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U-18 IFAリーグ1部第4節古河第一高校A戦 「受けに回った前半から一転、後半は怒涛の攻撃で2得点。開幕戦を白星で飾る」【育成NOW】※無料記事

【写真 佐藤拓也】

IFAリーグ第4節(第1節~第3節は未消化)
水戸ユース2(0-0)0古河第一高校
得点者:荻沼航世2

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4月3日、水戸ユースはIFAリーグ1部開幕戦となる第4節古河第一高校(以下古河一)戦に挑みました。

いい形でスタートを切るためにも立ち上がりから水戸らしいアグレッシブな姿勢を出したいところでしたが、古河一の勢いに押し込まれる展開が続きました。
水戸ユースはトップと同じ4-3-3システムを採用し、最終ラインからビルドアップしながら攻撃を組み立てようとするものの、激しくハイプレスをかけてくる古河一に対して、「受けに回って」(樹森大介監督)しまいました。

【写真 佐藤拓也】

プレスを回避するためにロングボールが多くなり、跳ね返されてまた圧力を受けるという形が繰り返されました。ただ、守勢の展開が続いた中でも守備陣が奮闘してゴール前への侵入を防ぎ、ゴールを許すことなく、前半を終えることができました。

後半に入ると、水戸は積極性を取り戻すことに成功しました。前半同様、古河一は激しいプレスをかけてきましたが、サイドバックが勇気を持って、ボールを前に運んでプレスをはずし、そこからリズムを変えるパスを入れてスピーディーな攻撃を繰り出せるようになりました。

【写真 佐藤拓也】

両サイドを広く使った攻撃で古河一の守備組織を崩していき、ゴールに襲い掛かっていきました。古河一も粘り強く守っていたものの、75分に左サイドの北条真智(3年)が入れたアーリークロスをファーサイドに走り込んだ上野山叶夢(2年)が折り返し。DFに対応されるものの、こぼれ球を拾った内田優晟(2年)がゴール前に入れたボールを荻沼航世(3年)が蹴り込んで均衡を破ります。

水戸の勢いは止まりませんでした。79分、左サイドから右サイドにスピーディーな展開。ボールを受けた太田慈(3年)が勢いよくサイドを駆け上がり、ゴール前に折り返し。ニアに走り込んだ荻沼がこの日2点目となるゴールを決めて、リードを広げました。

【写真 佐藤拓也】

その後もアグレッシブな姿勢を貫いて攻め続けた水戸ユース。追加点を奪うことはできませんでしたが、ゴールを許すこともないまま試合は終了。開幕戦を白星で飾ることができました。

硬さが見えた前半の内容には課題を残しましたが、苦しい時間帯に失点しなかったことはチームにとって収穫と言えるでしょう。90分間狙い通りのサッカーができるわけではありません。リーグ制覇を達成するためにも、耐える時にしっかり耐えて、自分たちの流れに持って行くしたたかさを身につけなければなりません。そういう意味でも今後に向けて、自信となる勝利となったことでしょう。この勢いに乗って、勝利を重ねていってもらいたいと思います。

【写真 佐藤拓也】

コメント

樹森大介監督

Q.試合を振り返ってください。
「まず、昨年のこの時期はサッカーもできず、昨年の3年生は公式戦をほとんどできないまま終わってしまいました。なので、こういう試合をできることに感謝して試合をしようという話を選手たちにしました。でも、前半は受けに回ってしまいましたね。古河一さんが前から来るのは分かっていたのですが、ひっくり返すパワーがなくて厳しい展開が続きました。相手のストロングの部分で勝負してしまった厳しい前半でした」

Q.後半は相手のプレッシャーをはがすプレーが見られるようになりました。
「ハーフタイムにまさにそのことを伝えました。サイドバックのところでプレッシャーを一つ外せばチャンスになるから、どんどんチャレンジをしようとしたところ、選手たちはチャレンジしてくれました。外した時にはいい形を作れるようになりました。前半からそういうプレーができればよかったのですが、相手もそれをやらせないためにすごく激しくプレッシャーに来ていたので、後半は狙い通り自分たちの形を作れたと思いました」

Q.2点とも両サイドに揺さぶって決めることができました。
「ウチは相手のプレスを外した後にパワーを使えるので、そこに連動して人数をかけて攻撃できたと思います」

Q.開幕戦で結果を出せたことは大きいですか?
「大きいですね。公式戦の入りは難しいんですよ。相手はウチを倒してやろうという気持ちで向かってくるので、前半は受けに回る悪い部分が出てしまいましたが、後半は冷静に試合を進めることができました。ただ、前半リズムを作れない中、守備で安定感を出して無失点で抑えたことが後半につながったと思います」

