デイリーホーリーホック

秋葉忠宏監督シーズン振り返りインタビュー(後編)「想定外だった夏場の大幅な選手の入れ替え。そこからのチーム作りにおいて代表指導経験が活きた」【インタビュー】

【写真 水戸ホーリーホック】

激動のシーズンだった。
4チームが降格するという異例のレギュレーションの中、
選手だけでなく、スタッフ陣も大幅に入れ替えがあり、
チーム始動後はけが人が続出。
4-3-3でスタートするも安定性を欠き、4-4-2に変更。
調子を上げたと思ったら、主力3人がJ1へ移籍。
それだけ様々な“事件”が起こりながらも、
残留争いに巻き込まれることなく、史上3度目の勝ち越しに成功。
昨季よりも勝ち点を伸ばして、10位という成績で終えた。
試練の連続だったものの、チームを前進させ続けた秋葉忠宏監督。
チームマネジメントを中心に、2021年シーズンを振り返ってもらった。

シーズン前半戦で決断した理由

Q.今季、リーグ序盤は4-3-3を採用しましたが、4-3-3はどういったところが強みなのでしょうか?
「昨年はリーグ最多得点を記録できたからこそ、さらに爆発力を出したかった。4-3-3は攻撃的なチームに向いているシステムなんですよね。力のあるチームが使うシステムで、攻撃に特化できるというか、主導権を握るためのシステム。立っているだけで正三角形ができますから、攻撃するには非常に効果的なんです。一方、長く守備をするのには適さないシステムでもあります。当たり前ですけど、ダブルボランチで戦った方が堅い戦いができますし、3-4-3で守備の時に5-4-1にすれば、もっと堅く戦うことができます。また、4-3-3はカウンターにも効果的ですし、ボールを握ることにも長けているんです。逆サイドに蹴れば、誰かがいますし、クロスに対して、インサイドMFが入って行けば、ゴール前で厚みを出すことができる。インサイドMFが前に出れば、5トップのような形にもできる。タイミングとバランスを見れば、どんどん攻撃に人数をかけられるシステムです。昨年は失点が多かったので、逆に爆発力を出すことによって、カバーしようかなと考えました。2位以内に入るためには思い切った変化を加えないといけないと思っていました。昨季J2で4-3-3にしているチームはなかった。ミラーゲームになってしまうと、戦力差で勝負が決まってしまうので、システムで変化を出して優位に立ちたいと思って、選びました」

Q.しかし、第10節の敗戦を機に戦い方を変えました。4-3-3のどこに問題があったのでしょうか?

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