デイリーホーリーホック

「パートナー企業で選手参加のインターンシップが初開催。岸田選手と大原選手が内装業に挑戦」【HHレポート】※無料記事

【写真 水戸ホーリーホック】

シルバーパートナーの株式会社オスク本社(那珂市菅谷)で12月12、13日、選手がスポンサー企業で就業体験をするインターンシップが初開催され、岸田翔平選手と大原彰輝選手が壁紙貼りなどの内装業に挑戦しました。

【写真 米村優子】

Jリーガーの平均引退年齢は20代半ば。いずれ長い第二の人生を歩まねばなりませんが、学生の頃からサッカーエリートとして活躍してきた選手は、一般社会とは疎遠になりがち。
そこで今回、パートナー企業の協力によって選手が地域社会と触れ合える機会を設け、セカンドキャリアへの参考にしながら、これらの体験をプロ生活にフィードバックして貰おうと実施されました。

【写真 米村優子】

その第一回目の舞台となった株式会社オスクは、約4年前からサポートカンパニーとなり、今年からピッチ看板や選手対象の独自セミナー「Make Value Project(MVP)」をスポンサードしている内装仕上工事業者。
平成3年創業以来、宇都宮や柏に拠点を広げ、新築、リニューアル、リフォーム工事の建築請負工事、建築資材やインテリアの販売、県内で先駆けてデジタルプリント壁紙の印刷から施工までワンストップサービスも展開している気鋭の企業です。
今回のインターンシップは、代表取締役社長の大野剛さんが直々にレクチャーする二日間のプログラム。
一日目は本社での会社概要の説明、職場見学、実際の事務所での仕事体験、デジタルプリント壁紙の実演など。
二日目はデジタルプリント壁紙のカッティング、貼り付けなどの内装業務体験を行う盛りだくさんの内容となりました。

【写真 米村優子】

これまでアルバイトの経験すら皆無という岸田選手と大原選手。
岸田選手は「大学時代にバイトを経験してみたかったけれど結局やらず仕舞いで、サッカー以外の事は何も分からないのが現状。引退後のセカンドキャリアの方が圧倒的に長いので、正直、心配もあります。現役の間に色んな事を知って、興味を持っていかないといけないですし、自分自身も新しい世界を知りたい思いもあります。初めてのことばかりで楽しみです」と様々な思いを抱えて立候補した一人。
大原選手は「バイトもしたことないですし、MVPで色んな方々の話を聞くと、自分自身、知らないことが多すぎると感じていました。実は作ったり、デザインするのは得意分野。すごく楽しみです」と期待を膨らませながら参加しました。

【写真 米村優子】

まず、大野社長からオスクの業務内容についてパネルやパンフレット、映像を交えて説明を受けると、選手らは真剣な表情で一語一句に耳を傾けていました。
特に実家が自営業をしている岸田選手は「他社と違うことをやらないと、生き残るのは難しいですか?」などの数多くの鋭い質問を寄せ、自分で撮った写真やオリジナルのイラストを簡単に自宅や店舗などの壁紙にできるデジタルプリント壁紙の話題となると、「サンクスマッチの時など、VIPルームにスポンサーオリジナルの壁紙を貼ってみては?」とアイデアを披露。
すると大野社長は「それは思い付かなかった。面白いですね!」と好感触を見せる場面もありました。

【写真 米村優子】

そして事務所内で使用されている電子機器やデジタルプリント壁紙の実例の説明を受けている途中、イレギュラーが発生。
あるメーカーの壁紙が欠品し、明日の施工に間に合わせるため、別メーカーの似たような壁紙を数時間以内に発注しなければいけない事態に。
複数のカタログから最も類似している壁紙を探す作業を急遽、選手らもお手伝いすることになりました。
選手らは分厚いカタログを急いで捲り、厚みや質感、色合いなどを確認しながら、「これなんかどうでしょうか?」と次々に事務スタッフへ提案。
すると大原選手が見つけた壁紙が候補の一つに入り、嬉しそうに笑顔を見せていました。
無事、時間内に最適な代替品が見つかると、実際にメーカーへの注文書をFAXで送信する作業を実施。普段、スマートフォンでのメールのやり取りばかりの選手らは、新鮮な作業のようでした。
最後に大野社長のスマートフォンで撮影した今季最終戦のコレオグラフィーの画像を補正して、実際に壁紙にプリントする作業を見学すると、「こんなにキレイにプリントできるんですね」と目を丸くしながら興味津々の様子。

【写真 米村優子】

二日目はアツマーレのプレスルームで壁紙貼りに挑戦。
壁面の高さに合わせてデジタルプリント壁紙を選手のさじ加減でカッティングすると、貼り合わせた画像がズレないよう、細心の注意を払ってクロス職人体験に挑戦しました。

【写真 水戸ホーリーホック】

岸田選手は「今まで内装業というものを知らなかったので、初めての世界でしたが、いざ知ると興味深い仕事。自分の中でも面白いと思えました。自分から外に出て、行動してみないと分からないことがたくさんある。貴重な体験でした」と満足気。
大原選手は「サッカー選手をやっていると、一般的な経験が少なくなる。新しいこと、知らないことを知る機会や場所があることは、人生経験としてもプラスになる。社長の物事の捉え方、考え方も興味深く、サッカーにも活きると感じました。大事な時間となりました」と手応えを掴んだようです。
大野社長は「お二人ともバイト経験もないとのことでしたので、簡単なコピーやFAXなどの凡事もやって貰いましたが、何か一つでも自信が付いたならば幸いです。弊社の売りであるデジタルプリント壁紙を体験して貰い、内装業の明確なイメージも与えられましたし、少しでも興味を持って貰えたかなと思います。選手らの反応を見て、もっとデジタルプリント壁紙をPRしてもいいんだと感じました。今後、採用の際などで若い人らに話す時に活かそうと思います」と二日間で収穫があったようでした。

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選手として、一人間としての幅を広げ、企業側にもメリットを生んだパートナー企業でのインターンシップ。
双方にwin-winの機会となった就業体験は、今後も定期的に実施される予定です。

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(米村優子)

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