Q.今年のチームの特長は?
「2年生に個性のある選手が揃っていて、それをうまく3年生がまとめてくれています。今日は3年生はけが明けの選手が多く、あまり試合に出ていなかったのですが、途中出場の3年生が活躍を見せてくれました。得点にも絡んでくれたので、これからいい競争が生まれて、いいチームになっていくと思います。ただ、やるべきことは変わりません。自分たちからアクションを起こしていくというスタイルを続けていきます」

Q.トップチームと同じ4-3-3システムを採用しています。戦術もトップチームと通ずるものがありますね。
「トップチームほど得点力のあるチームを作るのは理想ですね。どうやったらマネできるかは日々勉強中です。前への推進力がトップチームの魅力。ただ、ユースではまだ前を見ることができず、バックパスが多くなってしまう場面が多々ある。もっと前に出るというマインドを持たせることができれば、攻撃回数は増えると思います。今日は硬かったし、重かったですね(苦笑)」

 

北条真智キャプテン(3年)

Q.試合を振り返ってください。
「これまでシーズンに向けていい準備ができていたと思っていたので、前半は自分たちのスタイルを出せないところもありましたが、後半は改善して自分たちのやることができたと思っています」

Q.前半は硬くなった?
「昨年、古河一さんに負けていることもあって、苦手意識があったのかもしれません。そういうところで自分たちの力を発揮できるようにならないといけないと感じています」

Q.後半はサイドバックのところでプレスをはがして勢いを出すことができました。
「そこはシーズン前の練習でやってきたこと。前半から出したかったという思いもありますけど、後半しっかり改善できたことをポジティブに考えたいと思います」

Q.先制点につながるクロスを入れました。
「中が見えていたので、自信を持って入れました」

Q.2点とも左右に揺さぶって相手の守備を崩しました。
「茨城のチームは我慢強く守ってくるチームが多い。なので、自分たちで主導権を握って、左右に揺さぶって、ギャップをしっかり作って、そこを突いていくことを狙っています。そういう形を多く作れれば得点が増えると思うので、もっと増やしていきたいです」

Q.システムもスタンスもトップチームに似ている印象を受けました。
「目標はプロになること。戦術は少し違うところがあるのですが、個人のスキルや判断のところはつながるところがあると思っているので、こだわってプレーしています」

Q.トップチームのプレーを参考にすることもありますか?
「ありますね。トップチームは技術の高い選手がサイドバックとしてプレーしているので、お手本にさせてもらっています」

Q.開幕戦で勝てたことは大きいですね。
「今日の試合は前半を無失点で終えられたことが大きかったと思います」

Q.今後に向けての意気込みをお願いします。
「プリンスリーグ昇格が目標なので、一戦一戦しっかり勝ち点を積み上げていきたいと思っています」

 

荻沼航世選手(3年)

Q.殊勲の2得点。試合を振り返ってもらえますか。
「前半は何もできなかったので、後半は『自分がやってやる』という気持ちでプレーして、流れを変えることができてよかったです」

Q.前半は相手のプレッシャーに臆しているように感じました。
「相手のペースに合わせてしまいましたね。自分たちのペースを貫くことができませんでした」

Q.ハーフタイムでどういうことを修正したのでしょうか?
「インサイドワークの位置が前半は相手のDFラインに入ってしまうことが多かったので、少し下がってボールを受けられるようにしました。あとサイドバックのところでボールを持った時に慌てずにプレスをはがして逆サイドにボールを出すなど、もう1回やり直すとか、そういうところを修正したことによって、サイドにボールを散らすことができるようになりました。それで自分のゴールが生まれたと思っています」

Q.インサイドワークはかなり難しそうに思うのですが、どういうことを意識していますか?
「相手のDFラインに近づきすぎず、相手の中盤にもつかまえられない位置に立つことを意識しています。そのためにも常に首を振って状況を把握しておかないといけない」

Q.ゴール前に入っていくことも意識していましたね。
「ゴール前に3~4人入っていくのが、チームの約束事。なので、思い切って入っていきました」

Q.2点とも左右に揺さぶって守備を崩しました。
「中央突破も狙いますが、チームとしてはサイド攻撃が多いので、いい形でゴールを決めることができたと思っています」

Q.トップチームとシステムやスタンスが似ているように感じました。
「意識はしています。特にインサイドワークは似ているので、トップチームのプレーを参考にしています」

Q.今後に向けての意気込みをお願いします。
「今日の前半のような相手に合わせる試合をせずに自分たちのペースで試合を進めて、いい形を作って勝つ試合を増やしたいと思います」

Q.2得点という結果については?
「あまり得点を決めることができていなかったので、今日はやってやろうと思ってプレーしました。なので、2点決めることができてうれしいです」

(佐藤拓也)

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