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Jリーグロスの今、正田スタで感じた事を語ろう(えのきどいちろう)

タグマ!サッカーパック』の読者限定オリジナルコンテンツ。『アルビレックス散歩道』(新潟オフィシャルサイト)や『新潟レッツゴー!』(新潟日報)などを連載するえのきどいちろう(コラムニスト)と、東京ヴェルディの「いま」を伝えるWEBマガジン『スタンド・バイ・グリーン』を運営する海江田哲朗(フリーライター)によるボールの蹴り合い、隔週コラムだ。
現在、Jリーグは北は北海道から南は沖縄まで58クラブに拡大し、広く見渡せば面白そうなことはあちこちに転がっている。サッカーに生きる人たちのエモーション、ドキドキわくわくを探しに出かけよう。
※アルキバンカーダはスタジアムの石段、観客席を意味するポルトガル語。

 

Jリーグロスの今、正田スタで感じた事を語ろう(えのきどいちろう)[えのきど・海江田の『踊るアルキバンカーダ!』]二十八段目

 

▼J2開幕、正田スタで感じたこと

今月はJリーグ開幕ネタかな、あるいはヒネって「裏マスコット総選挙2020」で(人間なのに)優勝したツエーゲン金沢、「グッズ担当の女」でも取り上げるかな、なんてのんきに考えてたら世間の空気がすっかり変わってしまった。

新型コロナウイルスによる感染拡大だ。中国での蔓延を海外ニュースで見たり、クルーズ船の乗客乗員を心配してるうちは皆、余裕があったのだ。2月末に至ってムードが一変した。政府が小・中学校の「全国一斉休校」を要請した。と、不安心理からトイレットペーパーの買い占め騒動が起きたりした。北海道知事は緊急事態宣言を発表、週末の外出を控えるよう呼びかけている。全国で街から人が消えてゆく。気がつけば今や世界じゅうが「パンデミック」の足音に怯えている。

サッカー的には2月21、22、23日の週末、J1J2が開幕し、みんなウキウキだったのだ。南アのU-23代表が来日を拒否しそうになった時は「怖がりすぎだよー」「ま、アフリカの人から見たら東アジアはみんな同じに見えるだろうねー」なんて軽口を言っていたのだ。まさか2月26日のルヴァンカップ戦から3月15日開催のリーグ戦まで、J1J2J3の全94試合が延期されるなんて思いもしなかった。開幕節だけやって、第2節以降が延期になったのは2011年の東日本大震災を連想させた。

僕は漠然と(札幌ドーム、ノエビアスタジアムの例外こそあるが)野外で開催されるJリーグはウイルス感染に強いと思っていた。飛沫感染と接触感染ならマスク手洗いの徹底で一応ガードできる。開幕節は正田スタの「群馬vs新潟」を見に行って、それが瞬間最大風速17メートルの強風(さすが上州からっ風! 当日は安全面の配慮からJリーグ看板、バナー、スポンサー看板、のぼり、横断幕、大旗、ゲーフラ等の掲示はすべてなしになった)の試合で、こんなもんウイルス吹き飛ばされるわー、と思ったものだ。ネットに上がっている医師の注意事項を読んでも満員電車や立食パーティーといった、換気のよくない密集地がよくないらしかった。野外の、正田スタ最強ではないか。

※もっとも23日の「神戸vs横浜FC」戦(ノエスタ)では感染予防のため、「応援禁止」の措置が取られた。具体的にはチャントや肩を組むなど密集しての応援だ。声を張っての応援につながるとして大旗やメガホンの持ち込みも禁じられた。ヴィッセルサポはマスクをして手足で拍子を打ったり、チャンスでは指笛を鳴らしたりして奮戦した。

 

▼握手文化のサッカー界は注意が必要

が、ライターの立場でいうと事情が変わってくる。J

 

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