めて、地域を盛り上げていきたいです」と訴えました。

その後は質疑応答タイムに。「地元の若者に期待することは?」という質問に対しては、「行動すること。アクションを起こして欲しい。経営する側に立って考えながら物事を見て、視野を広げて欲しい。そして一緒に世界の水戸にしていきましょう」とエールを送り、講演は大きな拍手の中、約1時間の講演が終了しました。
受講したひたちなか市在住の看護師・飛田遥菜さんは「専用スタジアムの話が印象に残りました。もし高齢者施設もある複合型のスタジアムが出来たならば、とても魅力的ですね」とクラブの構想に興味を持った様子でした。
水戸のプロスポーツの旗手として、様々な角度から地域へアプローチを続ける沼田社長の言葉は、きっと受講生の今後の生き方や働き方のヒントになったはず。地域の明日を担う若者達が、水戸ホーリーホックを始め、地域のプロスポーツと連携しながら、新たな水戸の魅力を作り、発信していくことに期待したいですね。

(米村優子)

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