横浜本牧フットボールマニアックス

「人と人が繋がれるような役割を担えるクラブの新たなシンボル」みんなで作ったマスコットに込められた想い(Y.S.C.C.・山下健太郎さん)【1/2】

2020年12月1日 横浜
(PHOTO,TEXT・佐藤功)

2020年12月20日、今季のホーム最終戦、ついにY.S.C.C.のマスコットキャラクターがお披露目される。これまでマスコットを持たなかった彼らが、なぜこのタイミングで動き出したのか。そして、なぜ募集と投票を行ったのか。プロジェクトを担当したY.S.C.C.・山下健太郎さんに話を聞いた。

12/20(日)藤枝MYFC戦のチケット情報(© Yokohama Sports & Culture Club.)

▼みなさんと一緒にマスコットを作ろう

――マスコットを製作しようと思われたきっかけは、どんなものだったのでしょうか?

山下 もっとY.S.C.C.というクラブを知っていただき、親しみやすさを持ってもらいたいという思いがあります。どうしてもクラブは、サッカーやフットサルのプロ興業のイメージが強いですがそれだけではありません。たとえば、スクールで子どもたちはサッカーを活動としてやっています。その子たちがどれだけクラブのことを知っているのかだったり、試合を観に来てくれているのかということも大事だと思います。

何かのご縁で出会った方々に、知ってもらえるような取り組みをしないといけないと思いますので、今回のマスコットを通じて子どもだけではなく大人にも愛されて、もっと知ってもらえるようなきっかけになればと思い始めました。

――実際に動き出したのはいつ頃からでしょうか?

山下 実はコロナ前から考えてはいましたけども、コロナの影響でマスコット製作の優先順位を下げて他のことを優先的にやっていた時期もありましたので、本格的に動き出したのは6月、7月ぐらいからです。自粛期間が空け有観客で試合が開催できるようになりましたが、生まれてしまった疎遠感に対して距離を縮めるものは何か、人と人が繋がれるものは何か、地域とクラブが繋がれるものは何かを考え、最終節まで時間はありませんでしたが全力でプロジェクトに取り組みました。

ただ悩みました、逆にこんな大変な時期にマスコットでお祭りみたいなことをして本当にいいのかと。でも我々は人々に勇気だったり楽しさだったり、生きがいだったりを伝えていく仕事をしています。今年、新型コロナウイルスの感染拡大で外にも出れないような世界が大変な状況になったりしているなかで、何かしらの形で私たちのクラブコンセプトである『人と人との繋がり』ができないのかと思い、マスコットを通じてより疎遠感を失くす、人と人が繋がれるような役割を担えるクラブの新たなシンボルを作れたらとこのタイミングで作ろうということになりました。マスコットを通じてできることはたくさんあると思いますので、今のこの暗い状況で明るい話題を届けたいという気持ちです。マスコットの名称やキャラクター設定についても、このご時世だからこそ、その要素を反映しています。ぜひ興味を持ってもらいたいです。

――今回、公募と投票という形を取られていますが、その狙いはどういった理由でしょうか?

山下 地域の人たちや社会と一緒にやることが大切だと思ったからです。同じ一つのことに向かって、一つのことをやり遂げる。制作過程から人と人が繋がって、みなさんに関わっていただきたい。クラブ内でマスコットをデザインして名前を決めたりするよりも、みなさんと一緒にマスコットを作ろうということで公募制と投票制にしました。本当はもっとその先の、たとえばグッズや当日のイベントも含めて一緒に考えていただきたかったところですが、そこまでは時間的に難しいところもありますので、まずはマスコットを作るデザインと名前は公募という形にしました。

――実際に、何点ぐらい応募はありましたか?

山下 実は、かなりネガティブにプランを立てていました。

――そんなに来ないだろうと。そこは読めませんよね。

山下 そうです。それが一番の課題でした。期間も約一ヶ月とかなりタイトなスケジュールで公募でしたので難しいと想定していましたが、100以上のデザインが来ました。子どもたちのかわいいデザインから本格的なデザインまで、多岐に渡っていろんなデザインが集まって個人的には安堵感の塊でした。年齢層も幅広くて幼稚園児からお年寄りまで、プロの方も応募してくださいましたし一般の方も応募してくださっていますし、全国のいろんなところから来ましたし、他のクラブのサポーターからも来ました。いろんな人との関りを繋げるという意図は、達成できたかなと思います。

――ちなみに、この4作品の中で山下さんの好みはどれですか?

山下 それは言えませんよ、私は責任者ですから(笑)。本当にどの子になっても良かったなと思える子ばかりで、子どもにも大人にも誰にでも愛されるクラブのポリシーを象徴していますし、何よりもみなさんで作ったマスコットですので大切にしたいと思っています。みなさんにもホーム最終戦の12月20日にお披露目になるマスコットを通じて、一体感を持っていただければと願っています。

後編:「誰からでも愛されるようにしていきたい」人と人を繋げるマスコット、今後の未来予想図(Y.S.C.C.・山下健太郎さん)【2/2】

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