デイリーホーリーホック

「[HOLY SPONSORS]第46回・大川精螺工業株式会社『一人ひとりが人生と向き合い、意見を持つ。それが、チームや会社の成長につながる』」【HHレポート】※無料記事

【写真 米村優子】

水戸ホーリーホックを支えてくれるスポンサーさんにお話を聞く企画「HOLY SPONSORS」。第46回目にレポートさせていただいたのは、今季からエメラルドパートナー契約を結んだ「大川精螺工業株式会社」です。どのような思いを抱いて水戸のスポンサーとなり、その活動を続けることになったのか、代表取締役社長の大川知樹さんにインタビューした模様をお伝えします。

大川精螺工業株式会社 代表取締役社長 大川知樹さん

独自技術で国内トップシェアを誇る自動車用ブレーキホースの継手金具などを製造

当社は、常陸大宮市にある水戸工場の他、東京、神奈川、兵庫、タイやメキシコを拠点に、自動車用の各種金属加工品の開発・製造・販売を自社一貫体制で手掛けている会社です。
独自の冷間鍛造技術により、国内シェア50%を誇るブレーキホースの継手金具をはじめ、スタッドボルトなど多くの国内外の自動車企業に長年採用され続けています。

私たちのコーポレーションスローガンは「グラン・ファミリア・カンパニー」。
「会社」と「社員」が家族として一体となることで、一人ひとりが成長し、チームワークを発揮する機会を創造する「場づくり」を追求しています。

そして、常に時代の最先端技術を取り入れ、大川品質・大川テクノロジーを用いて安心・安全を社会へ提供する「Mission」。
モノづくりの楽しさを通じ、人も会社も進化を続け、顧客への貢献と豊かな人生の両立を目指す「Vision」。
挑戦しない限りイノベーションは起こらない。「取り敢えずやってみよう、失敗したら戻せばいいだけ」の精神で進化し続ける「Value」。
これらを軸に、お客様や地域、社会、全社員の幸せに誠実に向き合い、挑戦し続けています。
 

サッカー選手の先入観を覆された「Make Value Project」

そんな当社と水戸ホーリーホックの出会いは、2020年のこと。
社員研修に力を入れたいと考えていた中、社内研修や幼児教育など様々な事業を展開している学生時代の先輩と再会しました。
ちょうどその頃、その先輩は水戸ホーリーホックのコーポレートアドバイザーを務める立石隆章さんからも相談を受けており、これも何かの縁ということで、ともに茨城の地に拠点を持つ当社と水戸ホーリーホックを引き合わせてくれたのです。

立石さんや営業の眞田(光一郎)さんにも社員研修の強化に関して意思表示していましたので、昨年6月、水戸ホーリーホックの「Make Value Project」に参加させてもらうことになりました。
その日は、社会人基礎力に関する内容で、選手らが「なぜ自分達はサッカーをするのか」という目的をアウトプットする内容だったと記憶しています。

私はサッカーに関して全くの素人なので、失礼な話なのですが、「サッカー選手は、サッカーばかりやってきた人達なのだろう」という先入観を持っていました。
しかし実際、そんなことは全くありませんでした。
選手は自分の人生と向き合い、きちんと自分の意見を持ち、ファシリテーション能力が普通の社会人よりも高かったのです。
なんて素晴らしいことでしょうか。
当社の同年代の社員と比べると、社会人としての能力が高く、衝撃を受けました。

共感、感銘を受けた村田選手や西村GMの想い

特に印象深く残っているのは、村田航一選手。
一緒にグループディスカッションした際、彼の想いも色々と聞かせてもらいましたが、目的意識を明確に持って、自身の人生やサッカーを真摯に取り組んでいる選手なのだと感じました。
その場にいた選手全員、素晴らしかったですけれども、すっかり村田選手のファンになってしまいましたね。

西村卓朗GMとも話す機会があり、ご自身のJリーガー時代、その後の社会人として経験されたことも踏まえて「Make Value Project」を発足したことや、サッカー選手であっても社会の一員であり、一般社会と切り離すのではないこと、また、社会とチームの垣根があるべきではない、などと話されていて、それらも非常に共感し、感銘を受けました。

