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松山健太「サポーターの力って本当にすごいんすよ」 守護神復活の裏側【いわてグルージャ盛岡】

J224節・大宮戦(10)、再三の好セーブで岩手のゴールに鍵をかけた。6ポインターの重要な一戦での勝利を支えたのが、GK松山健太がみせた出色のプレーだった。

なお、この試合はその重要性を示すかのように、今季最多の2,891人が来場。試合後は「WHITE NIGHTイベント」、そして花火の打ち上げがあり、チームとサポーターは喜びを分かち合った。

 

試合後、ミックスゾーンでカメラの前で試合の反省と手応えを口にする。一通り終わった後、カメラの前をはずれ、個人的に話を聞いた。

 

「ホームで多くのサポーターと勝利を祝えた。どんな気持ち、想いか教えてほしい」

そう水を向けると、松山は開口一番、

「サポーターの力って本当にすごいんすよ。特に最近、それは身をもって感じていて」

とサポーターの後押しについて話し始める。

 

「(第17節)水戸戦で自分のキックミスから失点して、チームをすごくマイナスの方向に向かわせてしまったことがありました。僕自身、プロですから、『しっかり切り替えて前を向いて次の試合に臨まなきゃ』という思いでいましたけど、やっぱり人間ですから落ち込みました。今までにないくらいサッカーと向き合って、自分に矢印を向けて。でも向けすぎちゃって、また下を向いちゃう。ダメなのはわかっているんですけど。どうしたらいいのかわからないくらいまでなってしまっていたんです。

 それでもそんなときに、サポーターの方々がSNSで『大丈夫!』『お前ならやれるよ!』というようなメッセージを本当にたくさん送ってくれたんです。そんな声を聴いて、『自分のことをこんなに応援してくれる人がいるんだ』『へこんでる場合じゃないな』と。ネガティブになりがちだった考え方をプラスの方向に持っていってくれたのが、サポーターの存在であり、声をかけてくださった方の存在だったんです」

 

水戸戦はミスの後、引きずるプレーも散見された。さらに次節の横浜FC戦でも「まだ整理はついていなかった」状態で、(第19節)金沢戦のスタメンには阿部信行が選ばれた。その時期にもサポーターから「また取り返せばいいんだ!お前なら大丈夫」と力強いメッセージを受け取ったという。

 

「もうなんていえばいいんだろう。感動というか、これまでにないほどのパワーをもらって。そういう方のおかげで心の整理はできたし、プラスの方向に持って行けました。声出しはまだダメですけど、スタジアムで声掛けをしてくれる方、SNSなどでメッセージをくれる方、そういう方の存在が選手にとっては本当に大きいんです」

 

今季は試合出場も増え、街で声をかけられたり、応援の言葉をもらったりすることも多くなった。

「僕はそういうことがあるたびにすごくうれしくて、とても力になるんです」

 

5分ほどの会話だったが、その中で4回、5回と「サポーターの存在って本当にすごい。すごいんです」とうれしさと興奮が入り混じったようなトーンで話してくれた松山。

 

サポーターの声、想いは確実に選手に届いている。

そしてその声が選手の好パフォーマンスを支えている。

 

選手の戦いぶり。コーチ陣の準備。

そして、サポーターの支えがもたらした“6ポイント”だった。

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