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藤本寛也はポルトガルへと旅立った(海江田哲朗)

タグマ!サッカーパック』の読者限定オリジナルコンテンツ。『アルビレックス散歩道』(新潟オフィシャルサイト)や『新潟レッツゴー!』(新潟日報)などを連載するえのきどいちろう(コラムニスト)と、東京ヴェルディの「いま」を伝えるWEBマガジン『スタンド・バイ・グリーン』を運営する海江田哲朗(フリーライター)によるボールの蹴り合い、隔週コラムだ。
現在、Jリーグは北は北海道から南は沖縄まで58クラブに拡大し、広く見渡せば面白そうなことはあちこちに転がっている。サッカーに生きる人たちのエモーション、ドキドキわくわくを探しに出かけよう。
※アルキバンカーダはスタジアムの石段、観客席を意味するポルトガル語。

 

ジル・ヴィセンテFCへの移籍決定後、囲み取材に応じる藤本寛也。心残りはありつつも、意気揚々、ポルトガルへと出立した

 

藤本寛也はポルトガルへと旅立った(海江田哲朗)[えのきど・海江田の『踊るアルキバンカーダ!』]三十九段目

■まだ時間はあると思っていたら

新型コロナウイルスは災禍をまき散らし、同時に否応なく物事の新たな断面を見せ、発見をもたらした。

8月5日、東京ヴェルディは藤本寛也がポルトガルリーグ1部のジル・ヴィセンテFCに期限付き移籍すると発表した。プレスリリースが出たのは17時2分。19時からオンラインで記者会見を行うと記されていた。

立川市の僕の家から稲城市のクラブハウスまで、ドア・トゥ・ドアでおよそ1時間だ。通常なら無茶な時間設定も、オンラインなら可能になる。

すでに現地のメディアでは報じられていた移籍話であり、それは現実的なものとして捉えられていた。不安定な状態からこうして落着したせいか、モニターに映る藤本の顔はすっきりして見えた。

海外でプレーするのが夢だったこと、東京Vでやり残したことに後ろ髪を引かれる思い、ラストマッチとなるFC琉球戦への意気込み、西欧の地に馳せる情熱などを聞き取り、それぞれの記者が「身体に気をつけて」とはなむけの言葉をおくる。どうせなら何か気の利いたことを言えればよいが、かしこまって話せる空気でもなかった。

形式上は来年5月末までの期限付き移籍だけれでも、すんなり戻ってくるとは誰も考えていない。いくからには新天地での成功を願い、緑印のレフティの実力が本物であることを証明してほしいという思いだ。

取材はオンラインで完結し、記事は出来上がった。これに違和感を覚えなくなるのはいやだなと思うが、どこまでもつかという気もする。すでに僕のなかには、これもひとつのやり方だと有効性を認める気持ちが生まれ始めている。

藤本は21歳。かつて東京Vでは森本貴幸(アビスパ福岡)が17歳でイタリアへ、高木善朗(アルビレックス新潟)が18歳でオランダへと渡っている。年齢的に早すぎることはなく、むしろヨーロッパの市場で流通する新銘柄としては遅いくらいだろう。

なのに、飽き足りない気持ちが残るのはなぜか。昨年8月、藤本は右ひざ前十字靭帯損傷、及び半月板損傷のけがを負い、長期のリハビリを経て、この春に帰ってきたばかり。積もる話は復帰してからゆっくり話を聞けばいいかと悠長に構えていたところ、今回のコロナによる断絶である。どこか自分とは距離のある出来事に感じられ、ともすればリアリティを失いそうになる。

 

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