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観衆508人の衝撃(えのきどいちろう)

タグマ!サッカーパック』の読者限定オリジナルコンテンツ。『アルビレックス散歩道』(新潟オフィシャルサイト)や『新潟レッツゴー!』(新潟日報)などを連載するえのきどいちろう(コラムニスト)と、東京ヴェルディの「いま」を伝えるWEBマガジン『スタンド・バイ・グリーン』を運営する海江田哲朗(フリーライター)によるボールの蹴り合い、隔週コラムだ。
現在、Jリーグは北は北海道から南は沖縄まで58クラブに拡大し、広く見渡せば面白そうなことはあちこちに転がっている。サッカーに生きる人たちのエモーション、ドキドキわくわくを探しに出かけよう。
※アルキバンカーダはスタジアムの石段、観客席を意味するポルトガル語。

 

 

観衆508人の衝撃(えのきどいちろう)[えのきど・海江田の『踊るアルキバンカーダ!』]三十八段目

 

■現場は出来る限りの対策を行っているが・・・

今月、読者に報告したいのは「508人の衝撃」である。これは思い出に残る体験だった。7月15日のJ2第4節、町田-新潟戦(Gスタ)だ。試合自体は3対3という点の取り合い、十分に見応えのある派手な一戦だった。たぶん当日、スタジアムに来られた方も、DAZNなどでご覧になった方も、ああ、あの試合は面白かったなと振り返るはずだ。両軍の3点目がどちらも劇的で、「スペクタクルがあった」と評してもいい。

だが、この試合は観衆508人なのだった。J2最少観客数の新記録であるらしい。僕は『週刊サッカーマガジン』の連載を皮切りにかれこれ20年、サッカーコラムを書いているが、Jリーグ取材で観衆3ケタは初めて経験した。アルビレックス新潟の取材で2013年11月30日、横浜FM-新潟(日産スタジアム)の6万2632人という、当時のJ1最多記録(その後、塗り替えられた)も経験したが、衝撃度は今回のほうが上かもしれない。ずっと胃の奥に消化しきれないわだかまりが残っている感じなのだ。

端的に言おう。僕のわだかまりは「現場はたまったもんじゃないなぁ」である。

僕は以前にも書いたことがあるが、日光アイスバックスという貧乏ホッケーチームの取締役を務めていたことがあり、クラブスタッフの集客・営業の苦労は身にしみている。観客数の少ないクラブを嗤(わら)う趣味だけはないのだ。7月15日のGスタ(町田GIONスタジアム)も町田ゼルビアのスタッフの奮闘のほうに目が行った。入口で検温、消毒を実施、座席も千鳥配置にするなど、本当に神経をつかっておられた。

Jリーグはこの時点で最大5000人までの入場制限(感染の再拡大を受けて8月末まで延長されることになった)だ。出来ればぎりぎり5000人ラインまで客席が埋まり、クラブに入場料収入が入ることが望ましい。ところが今年の7月は長梅雨だった。7月15日はコロナ禍、雨、平日開催と悪条件が3つも重なってしまった。

Jリーグは7月第1週までリモートマッチ(無観客試合)を実施していたから、それと比べればだいぶマシではないか、というご意見もあるだろう。確かに「観衆508人」の状況はリモートマッチに近かった。雨のなか、ずぶ濡れの選手らのコーチングの声とポポビッチ監督の叫び声(主に第4審に判定を抗議する声)がこだましていた。僕は熱血ポポビッチ監督があらためて好きになった。こうやって自ら戦う姿勢を示すスタイルは新鮮だ。

だから「戦う姿勢を自ら示す監督」「スペクタクルあふれる熱戦を演じるチーム」「対策にベストを尽くすクラブスタッフ」が揃い、それでも508人だったのだ。実はこの日だけでなく、町田ゼルビアは観客数で苦戦が続いている。1000人を割り込んだのもこの日だけじゃないのだ。

 

■プロ野球、大相撲も空席が目立つ現状

やっぱり観衆が少ないのは寂しいものだよ。無観客なら無観客で割り切ることができる。少ないのは張り合いが出ない。今季のJリーグはホームゲームのアドバンテージが失われる傾向がある。もっと試合数を消化し、サンプルが増えたらデータとしてはっきり出るのじゃないか。

 

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