デイリーホーリーホック

秋葉忠宏監督「選手に全幅の信頼を置いているし、これからも最大限の愛情を注いでいく。前節の経験を糧として、より大きな結束を持って進んでいく」【コメント】【練習レポート】

Q.前節はご自身のマネジメントを反省されていました。言える範囲で、どういったところに問題があったと感じたのでしょうか?
「いろんな状況があった中でプランがだいぶ変わってしまいました。精神的にも平常心を保つのが難しい状況でした。様々な外的な要素によるアクシデントがたくさんあった中でいい状態で試合に入れなかったことは間違いありません。普通に考えたら、ウチが2試合連続3対0で勝っていて、相手は0対7で負けている状況で、先制点が大事だという話をしている中、開始2分で失点するなんて今までのサッカー人生において考えられないこと。あれだけいい準備ができて、かなり自信を持って挑んだ中、一つのアクシデントで大きな影響を受けたんだと感じました。

試合前夜、僕でさえ陽性判定者は俺なんじゃないかという不安がありましたし、食事のタイミングが遅れたり、部屋から出られない状況で水ももらいに行くことができず、不安で寝られない選手もいたと思います。選手たちはケアも受けることができませんでした。試合当日になっても試合が開催されるかどうかわからず、濃厚接触者が出る可能性もありましたし、先発メンバーや登録選手をどうするのかもギリギリまで決めることができませんでした。その時点でいつもの試合とだいぶ違いました。開始2分で失点した時点であらためてそれを感じました。

それでも、その後、素晴らしい内容で同点に追いつくことができました。でも、普段ならば逆転することができていたと思います。それでも選手たちは素晴らしいパフォーマンスを見せてくれていたので、僕自身も揺れてしまいました。明らかにいつもと違う状況の中での一戦で、後半はしんどくなるのが分かっていました。でも、選手たちの表情を見ると、3連勝がかかった一戦ですし、内容的にも勝てるという自信を持っているようでした。

僕の方が選手よりも少しだけ経験値がある分、未来を予測する力があります。でも、僕自身、欲が出てしまいました。状況を考えたら、勝ち点1でも問題ありませんでした。前半2分でやってきたことが崩れたにも関わらず、そこから持ち直してくれた。なおかつ、選手たちの心意気に対して、どういうマネジメントをするか迷いが出てしまいました。アクシデント自体、チームとして隙を見せたことが原因だと思っていますから、そういうチームがアウェイの地で勝つことは簡単ではありません。相手も前節0対7で敗れて必死なわけですから。そうしたことを天秤にかけて頭の中でずっと考えていた中、僕自身が揺れてしまいました。

『勝たせてあげたい』欲と『そんなに甘くない』という現実。自分の中で天使と悪魔がささやいていました。体力的に落ちる前に選手交代をしましたが、うまくはまりませんでした。もっと言えば、ハーフタイムにもっと予知した伝え方をして、選手のマインドをコントロールできればよかった。僕の『勝ち点1でもOK』という言葉はいろんな伝わり方をしたと思います。文字通り『勝ち点1狙い』と思った選手もいたでしょうし、肩の力を抜けば勝てるんだと感じてくれた選手もいた。すべてが中途半端になってしまったなと。そこは僕自身のマネジメントの問題。

ホテルでミーティングができなかったので、早めにスタジアム入りして行ったのですが、いつもより時間を短くしましたし、だいぶ端折って話をしてしまいました。そこでももっとうまく伝えられればよかった。もっと何かできたんじゃないかと自問自答を繰り返しました。1対2で敗戦という結果は指揮官の力のなさが原因。アクシデントがあっても、勝利に導けるような指導者になりたいと思っています。僕らは結果で評価される世界で生きている。たくさん反省をしましたし、いろんなことを考えました。そういうゲームでした」

Q.試合前夜に陽性判定者が出て、試合までどれだけイレギュラーなことが起きたのでしょうか?

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