J論プレミアム

山形・相田社長が最初に行ったクラブ改革は挨拶。その後に見据える新スタジアムの構想とは?

今年就任したモンテディオ山形の相田健太郎新社長。山形県南陽市出身の相田社長は、これまで㈱毎日コムネット、水戸ホーリーホック、㈱楽天野球団(楽天イーグルス)、ヴィッセル神戸と主にプロスポーツビジネスに携わってきた。行く先々でさまざまなことに挑戦し、実践してきた手腕はモンテディオ山形にとって心強い。さっそく、イーグルスでの経験を生かして、3月17日のホーム開幕戦ではポンチョ、5月5日には帽子を無料配布するなどで盛り上げている。また、相田社長は埼玉県立伊奈学園総合高校卒。同校の後輩としては社長就任の朗報にいてもたってもいられず、インタビューをさせていただきました。(聞き手・「大宮花伝」松澤明美)
→前編「楽天イーグルスのノウハウを注入。開幕から好調を維持する山形・相田社長が行った「ストーリー戦略」とは?

 

 

▼妻が後押しした就任決断
–(森谷俊雄前社長から)山形の社長にと声を掛けていただいたときは悩まれましたか。
「1回、電話がきて『考えます』と切った。その15分後に掛け直して『やります』と返事をした。僕が確認したかったのは家族に対してだけだった。僕がやるっていうだろうなって奥さんは思っていたと思う。どうせやるでしょって。15分の間に『どう思う?』って聞いたら、奥さんは『その顔を見て止められると思う?』って言われた。すごく感謝している。小さい話だけど、お酒を飲みにいくことを誘われたら絶対に断らないようにと言ってくれたのは奥さん。行かないと世界が広がらなくなっちゃうよって。彼女も働いているので分かってくれている。せっかく声を掛けていただいたので、チャレンジしてみようとすぐ思いました」

「神戸に行ったからだと思うが、神戸でこうしたらこうなるのかなとか、思った部分もあった。それは自分でやってみないと分からないと考えて、こんな機会はなかなかない。最初に伝えたのはスポーツダイレクターの三浦さん。僕の上司だったのですが、すごく喜んでくれてありがたかった。同時にイーグルスから一緒に神戸に行った取締役をやっている同僚も、いいと思うよって行ってくれて。立花さんも、『行け行け。社長だろう、なんでお前なのかねって(笑)』と。毎日コムネットの最初の上司に報告したときは、夢を叶えちゃったなって、言われてうれしかった。僕が将来は選手かチームのマネジメントをしたいんですって、新卒で最初に話したのを覚えていてくれた。お祝いに品物までいただいた。本当に人にめぐまれていると思う」

–株式会社になってからは初の民間企業出身の社長ですが。
「(株式会社化する前には鹿島アントラーズの常務取締役などの経験がある)海保宣生さんが民間から、当時の経営母体だったスポーツ山形21の理事長に就任した。株式会社になってから民間初。僕は海保さんをベクトルにしているというか、海保さんの秘書だった方が一緒に働いているので、海保さんについて聞いた。(2015年に)お亡くなりになったがJ1復帰したらご報告にいきたい」

 

▼みんなが楽しめる施設に
–今後の展望はいかかですか。
「山形県総合運動公園を盛り上げていきたい。指定管理者は管理や維持が目的になりがち。僕はせっかくなので進化させたい。サッカーのホームゲームは21日しかない。残りの340日を考えないといけない。モンテディオ山形がやっているから、いい施設になっているねって言われたいし、ここにくれば県内で味わえない先端の体験ができるとか、いい指導が受けられますとか、いい技術がありますとか、そういう場所にしたいなと思う。サッカーに興味がない方もきていただける施設にしないとダメだと思う。動員も常に1万人くらい入るにはこの施設をどう有効活用すればいいかっていうのは考えないといけないし、女性やお子様が来やすい場所にしたい。また、会社を管理する側からすれば、モンテディオ山形がすごいのはこの施設の中にクラブハウスがあって、僕らのオフィス、スタジアム、練習場ある。この環境はおそらく55クラブの中で一番めぐまれているのではないかと思う」

 

※この続きは「サッカーパック」に登録すると読むことができます。

(残り 1569文字/全文: 3294文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