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【六川亨の視点】2021年9月5日 J2リーグ第28節 大宮アルディージャvs東京ヴェルディ

J2リーグ第28節 大宮アルディージャ2(2-0)1東京ヴェルディ
19:03キックオフ NACK5スタジアム大宮 入場者数4,160人
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パワハラ疑惑の真偽はともかくとして、東京五輪・パラリンピックでアウェーの連戦を余儀なくされている東京Vは、アウェー7試合未勝利の責任を取り永井秀樹監督と藤吉信次コーチが辞任。暫定監督の堀孝史氏がチームを指揮したが、負の連鎖を止めることはできなかった。

大宮の4-2-3-1に対し東京Vは4-3-3。サッカーはフォーメーションでするわけではないが、大宮DF陣によるビルドアップに対し、東京Vの前線からのプレスはCF端戸仁の1人だけ。これではプレスはハマらない。さらに大宮のボランチ三門雄大と小島幹敏にもフリーでプレーさせたため、前半は大宮の攻撃パターンの練習のようなもの。きれいな展開から2点を奪ってホームのファンを喜ばせた。

堀監督にとっては手探りの前半だったかもしれない。

さすがに後半は修正して、開始3分に1点を返すとその後も攻勢に出た。これに対し大宮の霜田正浩監督も次々と交代カードを切って守備を固め、前線もフレッシュな選手に代えてプレスを強化しつつカウンターから追加点を狙った。試合はこのまま2-1で終わり、大宮はホーム2連勝で18位(勝点26)に浮上して、とりあえず降格圏は脱出した。とはいえ19位の北九州と20位の愛媛とは1勝点差(勝点25)。次節はアウェーの愛媛戦という“6ポイントマッチ”だけに、「絶対に負けられない試合」はこれからも続く。

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。

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