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【田村修一の視点】2021年12月19日 天皇杯決勝 浦和レッズvs大分トリニータ

第101回天皇杯決勝 浦和レッズ 2(1-0)1 大分トリニータ
14:04キックオフ 国立競技場 入場者数57,785人
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浦和が目標とするACL出場権を確保し、J2降格が決まっている大分は有終の美を飾れなかった試合だった。片野坂監督は試合の入りを悔やんだが、浦和が開始早々に先制したことで攻撃圧力を少し弱め、結果的に大分のバタつきが大きな失策に繋がらない前半となった。後半、戦い方を修正し、アグレッシブに攻めていった大分に対し、浦和は十分に対応できなかった。いつ同点になってもおかしくはなかったが、アディショナルタイムに追いつかれた後の最後のクライマックスを槙野が締めくくった。目的を達成した浦和だが、ACLを戦える陣容を整えているとは言い難い。来季に向けて課題はとても多い。他方で大分は、来季J1復帰のために何が本当に必要なのか。今季限りとなる片野坂監督はベーシックなスキルの向上が課題と指摘したが、それは古くて新しい問題でもある。どんな実践的な解決策を示すかに注目したい。

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。

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