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【森雅史の視点】2021年4月11日 J1リーグ第9節 FC東京vs川崎フロンターレ

J1リーグ第9節 FC東京 2(0ー2)4 川崎フロンターレ
14:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数17,615人
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前半を終えてアウェイの川崎が2-0。後半はFC東京が持ち直して後半だけ考えると2-2ではあったが、トータルスコアが示す以上に川崎がゲームを支配した。なぜこれほどの差が付いたのか。

FC東京の長谷川健太監督は、「攻撃でイニシャティブを取りたかった」という4-4-2でスタートしたことも含めて、試合前の目論見から外れたことはなかったという。それでも試合開始直後に慎重になりすぎて相手のバックラインの裏へのパスが少なくなり、そのために相手にパスをカットされて攻め込まれてしまったと分析していた。確かに8分、17分の家長昭博の得点の後はFC東京が防戦一方となってしまった。そしてこの2点は、川崎の鬼木達監督は試合を分けたポイントとして語った「先制点」「2点目をたたみ込めたこと」と合致する。

加えて鬼木達監督が挙げた点は「気持ち」だった。長谷川監督が就任した2018年以降、川崎には1勝1分5敗5得点15失点と相性が悪い。その川崎に対してFC東京が慎重になりすぎたところに、川崎が勝利への渇望をぶつけ、それが前半の優劣を決めたということだろう。それでも長谷川監督が「しっかりと2点取り返すことが出来た」「川崎を崩した中での得点を取ることが出来た」と振り返った「大きな収穫」をFC東京は得たはずだ。

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート

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