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『今シーズンJ1で気になるチーム、気になる選手は○○だ』柏レイソル番記者・鈴木潤編【Jロス解消企画】

 

■第二次ネルシーニョ監督体制2年目のキーワードは『継続』

昨季のJ2を制し、柏は1年でJ1に返り咲いた。オルンガ、中村航輔ら海外移籍が噂された選手の慰留に成功し、加えて韓国代表GKキム・スンギュ、昨季のJ2で日本人トップの22得点を叩き出したFW呉屋大翔ら、前所属クラブではレギュラーとして活躍していた有力選手を9名補強した。

札幌との開幕戦では、試合終盤の2失点こそ課題が見られたものの、オルンガ、クリスティアーノ、江坂任の3人が繰り出したカウンターの破壊力は、おそらくこれから対戦するJ1チームに強烈なインパクトを与えたことだろう。4-2と勝利を収め、その前のルヴァンカップG大阪戦の勝利も含めて、J1復帰戦としては上々の滑り出しを見せた。

第二次ネルシーニョ監督体制2年目のキーワードは『継続』である。
現在の中断期間にも「やってきたことを変えない。我々の取り組む方法も含めて変えない、唯一気にしていることといえばそこになる」(ネルシーニョ監督)と指揮官は不変を強調。日々のトレーニングでは週末に練習試合を組むことで公式戦がある週と同じサイクルを作り出し、そのルーティンを変えない。
公式戦がない時期だけに、本来ならばモチベーションや集中力の維持には苦労するところだが、ネルシーニョ監督の巧みな手綱捌きゆえチームマネジメントに関しては心配ない。むしろこうした時期だからこそ選手同士の競争意欲を煽り、チームとしての戦い方のクオリティーを高めながら、激しいポジション争いが繰り広げられていると予想される。
2011年の東日本大震災で中断した際には、開幕戦ではメンバー外だった酒井宏樹が中断期間中に台頭し、レギュラーポジションを獲得した前例がある。つまり昨季のJ2優勝メンバーや、開幕戦に出場したメンバーも絶対ではない。
昨年からの上積みがあり、選手同士の健全な競争がさらなるチーム力の向上を促す。リーグ再開を見据えて、柏は粛々と準備を進めている。「勝利」という目標のために。

 

■因縁浅からぬ相手・神戸

J1は非常に難しいリーグである。なにしろ、2017年にACL出場権を獲得した柏が、2018年は17位で降格の憂き目を見たのだから。そういう意味でも、17チーム全てを警戒しなければならない。

 

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