【取材後記】「教訓にすべき、金沢戦の2得点目」(2016/8/5)※無料記事
「よかった」の一言で片づけてはいけない
3対0の快勝をおさめた前節金沢戦。勝利を大きく引き寄せたのが先制点直後に決めた2点目だった。先制点からわずか1分後、佐藤和弘がシュートのこぼれ球をゴールラインぎりぎりで折り返して平松宗が押し込み、相手の戦意を喪失させた。
そのゴールに関して、試合後、金沢の選手たちは佐藤和弘が折り返す前に「絶対に(ボールがゴールラインを)出ていた」と主張していた。記者席から見ていても、ラインを出ていたように見えた。しかし、映像で確認する限り、ほんのわずかながらボールはゴールラインにかかっているように見える。非常にきわどいプレーであったが、最後まであきらめずにプレーした佐藤和弘の粘り勝ちだったと言えるだろう。
とはいえ、今回の件を「よかった」の一言で片づけてはいけない。今後、逆のことが起こりかねないからだ。金沢の選手たちの言葉が示すように、人の視覚は非常に曖昧であり、時として自分たちに都合のいいように見えてしまうものである。
だからこそ、決してセルフジャッジはしてはいけない。そして、あくまで笛がなるまで全力でプレーしなければならない。その習慣を日ごろのトレーニングから意識しておくべきだろう。人のふりみて、我がふり直せ。相手の痛みをも教訓にして、「強さ」を蓄えていってもらいたい。
(佐藤拓也)