あの「Make Value Project」の時間もドリブルの練習していた方がいいのでは?と思う人がたくさんいるかもしれません。
しかしそうではなく、座学にもきちんと時間を割かなければならない。
ただサッカーの技術を習得すればいいのではない。サッカーだけ上手ければいいのではない。
西村GMから選手へのメッセージなのだと思いました。

当社の社員もただ教えることが教育ではない。なぜその機械を動かさなければいけないのか、どう成長していくのか。
「急がば回れ」のことわざのように、選手、社員一人ひとりにそんな想いが芽生えることが、ひいてはチーム、会社の成長につながっていくのです。

経営者として非常に理解や共感ができますし、嬉しさとともに後押しされました。
私も西村GMと同じく東京都出身ですので、茨城の地で同様の課題に直面している同郷の方がいて心強さも感じます。

【写真 米村優子】

「Make Value Project」で狙い通りの社員研修を実施

サッカー選手がそんな素晴らしい取り組みをしているのに、当社の社員は社内のことしか知りません。
きちんと自分の人生を考えながら仕事をしている同世代の人々が身近にいることを見せてあげたい。
なんとか社員をこの場に連れていきたいと考えました。
たった一回の「Make Value Project」でそんな想いが急上昇しまして、社内取締役会で役員を説得し、社員研修に活用させてもらうことにしたのです。

そして昨年9月、10月に当社の20~30代前半の社員と合同研修を開催し、元プロ選手の山内貴雄さんによる「考え抜く力」「チームで働く力」を実施してもらいました。
すると、社員からは「同年代、年下の選手なのに自分の意見をきちんと持っていて、自分が恥ずかしくなりました」「自分が何も考えずにいたことを痛感しました」という感想とともに、「受けた刺激を、自分の業務に活かしたいです」という声も多く寄せられ、狙い通りの研修になったと喜んでいます。

この研修に参加した社員の多くは、自ずと同じグループになった選手や水戸ホーリーホックのサポーターになり、ともにスタジアム観戦も楽しむようになりました。
スポンサー枠でいただいたチケットは、社員の福利厚生として活用させてもらい、無料で配布しています。
枠以上の応募があった場合は、会社負担でチケットを配布して、私を含めて社員で生観戦を満喫しています。
今後も継続して合同研修をして、水戸ホーリーホックファンを増殖していきたいと思っていますね。
私自身も今やすっかりファンになってしまい、会社のエントランスにホーリーホックブースを作ってしまった程です。

チーム、会社、地域が一緒に成長できることが三方にとって最高の関係性

今年のプレシーズンマッチを社員と観戦したのですが、「今年は一味違う」と感じました。
ホーム開幕戦も惜しい試合でしたし、非常に攻撃的で楽しみなチームです。
推しメンである村田選手には、アウェイ大分戦のような圧巻のゴールを今後も期待しています。

私は茨城が出身地ではありませんが、やはり地方で会社を経営していると、その地域が盛り上がって欲しいと思うものです。
水戸ホーリーホックは、この地域を盛り上げられるポテンシャルを持っている組織だと思います。
J1昇格して、地域が活性化してくれるのであれば、非常に嬉しいことです。
当社は今年からスポンサーとなりましたので、もし昇格すれば社内も活気にあふれることでしょう。

地域の皆様と共通して応援するチームがいることは、喜ばしいことです。
チーム、会社、地域が一緒に成長できることが三方にとって最高の関係性。
是非、サポーターの皆様には、当社も応援してもらえると幸いです。

【写真 米村優子】


大川精螺工業株式会社
創業1934年の老舗自動車部品メーカー。長年、大手自動車メーカーのパートナーとして自動車には欠かせない特殊加工ねじの開発・生産を中心に手がけている。特に主力製品のブレーキホース口金具は、国内トップクラスのシェアを誇る。タイに構える600人規模の生産工場の他、近年はメキシコにも工場を新設。歴史と実績に裏打ちされた技術力を強みに、積極的な海外展開を進めている。
https://www.okawaseira.co.jp/

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