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『サッカーがすごく楽しい』細貝萌がタイでプレーして気づいたこととは

柏レイソルからタイリーグの強豪クラブであるブリーラム・ユナイテッドに移籍した細貝萌選手。
今回、その細貝選手にタイサッカー専門メディア『フットボール タイランド』を主催するライター・本多辰成氏が直撃。
苦しかった柏レイソル時代について、なぜブリーラム・ユナイテッドへの移籍を決断したのか、タイリーグで実際にプレーしてみて感じたことなどをたっぷりお届けします。
(前編:一番大きかったのは『日本じゃない』細貝萌がタイへ移籍を決断した理由)

 

 

▼古巣・浦和と対戦したACL、タイの猛暑の中でわかったこと

――ACLには特別な意識はなかったということでしたが、結果的に今季のACLでブリーラムは細貝選手の古巣でもある浦和レッズと同組となりました。浦和戦に関しては、出場したい思いがあったのではないですか?

細貝:そうですね。古巣ということで数多くの選手を知っている中で、普段から連絡も取っている選手もいますから、そういう選手たちに立ち向かっていきたかったという気持ちは強いです。ただ、コンディションの不良でリハビリをしていて、ACLの開幕はおろかリーグの開幕にも間に合わないという状況だったので、チームの判断でACLのグループステージは登録を外すということになって。グループステージの期間中は登録を変えられないルールなので、そこは仕方ないと思っています。

――ACLの開幕節となった日本での浦和戦は見ていましたか?

細貝:はい、チームには帯同せず、タイでテレビで見ていました。日本での試合に関しては、浦和の思い通りというか、ちょっと簡単にやられたなという印象はありましたね。正直、自分が出ていればもっとできたと思いますし、改めて自分がブリーラムを引っ張っていかなきゃいけないというか、チームの中心でいなきゃいけないという思いになりました。

――結果は0対3の敗戦。内容的にも浦和の完勝と言えるものだったかと思いますが、どういったところに差を感じましたか。

細貝:やっぱり浦和の選手たちは個の能力が高いですし、僕自身も含めてもっとレベルアップしていかないとアジアでは勝っていけない。ブリーラムは去年もその前もタイリーグで優勝していますけど、アジアでは上位に行けていない。昨シーズンは決勝トーナメントには行っていますけど、国内の優勝で満足してはいけないと思いますし、各選手がそれをわかっていないといけないと思っています。実際、ブリーラムには素晴らしい選手がたくさんいて、特に若い選手の中にはヨーロッパも狙えるんじゃないかという選手もいる。これまでの経験から、彼らが成長していけるようにアドバイスもしていければと思っています。

――タイのサッカーは足元の技術があって攻撃は魅力的ですが、格上の相手と対戦するとどうしても守備面のルーズさが目につく印象があります。

細貝:悪く言えば怠けているように見えますよね。プレスに行かなきゃいけないところで行かない、ボールを目の前にして奪いに行かない。映像を見ていても、僕もそう思っていました。ただ、実際にタイでプレーしてみてわかったんですが、タイのこの気候だからああいうサッカーになっているところもあると思います。この暑さで90分、毎回は行けない。もちろんさぼっている場面もあるとは思いますけど、暑いからこういうサッカーをしているんだな、というのは理解しました。汗の量もすごいので、水分や糖分を摂るタイミングも気をつけるようにしています。

――日本の夏と比べても、タイの暑さは厳しいですか?

細貝:4月の暑さは日本の夏より厳しかったですね。ブリーラムでの浦和戦(5月7日)の記事で「タイの猛暑に勝てるか」ということが書いてありましたけど、4月に比べたら猛暑というほどでもなかった。ブリーラムとしては、もう1カ月早くやりたかったですよね。

 

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