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【田村修一の視点】2022年3月2日 J1リーグ第10節 川崎フロンターレvs浦和レッズ

J1リーグ第10節 川崎フロンターレ 2(0-1)1 浦和レッズ
19:03キックオフ 等々力陸上競技場 入場者数14,696人
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浦和が生みの苦しみを味わっている。前半は攻守に川崎を圧倒して先制しながら、後半立て続けに2失点。最後は力づくの攻めに出たが挽回はできなかった。川崎相手にゲームをコントロールできる力は浦和にはまだない。前半のような強度の高いサッカーを90分やりきるフィジカルも集中力もない。ポステゴグルー時代の横浜FMがフィジカル強化を努めたように、強度の高いスタイルで押し切れるのはフィジカルの裏付けがあってこそである。ただ、まだ片目が開かないからといって浦和に焦る様子も見られない。今のやり方を続けることで、道が開けるという手応えは掴んでいるのだろう。一方、川崎は、ここぞというときの攻守のメリハリのかけ方が相変わらず素晴らしかった。横浜FMとの大一番には敗れたとはいえ、選手が揃わない中で独走への下準備を静かに整えようとしている。

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。

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