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【六川亨の視点】2021年5月30日 J1リーグ第17節 FC東京vsサンフレッチェ広島

J1リーグ第17節 FC東京0(0-0)0広島
14:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数4,954人
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システムを4-2-3-1に変え、高萩をトップ下に置いたことでリーグ戦の連敗を5で止めたFC東京。第15節のG大阪戦も1-0の勝利を収め、再び連勝街道を走りだすかと思ったが、第16節では16位の清水に0-3と完敗した。

そして迎えた第17節、ホームの広島戦である。立ち上がりから広島の猛攻にFC東京は防戦一方だった。前半のシュートは40分に左CKから森重が放ったヘディングシュートだけ。CKもこの1回だけだった。

後半は開始1分に永井がクロスバー直撃の惜しいシュートを放ったものの、36分に交代出場の三田が放ったシュートの2本だけ。CKも3本にとどまった。

試合を見ていても、ゴールの予感はまったく漂ってこない。その原因は“売り”であるディエゴ・オリベイラと永井が精彩を欠いていたからだ。いつもなら、3人がかりのマークでも強引に突破してきたオリベイラがマークを振り切れない。ワンテンポ遅れても相手を抜いてきた永井も抜け出せない。

2人はここまで全試合に出場(途中交代はしている)しているため、過密日程による疲労の蓄積はかなりのものだろう。加えて右SBとして得意のドリブルでアクセントになっていた内田も清水戦の前半29分に負傷退場で広島戦はベンチ外。唯一、危険な存在だったのが交代出場のアダイウトンで、彼のスピードは健在だった。

しかし城福監督はすかさず右SB井林を投入して「アダイウトン対策」を取る。かくして両チームの対戦は盛り上がりの少ない0-0のドローに終わった。

リーグ戦は代表ウィークに突入するため19日まで空くが、FC東京はルヴァンカップのプレーオフに進出しているため6月5日と13日に試合が入っている。それまでに主力選手がリフレッシュできているかどうか。さらにはケガ人の回復も待たれるところだ。

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。

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