「残留請負人」前讃岐監督・北野誠が語るJ2監督論。魔境を生き抜く極意とは?(J論)

J論プレミアム

「解説者・戸田和幸」を読み解くための3つのキーワード

▼常に貪欲な理由
横浜での日本代表合宿の取材で、戸田和幸さんと再会。「こんにちは!」と声をかけられたとき、実は内心びっくりしてしまった。この時、合宿はまだ2日目。トレーニングはオープンになっていたが、選手は軽めの調整に終始していたので、解説者にとって参考になりそうなトピックスはほとんどなかっただろう。そういえば私がカメラを構えている背後で、戸田さんは代表の広報スタッフと何事か話し込んでいた。どんな取材現場であっても、可能な限り有益な情報を見つけようとする貪欲な姿勢。この人の真骨頂を見る思いがした。

「少なくとも僕の仕事は、視聴者のためにあるものですから、見ている人がサッカーを面白いと感じなくなったら意味がないですよね。それは僕が解説という仕事をスタートさせる時、大前提の心構えとして持っていました」(2月21日のインタビューより)

元日本代表であり、現在はサッカー解説で多くのファンから支持を集めている戸田さん。先日、「宇都宮徹壱ウェブマガジン(WM)」にて掲載したインタビューは、幸いにして多くのリアクションを得ることができた。私が嬉しかったのは、単に「戸田和幸」というネームバリューだけでなく、彼のサッカーに対する真摯な態度や「サッカーを伝えること」への情熱的の考え方に、多くの読者が共鳴してくれたことだ。そんな彼の解説者としての矜持は、まさに上記の発言に凝縮されている。

WMのリード文でも書いたが、戸田さんのインタビュー記事は当初、1万字くらいでまとめる予定であった。ところがあまりにも言葉の密度が高く、無駄なコメントがほとんどなかったため、2万字に及ぶインタビューを前後編で掲載することにした。それぞれお読みいただくのが一番ではあるが、本稿では「疑問」「行動」「努力」という3つのキーワードから、私が考える「戸田和幸像」を記すことにしたい。

▼疑問と行動と努力のサイクルを回し続ける
まず「疑問」。どんなに常識と受け入れられていることでも、自分で納得できないと思ったら「なぜ?」と疑問をぶつける。戸田さんは現役時代から、チームが勝利するためにはとことんディスカッションすべきだと考え、実践してきたという。ところがチームによっては「それを歓迎しない空気」があった。年下から意見されたくないという、いかにも体育会的な文化を引きずった選手や指導者が少なからずいたのだろう。それでも戸田さんは、お構いなしに疑問をぶつけ続けた。

 

※この続きは「サッカーパック」に登録すると読むことができます。

(残り 1679文字/全文: 2728文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック