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【六川亨の視点】2021年11月27日 J1リーグ第37節 浦和レッズvs清水エスパルス

J1リーグ第37節 浦和レッズ0(0-0)1清水エスパルス
14:04キックオフ 埼玉スタジアム2○○2 入場者数28,138人
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浦和にとっては今シーズンのホーム最終戦だが、残留争いを演じている清水相手に無様な試合を演じてしまった。ボールポゼッションこそ清水を上回ったものの、決定機はゼロ。逆にGK西川周作のファインセーブがなければ0-4のスコアになった可能性もあった。

原因はモチベーションの差だろう。「残留」という明確な目的のある清水に対し、浦和にとっては天皇杯準決勝に向けた調整試合のようなもの。今シーズン限りで現役を引退し、試合後はセレモニーも用意されている阿部勇樹、チームを離れる槙野智章と宇賀神友弥らがピッチかベンチにいれば状況は違ったかもしれない。

しかしベンチに入ったのは槙野だけ。リカルド・ロドリゲス監督は今シーズンの成長株である平野佑一や大久保智明といった将来性のある選手をスタメンで起用した。辞めていく選手より、今後の成長が期待できる選手を起用するのは当然だろう。しかし、そのために清水戦はモチベーションが曖昧な試合になってしまった気がしてならない。

浦和の功労者である3選手と共にピッチで、あるいはゴール裏で戦い、勝利で送り出そうという采配を期待したのは“浪花節”すぎるのだろうか。

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。

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