デイリーホーリーホック

「ジュニアユースU-15選手がJリーグ版よのなか科を実施」【育成NOW】※無料記事

【写真 米村優子】

Jリーグで2010年からスタートしたキャリアデザインサポートプログラム「Jリーグ版よのなか科」。
JクラブアカデミーのU-14選手を対象に、JリーグやJクラブを取り巻く環境や自らのキャリアデザインについて学ぶ機会を提供する人材育成プログラムです。
水戸ホーリーホックでは毎年ジュニアユースU-14選手を対象に実施されていますが、昨年はコロナの影響で延期を余儀なくされていました。そのため、今年はU-15選手、U-14選手の両方で取り組まれています。
水戸市水府町のリリーアリーナMITOで7月29日、保護者らも参加する中、U-15選手が全5回のプログラムの内、第3回「Jリーグをとりまく職業を考える」、第4回「職業と『意志』『役割』『能力』の関係を考える」を実施しました。

【写真 米村優子】

【写真 米村優子】

常磐大学サッカー部監督兼普及コーチの島田祐輝さんの進行によってまず取り組んだのは、サッカーに関連する職業の洗い出し。
広告関連、サッカー用具、健康管理・メンタルケア、選手マネジメント、スタジアム、アミューズメント、メディア、Jリーグ・Jクラブ、サッカー選手を育てるなどのキーワードをヒントに、個人で考えた後は、グループでアイデアを出し合い、知っているようで意外と知らないサッカーに関する職業を絞り出していました。
その後はプロサッカー選手以外で興味のあるサッカー関連の職業、それらを選んだ理由を考え、「選手を助けるスポーツドクター」「スパイクなどサッカー用具のデザイナー」「選手の身体を支える栄養士」などの声が上がっていました。

【写真 米村優子】

「職業と『意志』『役割』『能力』の関係を考える」では、Jリーグ公式の審判やカメラマンの仕事の様子やインタビュー映像をチェックし、それぞれの意志、役割、能力を確認。
そして、実際に水戸ホーリーホック関連の仕事をしているゲストティーチャーとして、事業部試合運営の芦田剛さん、デイリーホーリーホックメインライターの佐藤拓也が登場しました。
水戸市出身、入社7年目の芦田さんは、元々プロを目指していましたが、学生時代に怪我で断念。サッカーに関わる仕事がしたいと、インターン生からクラブスタッフとなりました。
これまでホームタウン担当などを経て、今年から試合運営担当に着任。試合当日はインカム3台をフル活用しながら、放送席、マッチコミッショナーなど各所と情報共有し、クラブの窓口となって「安心安全なスタジアム」を作り上げています。
芦田さんは「準備8割、実行2割。常に気配り、目配りをすることを心掛けています」と伝えると、選手らは真剣な表情で耳を傾けていました。
試合運営は、Jリーグの開催に欠かせない縁の下の力持ち。改めてクラブスタッフへの関心や感謝の念が沸いている様子でした。

【写真 米村優子】

社外ゲストティーチャーの佐藤は、サラリーマンからフリーライターへ転身し、横浜市出身でありながらホーリーホックの番記者となるまでの自身の経歴を披露。
18年前に水戸を取材先として選んだ理由について「親会社のない市民クラブという点が魅力。地域に密着したプロクラブの時代が来る中、このクラブが成功したら日本のプロクラブは変わると思ったからです」と明かし、「水戸ホーリーホックの情報を多くの人に知って貰い、ファンを広げること。そして、ファンの方にもっと好きになって貰うことが自分の役割。普段会えないようなプロ選手を取材したり、発展するクラブを間近で見られるのは、幸せですし喜びです」と熱を込めて語っていました。
また、選手と早く打ち解け、信頼関係を築くための事前のリサーチ、信用を重ねるためのコミュニケーションを大事にしていること、横浜FCオフィシャルライター時代の三浦知良選手の秘話などを交えながら、サッカーライターとしての心得や仕事術を存分に語っていました。

【写真 米村優子】

最後は、プロ選手を目指す上で客観的な視点を持って自己分析し、具体的にキャリアイメージをプランニングするよのなか科。
JリーグやJクラブ、プロ選手はどんな環境で成り立っているのか。目標のプロになるには何が必要で、どういった努力を続けなければならないのか…。
チームメイトの価値観も共有しながら、目的意識を明確化することで、これからの下部組織時代の4年間、5年間の過ごし方が変わってくることでしょう。
プログラムを受講した上原才羅(さら)キャプテンは「Jリーグに関わっている人がこんなに多くてビックリしましたし、内部の人でしか分からないことが知られたのが大きかったです。改めて、色んな人に感謝しながらサッカーを続けていかなければならないと感じました。人としても選手としても自覚を持って全力でプレーしながら、Jリーグで活躍できる選手になりたいと思います」と力強く語っています。
このプログラムを機に、今後のサッカーとの関わり方、夢を実現するための意志、役割、能力を磨き、サッカーと人間性、両方のスキルを高めていってくれることに期待したいですね。

【写真 米村優子】

(米村優子)

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