デイリーホーリーホック

【HHレポート】「J初の廃校を活用した新練習拠点の建設へ ホーリーホックと城里町で旧七会中学校の跡地利用整備に関する協定書を締結」(2016/8/2) ※無料記事

【写真 米村優子】

【写真 米村優子】

2018年4月から供用開始。グラウンドの一部は今年度の冬から着工開始予定

7月21日、水戸ホーリーホックと城里町による「城里町立旧七会中学校の跡地利用整備に関する協定書」の締結式が城里町役場本庁舎2階庁議室で開かれました。
水戸ホーリーホックからは沼田邦郎社長、幡谷公朗取締役、萩原武久顧問の3名、城里町からは上遠野修町長、小野瀬篤郎副町長、小林孝志教育長の3名、計6名が出席。沼田社長と上遠野町長が協定書2部にサインし、J初の廃校を活用したクラブハウス、練習場の建設への第一歩を踏みました。

沼田社長は「2000年にJリーグに入ってから、これまでJ2で戦ってきましたが、練習環境は脆弱な部分がありました。その中で今回は城里町の上遠野町長を始め、旧七会中学校の跡地を利用しないかとの打診を受け、非常に素晴らしい施設で環境を整えていただけるとのことで、我が水戸ホーリーホックとしても非常に有り難い話であります。チーム強化という部分でも躍進するためのステップアップの一つになると確信しております。水戸ホーリーホックが茨城県中央地区の宝であることを再認識させていただきながら、この地域を盛り上げるために我々は務めていかなくてはなりません。多くの人たちに愛されるクラブとなるように、城里町を含め多くの方々に我々のことを知っていただきたい。そして、大きな夢を抱きながら、皆さまに夢を与えられるような、世界に羽ばたけるようなクラブに成長させなければいけない。更に高みを目指して頑張っていきたいと思います」と展望を語り、上遠野町長は「水戸ホーリーホックさんはケーズデンキスタジアム水戸に年間10万人が来場する、大変集客力のある企業。そんなホーリーホックさんが城里町に来ていただくことで町のPR、活性化、定住人口の増加に繋がると確信しています。ホーリーホックさんに快適な練習環境を提供しますので、是非強くなっていただきたい。ホーリーホックさんが強くなることは城里町だけでなく、茨城の中央地区全体の活性化に繋がる。いずれJ1に昇格し、アントラーズと互角に戦えるチームになって欲しいと願っています」と述べました。

【写真 米村優子】

【写真 米村優子】

城里町小勝にある旧七会中学校は1997年に完成した築19年の施設。
ホーリーホックの事務所から車で約40分、常磐自動車道水戸インターから約25分の風光明媚な里山に囲まれた立地で、校舎面積は2,758㎡、体育館面積は1,641㎡。敷地面積は101,619㎡と、ケーズデンキスタジアム水戸(約94,300㎡)以上の大きさを誇ります。
木の温もり溢れるロッジ風の校舎はJ1ライセンスの基準を網羅したクラブハウス、七会支所と七会公民館の行政文化等に、校庭は天然芝2面の専用練習場として整備され、グラウンドの一部は今年度の冬から着工を予定。2018年4月から供用開始を目指して着々と進行中です。
Jクラブ全体からも注目を集める、悲願の新練習拠点のプロジェクトがいよいよ本格始動します。

○質疑応答全文(敬称略)

Q.運用はいつから?
上遠野「平成30年(2018年)4月に全て同時に供用開始。現在は建物の設計を行っている段階。来年度予算で建物の改築と芝生の植え付けをする」

Q.芝や施設の工事の着工はいつになるのか?
上遠野「基本的には来年度だが、施設の一部は今年度の冬からスタートとなる可能性もある。芝の植え付けは来年の6月頃と決定している。それまでにグラウンドの散水設備などを整備するため、若干前倒しになる可能性がある」

Q.総事業費は?
上遠野「1億5000万円から2億5000万円の間」

Q.事業費は全て町の予算?
上遠野「はい」

Q.城里町民の負担を減らすために、どのような財源を使用するのか?
上遠野「サッカーくじtotoからの補助金、建設工事に対して7割の補助が得られる合併特例債を活用しながら工事費を捻出する」

Q.協定書の中で「供用開始後10年間は使用するもの」とあるが、10年以降は両者で協議して延長する形となるのか?
上遠野「町としては延長して貰えるものとして考えている」

Q.この10年という数字の根拠は?
上遠野「ホーリーホックのクラブハウスだけでなく、城里町の七会支所や七会公民館、山びこの郷、七会中学校、この4つの施設も統合した新しい施設を建設する。統合によって、ある程度の経費削減が見込まれる。工事費は10年程度で回収できると町では考えている」

Q.施設の概要とは?
上遠野「空き校舎を活用して行政の施設とJリーグのクラブハウスが共存する新しい施設。施設は校舎をほぼ半分に分けて、片方をクラブハウスに、そしてもう片方を七会支所と七会公民館が入る。校庭に天然芝のグラウンド2面を整備する。地域との交流、地域社会との共生というJリーグの理念に合致する」

沼田「クラブとしてはプール、体育館、大きなバルコニーがあるJリーグ全体でも例を見ない素晴らしい施設となる。立地が懸念されているが、水戸市笠原町にあるホーリーホックの事務所から約40分、水戸インターから約25分。好立地だとクラブとしては捉えている。サンフレッチェ広島は広島駅から約1時間半も掛かる所が練習拠点。そこには下部組織の寮があり、近くの高校に通わせて活動している。クラブとしては将来的にはそのような形を模索しながら、全国から下部組織に選手を集めて、トップチームに入れていく。そしてJ1へ、世界に羽ばたける選手を育てたい。Jリーグとクラブのアジア戦略の一環で、ベトナムを中心にアジアの主に高校生年代の選手を招き、逆に水戸ユースの選手をアジアへ留学させる交流もしていきたいと考えている。拠点が出来て、ホーリーホックというソフトが入り、世界に羽ばたくための大きなプロジェクトが動き出す。この施設を活用して地域根付くことは、Jリーグ100年構想に沿っていて、非常にわかりやすい構図ができる。水戸ホーリーホックの夢への第一歩となる拠点となり、Jリーグ全体が注目しているプロジェクトとなっている」

Q.Jクラブの中で、廃校舎をクラブハウスと行政施設、グラウンドを練習場にしている所は他にあるのか?
沼田「ない。行政が持つ総合運動公園の中にクラブハウスがあるクラブはあるが、廃校舎を利用した所はまだない。町田ゼルビアや東京ヴェルディでも話が持ち上がっているが構想の段階。実際に決定したのは水戸が一番早い」

Q.管理の主体はどちらになるのか?
上遠野「管理形態は今後協議していく。全体としては町で管理していきたい。クラブハウスの内装等は使用者が管理することになる」

Q.芝の管理も町がするのか?
上遠野「協議中。町としてはノウハウがないので、直接は難しいかもしれない」

Q.選手を城里町に居住させる構想はあるのか?
沼田「特にない。拠点の近くに住む選手も出て来るとは思うので、住宅手当等など今後考えていく。下部組織の寮などの環境が整えば、十分あり得る」

Q.選手寮を城里町内で探すことも検討中?
沼田「クラブとしては現在使用している寮がこのまま使えるのか確認、十分検討をしなければならない」

上遠野「町としてはクラブハウスの近くに公営住宅があり、町外からの移住者に引越し費用30万円をプレゼントしている。3LDKで家賃は約3万円。選手やスタッフにも定住して貰えるよう働きかけたい」

Q.現在、水戸ホーリーホックが使用しているクラブハウスや選手寮はどこにあるのか?
沼田「水戸市水府町にある茨城県が管理する職業人材育成センターの宿泊棟をクラブハウスとして使用している」

Q.新しいクラブハウスにはどんな新機能が加わるのか?
沼田「現在の練習場は那珂川河川敷にあり、浸水の被害が起こる可能性がある。またホテルなどの跡地のために陥没の恐れもある。河川敷で散水設備がなく、芝の管理が難しい。新たなクラブハウスはその部分が改善される。今までになかったシャワー室、メディカルルーム、選手のロッカールーム、ビジタールーム、メディアルームなどが出来る。JリーグのJ1ライセンスの基準を網羅した施設となる」

(写真左から)ホーリーくん、萩原武久顧問、幡谷公朗取締役、沼田邦郎社長、上遠野修町長、城里町マスコットキャラクター「ホロル」、小野瀬篤郎副町長、小林孝志教育長 【写真 米村優子】

(写真左から)ホーリーくん、萩原武久顧問、幡谷公朗取締役、沼田邦郎社長、上遠野修町長、城里町マスコットキャラクター「ホロル」、小野瀬篤郎副町長、小林孝志教育長
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(米村優子)

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